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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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今年一年ご訪問の皆様への感謝 ~ "Scusa quasi una fantasia..."

今年一年ご訪問の皆様への感謝 ~ \"Scusa quasi una fantasia...\"_a0151913_184397.jpg
アンデルマ (Белая медведица Амдерма)
(2015年8月11日撮影 於 ロシア・ペルミ動物園)

本年、当ブログをご訪問いただいた皆様方に心より深く感謝いたします。当ブログの開設者は一個人としてホッキョクグマという驚くべき魅力をもった種に対して、いろいろな角度から迫ろうという試みを個人的に記録しているのがこのブログです。視野を大きく世界に広げ日本のホッキョクグマを世界のホッキョクグマの一部として位置付け、そして欧州、北米、ロシアのホッキョクグマ界に現在起こっていることから重要な意味を引き出したいと奮闘しているつもりです。投稿内容の半分は事実関係の解明、残りはそれに対する私の意見が強く反映されたものとなっています。動物(園)を扱ったネット上の多くの個人の方々のサイトと比較すれば文章が多く内容が非常に堅苦しい点で異色で煙たい存在(?)となっているはずの本ブログですが、それにもかかわらず御訪問いただいた方々に改めて深く感謝いたします。
今年一年ご訪問の皆様への感謝 ~ \"Scusa quasi una fantasia...\"_a0151913_1847474.jpg
ウスラーダ (Белая медведица Услада)
(2015年9月24日撮影 於 ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

さて、私事に関することで誠に恐縮なのですが、実は私自身の健康状態が最近かなり悪化するに至り、以前から休養を取るようにと言われ続けていた医師の忠告を受け入れざるを得なくなっています。多忙な仕事による若い時からの体への酷使がここにきて一気に出てきたように思っています。私自身は今年には長い休暇を取ったものの、そういった休みに思い立ったようにロシアに合計一か月間の長期ホッキョクグマ遠征を行っていたわけで本当の意味での休養にはならなかったということです。そうしたことも重なって現在の健康状態の悪化を一層招いてしまったようです。実は今年は今まで数年の中で国内の遠征回数が最も少ない年なのですが、それも私の体調不良が原因だったことが最も大きい理由ですが、しかしその一方で彼らホッキョクグマたちの姿を見ることにある種の悲しさを感じ始め、そして辛い想いを抱くようになってきたことも原因かもしれません。帯広のアイラは何故あの四角張った檻に入れられ、あれでよいのか? 釧路のツヨシを何故ちゃんとした繁殖の舞台にあげてやらないのか? 旭川のピリカはあの状態でいいのか? 阿蘇のカアチャンをなんとかできないのか? 浜松のキロルの今後はどうなってしまうのか? その他いろいろと国内における彼らの現状に懸念を多く感じ、彼らのところに出かけて行って会うのが辛くなってきたということです。いやそれだけではなく、日本のホッキョクグマ飼育には「種の飼育下における集団としての維持」という概念が本当にあるのかという点がもっと根本的な疑問としてあるわけです。日本の動物園関係者はあまりに楽観的すぎるのではないでしょうか。最近時々言われる話で遺伝子多様度という数字がありますが、しかし今後についてはいったいどの血統のどの具体的な個体が何頭の子供たちを誕生させるかは全く予想がつかないわけで、そういった数字の今後の予想値を計算することはほとんど意味をなさないということです。
今年一年ご訪問の皆様への感謝 ~ \"Scusa quasi una fantasia...\"_a0151913_18515422.jpg
シモーナ (Белая медведица Симона)
(2015年10月1日撮影 於 ロシア・モスクワ動物園)

話がそれましたが、厳選して選択と集中を行った今年の国内遠征ではあったものの、やはりその数は十分ではなかったようにも思っています。しかしこういった健康状態が仮に続けば来年はもっと少なくなるかもしれません。国内のホッキョクグマたちの様子は同好の多くの方々のサイトをご参照頂ければ当ブログなどよりもはるかに大きな生の情報が得られるわけですから、私までもがそういった写真、それも、もっと遥かに稚拙な写真を撮ってブログに掲載するという必要はないとも思っています。ですから当ブログの私の撮った写真はほんの付け足しの意味でしかないとご理解下さい。私自身、他の同好の方々と同じことは一切やらないというのを主義としています。私が追及したいのはそういった写真の裏側にある意味といったものです。そこにはデータに裏付けられた科学的視点も、事象に基づく社会的視点も、経験に基づく文化的視点も、そしてレトリカルな手法を含む文学的視点をも織り交ぜて展開しているのが当ブログの特徴でもあると思っています。そうすることが私個人なりの彼らホッキョクグマに対する精一杯の愛情の表現であると考えています。
今年一年ご訪問の皆様への感謝 ~ \"Scusa quasi una fantasia...\"_a0151913_1904730.jpg
ララ (Белая медведица Лара)
(2015年10月24日撮影 於 札幌・円山動物園)

さて、そういったことで、ここのところ毎年海外で過ごしていた年末年始はテロへの危険を避け、日本に留まって健康状態のさらなる悪化を防ぎ自宅養生としたいと思います。ブログの更新は続ける予定ですが、今後は健康状態によっては投稿できない日もあるかもしれません。しかし日本を含む世界のホッキョクグマ界の重要な動き、意味のある話題は決して逃さないつもりです。

今年も一年間本当にありがとうございました。では皆様、良いお年をお迎え下さい!
by polarbearmaniac | 2015-12-29 19:00 | Polarbearology

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