街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルが飼育展示場で三匹の猫たちと平和に共存

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アリコル Photo(C) МИА «Казинформ»

中央アジア・カザフスタンの首都であるアルマトイの動物園で一頭で暮らす26歳の雄のホッキョクグマであるアリコルについては情報が乏しいにもかかわらず報道がなされたときには全てそれらをご紹介してきたつもりです。彼はカリーニングラード動物園で2011年10月に37歳の当時世界最高齢で亡くなったスネジンカの息子であり、私はこのスネジンカの亡くなる僅か一月半前に彼女に会うことができたという忘れ難い思い出に繋がっています。このアリコルの息子がチェコ・ブルノ動物園のウムカであり、このウムカのパートナーが先日も赤ちゃんを出産したコーラということになります。

さて、このアルマトイ動物園のアリコルですが非常におもしろいニュースがカザフスタンから流れてきています。それは、このアリコルが飼育展示場で3匹の猫たちと共存して場所を共有しているという話題です。それを報じるカザフスタンのTV局のニュースを見ていただきましょう。



上のニュースでは猫たちの姿がはっきりとは見えないのですが来園者の方が撮影した別の動画で再度見ていただきましょう。



そもそもホッキョクグマは小動物などは滅多には襲わないものだということなのです。旭山動物園のイワンが飼育展示場に迷い込んできた野ウサギに襲いかかって殺してしまうというシーンを先日もご紹介していますが、この時はイワンが近くにいたピリカに自分の格好良いところを見せたくてウサギを襲ったのだろうと私は勝手に解釈しています。しかし一方でウィーンのシェーンブルン動物園でホッキョクグマがクジャクカラスに襲いかかったというケースもご紹介していますが、彼らホッキョウグマは犬や猫は基本的には獲物であるとは感じず友好的な姿勢を見せようとするのだということは何となく言えるように思います。それはホッキョクグマとハスキー犬との関係からも何となくうかがえることです。要は、ホッキョクグマが何を獲物と思うかということであり、それにはその時その時の状況も関係してくるということだろうと思います。しかし、このアルマトイ動物園でアリコルと狭い場所で共存している猫たちは本当にホッキョクグマと仲良くなりたいなどとは思っておらず、アリコルの食べ残しを狙ってここに住みついているということなのでしょう。
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アリコルと猫たち Photo(C)Svetlana Kuznetsova

さて実は私は最近少し自信が無くなってきたことがあります。それはホッキョクグマを数えるときに用いる助数詞 (Liste japanischer Zählwörter / Японские счётные суффиксы) についてです。私はホッキョクグマを「一頭」「二頭」と数えて本ブログでもそう書いているのですが、動物園にやってくる来園者の方々がホッキョクグマを実際に見て「一匹」「二匹」と数える方が10人中9人はいるということです。札幌でも大阪でもそうなのです。私は「頭」が正解だと思いますが、しかし実際にホッキョクグマを目にした来園者の圧倒的多くは「匹」で数えています。言語というのは要するに多くの人がそう表現すればそれが正しいというように変化していくわけですから、すでに現代の日本語では少なくともホッキョクグマについては「匹」が正しい言い方になっているのかもしれないと考えていました。ところが、どうもそうではないようです。時事通信社に「用事用語ブック」というものがあって、こういった場合の正しい言い方が記載されているそうです。これはマスコミの記者が記事を書いて校閲担当者がその文章を事後に厳しくチェックする場合に適用するルールにも用いられているもののようです。そこにおいて、この二つの「頭」と「匹」の使い分けについて以下のように書いてあるそうです。

動物は「匹」で数えるのを原則とする。ただし、鳥類は「羽」で数え、大型の獣類は「頭」で数えることもある。助数詞の選択に迷う場合、また種類の異なる動物を一括して数える場合には「匹」を使う。

さて、こうなると「匹」のほうが原則であってどのような場合についても正解であり、「頭」のほうが特殊な言い方であってホッキョクグマは大型動物なので「頭」でもよいのだという程度のもののようです。そして種類の異なる動物を一括して数える場合には「匹」を使うというそうですから、そうなると「アルマトイ動物園のホッキョクグマ飼育展示場では一頭のホッキョクグマと三匹の猫、つまり合計四匹の動物たちが住んでいる。」という言い方が正しいことになるわけです。そして、ホッキョクグマと猫を合わせて合計した場合は「匹」とするのが正解だということになるわけです。

(*追記 - 豚なども私の感覚では「頭」だと思うのですが、これは「匹」が一般的のようです。もっとも、「ブーフーウー、三匹の子豚」という歌があったくらいですから。)


(資料)
Казахстанский портал (Jan.5 2016 - В алматинском зоопарке медведь подружился с тремя кошками)

(過去関連投稿)
カザフスタン・アルマトイ動物園、アリコルの独居の「孤独」
カザフスタン ・ アルマトイ動物園に暮らすアリコルへの朗報 ~ 動物園大改修計画による飼育環境改善へ
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの近況 ~ 地元のファンの温かいまなざし
カザフスタン・アルマトイ動物園の「国際ホッキョクグマの日」のアリコルの姿 ~ 氷のケーキのプレゼント
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの夏の日 ~ 情報の少ない旧ソ連圏のホッキョクグマたち

(*2011年カリーニングラード動物園訪問記、及びスネジンカ関連)
カリーニングラード動物園を訪ねる ~ 老ホッキョクグマの姿を求めて
世界最高齢のホッキョクグマ、間もなく38歳になるスネジンカの姿に感激!
カリーニングラード動物園訪問2日目 ~ スネジンカさん、お元気で! 必ずまたお会いしましょう!
ロシア・カリーニングラード動物園のスネジンカ、その日常の姿(1) ~ 遠征での映像より
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by polarbearmaniac | 2016-01-09 00:30 | Polarbearology

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