街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシン(カイ)とゲルダの幼年時代の成長を映像と写真で追う

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ゲルダ (Белая медведица Герда)
(2014年9月11日撮影)
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クラーシン(カイ)(Белый медведь Кай/Красин)
(2014年9月12日撮影)

ロシア・西シベリアのノヴォシビルスク動物園で飼育されている雄のクラーシン(カイ - 2007年11月27日生まれ)と雌のゲルダ(2007年11月20日もしくは19日生まれ)といえば日本のファンにとっては昨年以来非常にお馴染みのホッキョクグマとなっています。言わずと知れた大阪・天王寺動物園のシルカの両親です。このシルカの両親の幼年時代を振り返ってみるという試みを最近ノヴォシビルスクにお住まいのシルカファンの方々が行っています。そういったロシアのファンの方々とは別に私も試みてみたいと思います。実は以前に「ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの戸外映像 ~ ゲルダとクラーシンの幼年時代」という投稿で、この二頭がノヴォシビルスク動物園に来園した経緯を述べていますので、まずそれをご参照いただきたく存じます。
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クラーシン(カイ)(Белый медведь Кай/Красин)
(2014年9月12日撮影)
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ゲルダ (Белая медведица Герда)
(2014年9月13日撮影)

このクラーシンとゲルダの二頭は誕生後7~8カ月後という幼い時期に母親から引き離されてしまったことには理由があったわけでした。映像のTVニュースとしてはクラーシンの出発を報じる映像は現時点ではもうネット上にはなく、クラーシンの双子の兄弟であるピョートルの日本行きを報じる映像だけが残っています。それをまずご覧いただきたいのですが注意して頂きたのは用いられている映像はなんと2003年の映像が転用されており、映っているのは前年2002年にウスラーダの産んだ三つ子であるセードフ司令官、ベーリング、マリーギンの映像です。これはまた別の意味で極めて貴重なものです。


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ウスラーダお母さんとクラーシン(カイ)とピョートル(ロッシー)の双子兄弟(2008年春) Photo(C)Ленинградский зоопарк

さて、2007年11月にレニングラード動物園でピョートル(静岡のロッシー)と双子の兄弟で誕生したクラーシンを早々と翌年2008年の6月にノヴォシビルスク動物園に送り込む決断を行ったモスクワ動物園ですが、それから2ヶ月ほどした8月にモスクワ動物園から雌のゲルダが来園したわけですがモスクワ動物園としてもこれは随分早い決断だったわけです。私が想像するに、モスクワ動物園はさすがにクラーシンを生後7ヶ月ほどでウスラーダから引き離してしまったことに幾ばくかの良心の呵責があったのでしょう、クラーシンに早く遊び友達を与えてやりたいということで2007年11月にモスクワ動物園で誕生したゲルダを早々とノヴォシビルスクに移動させたのではないかと思っています。ゲルダが到着するまでの二か月近くをクラーシンは一頭で飼育されていたわけですが、その時のクラーシンの貴重な写真がありますので下をご参照下さい。最初の写真には「2007年生まれのホッキョクグマの子供」という表示です。
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Photo(C)IPS, Inc./олечка
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2008年7月のクラーシン Photo(C)Настя/Кулинарный форум

さて、ゲルダが8月にモスクワ動物園から来園しましたが、その来園直後のゲルダの姿が下の写真です。
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2008年8月のゲルダ Photo(C)N.N

そしてクラーシンと初顔合わせをした時の様子は以前の投稿で述べた通りです。この時の様子を伝える写真を再び下でご覧いただくこととしましょう。実は1年半前頃までにはその時の映像がネット上のマスコミのサイトで見られたのですが今では削除されてしまっています。私はうっかりそれを保存するのを忘れてしまい非常に残念に思っています。
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2008年8月のクラーシンとゲルダ Photo(C)Вести

さて、こうして初顔合わせのあとこの二頭は同居を開始し、そしてしばらくして当時整備されたノヴォシビルスク動物園の現在の飼育展示場に移されたわけですが、この年つまり2008年の11月のクラーシン(カイ)とゲルダの姿を記録した貴重な写真がありますので下でご覧ください。彼らがちょうど一歳になったあたりの時の写真です。
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Photo(C)N.N
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2008年11月のクラーシンとゲルダ Photo(C)музыка: саунд-трек из Quake II

さて、彼らがノヴォシビルスク動物園に来園した翌年の2009年、つまり彼らの一歳の時の姿ですが、このあたりから映像がいくつか一般の映像サイトに存在しています。日本では札幌でイコロとキロルが一般公開された年であり日本ではすでに多くのホッキョクグマの映像が撮られていてネット上にアップされていたわけですがロシアでは必ずしもそうではなかったというわけです。まずこの2009年3月のクラーシン(カイ)とゲルダの姿です。
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2009年3月のクラーシンとゲルダ Photo(C)Peter Kirillov/ТТК.ru

続いてこの年2009年の映像ですが、まず4月のものです。




続いてこの年の6月のもので泳いでいるのはゲルダ、上で往復歩きをしているのがクラーシン(カイ)でしょう。



次は同じ2009年の8月の映像です。



次は同じ2009年の9月の映像です。これは、泳いでいるのがクラーシン(カイ)で歩いているのがゲルダのように思います。




さて、その翌年である2010年、つまり彼らの二歳の時の時ですか、彼らの幼年個体から若年個体への変貌を遂げつつあるこの辺あたりから写真や映像は少し数が多くなってきています。
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2010年のクラーシンとゲルダ Photo(C)3D VIDEO

私もこのブログ開設後は2010年にはクラーシン(カイ)について触れるようになっていたわけで、写真と映像についてはこの年の投稿である「ロシア・ノヴォシビルスク動物園にライブカメラが設置」、「ロッシー(日本平動物園)の双子の兄弟クラーシンの驚異的なジャンプ力!」、「ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシンのポリ容器遊び」、「ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシン(ロッシーの双子の兄弟)、順調な生育で地元の人気者に!」をご参照下さい。
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2010年11月のクラーシンとゲルダ Photo(C)Малина Финикова

レニングラード動物園でこのクラーシン(カイ)は双子の兄弟であるピョートル(ロッシー)と一緒にウスラーダお母さんと共に戸外に登場したわけですが、その時からクラーシンはピョートルを圧倒していたそうです。そしてノヴォシビルスク動物園に移動した時から現在に至るまで、やはり彼は依然としてピョートルを圧倒し続けているといってもよいだろうと思います。それは歴然とした事実です。なにしろ彼はすでに聡明である娘のシルカの父親となっているわけです。
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シルカ (Белый медвежонок Шилка)
(2014年9月11日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

クラーシン(カイ)のピョートル(ロッシー)に対する優位性はパートナーについても言えることでゲルダがヴァニラを圧倒しているということでも明らかでしょう。それはやはりゲルダとヴァニラの母親の実力の違いでしょう。ゲルダの母親は血統登録上ではシモーナ私の考えでは実際の血統上はまず間違いなくムルマでしょう。どちらであっても実力十分の母親なのです。一方でヴァニラは人工哺育もしくは強制離乳であり母親の教育というものがないという点で違いがあるわけです。ノヴォシビルスクのファンの方々がクラーシン(カイ)とゲルダのペアを誇りに思うのは当然だと思います。ウスラーダとメンシコフという世界最高の名ペア、それに続くシモーナとウランゲリのペア、それに続く可能性が大きいロシアのペアはこのクラーシン(カイ)とゲルダのペアかもしれません。ロシアのホッキョクグマの逞しさを実感させてくれるクラーシン(カイ)とゲルダの若いペアということなのです。こういう逞しさというのが日本や欧州のホッキョクグマにはないところなのです。ウスラーダマレイシュカのようなふてぶてしさというものも日本や欧州の穂ホッキョクグマにはないわけです。ホッキョクグマという同じ種なのに何故か暮らす国によって特徴が異なるようです。これは私の仮説ですが、やはり飼育さんの属する国の国民性によってホッキョクグマに対する態度が異なり、その影響をホッキョクグマたちが受けているのではないかということです。ともかくこのクラーシン(カイ)とゲルダの若いペアには目が離せなくなりました。
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ノヴォシビルスク動物園案内板(2014年9月11日 同園内で撮影)

ゴーゴやシルカのファンの方々はペルミやノヴォシビルスクでアンデルマ、クラーシン(カイ)、ゲルダの三頭には実際に会っていただきたいものです。ゴーゴやシルカの両親、特に母親に会ってみると、今までとは違った別の親しみをゴーゴやシルカに持つことになるでしょう。それは日本におけるララファミリーの固い絆とはまた違った別の意味での、ロシアと日本という遠く離れた場所を一気に縮める不思議な血の絆というものを実感する瞬間なのです。それは実に貴重な体験となるでしょう。

(資料)
кошка, которая гуляет сама по себе (приглашаю на экскурсию...)
ТТК.ru (Зоопарк, камера 3 — Белые медведи)
morisrsnake.diary.ru (Ржавое золото / Nov.13 2008)
Кулинарный форум (Новосибирский зоопарк/Jul,22 2008)
Телекомпания НТВ (Jul.7 2008 - Белый медведь по обмену)
3D VIDEO (Dec.30 2010 - Скачать Новосибирский зоопарк стереовидео 3D/ Novosibirsk Zoo 3D (2010) бесплатно)
MR7.ru (Apr.27 2008 - Медвежат назвали Петром и Красиным)
Gazeta.SPb (Apr.19 2008 - Медвежат из зоопарка завтра покажут посетителям. Имена им уже выбрали)
Вечерний Петербург (Jun.9 2008 - Петр и Красин прощаются с Петербургом)
Фонтанка (Jun.23 2008 - Медвежонок Красин улетел в Новосибирск)
Вечерний Новосибирск (Jul.5 2008 - Пока зовите меня просто «медвежонок»)

(過去関連投稿)
ロシア、ノヴォシビルスク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ ロッシーの双子兄弟が父親となる
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で誕生の赤ちゃん、ゲルダお母さんと共に初めて戸外へ!
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で戸外に登場したゲルダお母さんと赤ちゃんの追加画像
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの戸外映像 ~ ゲルダとクラーシンの幼年時代
ロシア・ノヴォシビルスク動物園にライブカメラが設置
ロッシー(日本平動物園)の双子の兄弟クラーシンの驚異的なジャンプ力!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシンのポリ容器遊び
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシン(ロッシーの双子の兄弟)、順調な生育で地元の人気者に!
「ロシア血統の謎」に迫る(1) ~ ラスプーチン、ゲルダ、血統番号2893個体の三頭の謎を追う
シルカ(Шилка)、その成長の軌跡 ~ 来園者の心の中に「物語」を作り出す稀有のホッキョクグマ
"Polar Bear of the Year (2015)" in Japan
by polarbearmaniac | 2016-01-11 07:00 | Polarbearology

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