街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ウドムルト共和国イジェフスク動物園のザバーヴァとバルーのペアへの期待 ~ 新しい繁殖基地へ

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バルーとザバーヴァ Photo(C)Зоопарк Удмуртии

実は今日は非常に興味深いロシアの過去におけるホッキョクグマの話しについて投稿しようと思い、いろいろな映像を時間をかけて見ていたのですが、もう少しデータが必要ですので今回は別の投稿をすることにします。

ロシア連邦ウドムルト共和国のイジェフスク動物園(正式にはウドムルト動物園 - Зоопарк Удмуртии)といえば昨年の11月にホッキョクグマの双子の赤ちゃんがドゥムカお母さんから誕生したわけですが、その後の状況については続報がないものの多分元気に3月上旬頃に戸外に初登場すると思われますので、その様子は追ってご紹介してみたいと思っています。今回はやはりこの動物園に暮らす野生孤児の雄のバルー(Балу)と雌のザバーヴァ(Забава)についてです。二頭共に2歳になったばかりですが、非常に将来が期待されているペアです。ザバーヴァはレニングラード動物園のウスラーダの16番目の子供であり要するに「アンデルマ/ウスラーダ系」という血統グループに属しているわけですが、この血統の個体はロシア国内では野生出身の個体とペアを組むことが望ましいと考えられているようで、ザバーヴァの二歳年上の兄である4歳の雄のロモノーソフはヤクーツク動物園で同年齢の野生孤児の雌のコルィマーナとペアを組んでいます。ここで昨年、まだ雪の降る前のザバーヴァとバルーの様子を映像で見てみましょう。



このイジェフスク動物園には現在11歳の雌のドゥムカと10歳の雄のノルドというペアが存在していて、見事に繁殖の成果を上げているわけですが、その次の世代としてザバーヴァとバルーというペアも飼育されているわけですから二つのホッキョクグマのペアのラインが存在していることになります。ロシアでは最高と言われるほどの広い飼育展示場を有していますし、区画も二つありますのでスペース的には全く問題は無いわけです。しかし同園では現在ブラジルのサンパウロ水族館に預けているオーロラとピリグリムというペアも存在しているわけですが、実はこれはカザン市動物園からの委託を受けてイジェフスク動物園で飼育していたものの、非常に明朗とは言えない理由によってブラジルに移動させてしまったものの、結局はロシアに戻さざるを得なくなってしまい、果たしてこのオーロラとピリグリムのペアがロシア帰還後にどこの動物園に再び預けられるかに注目したいところです。 ブラジルのサンパウロ水族館は当初はノヴォシビルスク動物園のシルカの入手を狙っていたわけですが繁殖計画(つまりシルカのパートナーが具体的にどの個体になるか)を提示することができずに「シルカ争奪戦」から脱落したという状況に間違いはないでしょう。このピリグリムとオーロラの問題は超マニア向けの話しであり非常に難解な背景を持っていますので御興味のある方は過去関連投稿をご参照下さい。カザン市動物園、イジェフスク動物園、そしてサンパウロ水族館という三者の間に存在した闇の世界の話です。

さて、ザバーヴァとバルーの非常に若いペアに話を戻しますが、あと数年して繁殖可能な年齢になればイジェフスク動物園ではドゥムカとノルドの壮年ペアと併行して二つのラインでホッキョクグマの繁殖を行うこととなるわけですが、おそらくロシアにおける新しいホッキョクグマの繁殖基地としてクローズアップされてくることは間違いないと思います。

(過去関連投稿)
(*ザバーヴァ関連)
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(*バルー関連)
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ロシア連邦・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園で野生孤児バルーの一般への公開が行われる

(*ザバーヴァとバルーの同居関連)
ロシア・イジェフスク動物園に移動したウスラーダの16頭目の子供のザバーヴァの近況 ~ バルーとの同居
ロシア連邦ウドムルト共和国イジェフスク動物園の開園7周年が祝われる ~ ザバーヴァとバルーの近況

(*ピリグリムとオーロラ関連)
ロシア・ウドムルト共和国イジェフスク動物園でピリグリムとオーロラが「結婚式」 ~ 新しい繁殖基地へ
ロシア・イジェフスク動物園のピリグリムとオーロラ、同園から忽然と姿を消す ~ ブラジル行きの真相と深層
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ロシア・カザン市動物園がブラジル・サンパウロ水族館のピリグリムとオーロラの売却否定に追い込まれる

(2014年9月イジェフスク動物園訪問記)
イジェフスク動物園へ ~ ドゥムカ親子と野生孤児バルーとの対面
野生孤児バルーの素顔 ~ 野生個体の不幸の上に成り立つ動物園という悲しき真実
イジェフスク動物園二日目 ~ ドゥムカお母さん、ニッサン君、バルー君、お元気で! (投稿準備中)
by polarbearmaniac | 2016-01-19 23:55 | Polarbearology

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