街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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野生の親子には見られても飼育下の親子には稀であるシーン ~ 母親の背中に乗ろうとする赤ちゃん

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モスクワ動物園のシモーナお母さんと赤ちゃん
(2012年3月30日撮影 於 モスクワ動物園)

野生のホッキョクグマを撮影した写真などでは時々目にするものの飼育下のホッキョクグマではほとんど見かけないシーンといったものがあります。それはホッキョクグマの赤ちゃんが歩いている母親の背中にぶら下がっているいうシーンです。札幌のララと赤ちゃんのこういったシーンを少なくとも私は見た記憶がありません。やった可能性はあるかもしれませんが、そういった場面が写真になっているのを見た記憶がありません。欧米やロシアの動物園でのシーンもほとんど見たことがありません。
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Photo(C)daisygilardini.com

カナダの写真家であるデイジー・ジラディーニさんはホッキョクグマの親子が巣穴から地上に登場するシーンなどを求めてカナダ・マニトバ州のワパスク国立公園(Wapusk National Park)で昨年の2月に合計117時間も費やしたそうですが、さすがにそれだけ時間をかけただけあって親子が地上に登場した後の様子を生々しくカメラに収めることに成功しました。そういった写真の中にこうやって赤ちゃんがお母さんの体にぶら下がっている写真が含まれいます。そういった写真を下のカナダ放送協会(CBC)の映像でご覧下さい。(2回クリックしていただかないと開始しないようです。)



このように母親にぶら下がりたいという気持ちは野生では母親が場所を移動しようとして動き出した時に、なんとかそれについていきたいと思う赤ちゃんの気持ちから生じているようにも思いますが、それほど深い意味があるとも思えません。しかし野生の母親は赤ちゃんのこういった行為を容認するようです。さて、では次に飼育下です。私が今まで唯一飼育下で似たシーンを見たのが2012年3月のモスクワ動物園で、この時はシモーナが三つ子を産んで戸外に登場してからさほどの日数が経っていない時期でした。そこで見たのが冒頭の写真のシーンです。さて、しかしシモーナは自分の子供がこうやってぶら下がってくるのはあまり好きではなかったようです。この時期に私が撮影した以下の二つの映像をご覧いただきたく思います。

まず最初の映像の開始後3分過ぎからですが赤ちゃんがなんとか母親にぶら下がりたく懸命なのですがシモーナお母さんはそれを嫌がっています。シモーナのこういったシーンは非常に珍しいと思います。滅多なことで気分を害することのない母親だからです。

シモーナお母さんと三つ子の赤ちゃん (2012年3月29日)

次の映像の開始後1分40秒あたりのシーンですが、シモーナはやはり非常に嫌がっています。

シモーナお母さんと三つ子の赤ちゃん (2012年3月31日)

野生の母親ですと自然条件の厳しい場所を歩いて移動するわけで、そうした場合に赤ちゃんがぶら下がってくることについては、赤ちゃんと一緒に移動できるために理解があるのだという考え方はあり得ます。ところが飼育下の母親では赤ちゃんがしつこくまとわりついてくるという感じ方をするのかもしれません。ともかく、赤ちゃんをこうやって「運んでいく」姿は野生の母親にはあっても飼育下の母親ではそういった発想は稀であると言って大きな間違いではないでしょう。

(資料)
CBC News (Jan.26 2016 - Polar bear cub hangs on for ride near Churchill, Man.)
by polarbearmaniac | 2016-02-01 01:00 | Polarbearology

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