街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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釧路市動物園のツヨシ、新千歳、羽田経由で横浜へ

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ツヨシ (Белая медведица Цуёши)
(2012年2月26日撮影 於 釧路市動物園)





釧路市動物園で飼育されていた12歳の雌のホッキョクグマであるツヨシ(Белая медведица Цуёши/Tsuyoshi the polar bear) が本日未明、釧路市動物園を出発し新千歳空港経由で羽田に空輸されました。上の映像は本日未明のツヨシの出発直前の様子を報じる地元TVのニュース映像です。
新千歳空港では降雪による空の便の遅れで数時間の待機を余儀なくされたそうですが、夕刻に羽田に無事到着した模様です(*追記 - その後無事にズーラシアに到着したとのことです)
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想い出すのは、あのノヴォシビルスク動物園で生まれたシルカの昨年今頃の日本への移動です。 地元のファンの方々は何日にシルカがノヴォシビルスク動物園から出発し、そしてどの国のどの都市の動物園に行くことになるのかを同園から全く知らされないままだったわけです。何故なら、同園はそういった告知など全く行わなかったからです。当然、お別れ会などは開催されるはずもありません。シルカの出発日と行先をようやくファンの方々が知ったのは出発前日の夜遅くだったのです。翌日に仕事を休んでようやく動物園に駆け付けてシルカの出発の見送りができたのはごく数人のファンの方々だけだったのです。ロシアという国が過去から背負ってきた歴史の過酷さが象徴されているような出来事でした。さらにシルカはノヴォシビルスクからは日本と反対方向のモスクワに4時間以上かけて空輸され、そして空港内で一夜を明かした後に再びモスクワから成田に9時間もかけて空輸され、さらにそこから大阪まで数時間かけて輸送されました。ノヴォシビルスクからは日本は非常に遠い国です。その距離はもちろんのこと、言語も文化も習慣も全く異なる国なのです。シルカを見送った僅かな人数のファンの方々にとっては、まさに事実上これが自分たちが心から愛したシルカとの生涯の別れだと感じ、もう二度と会うことができないであろうシルカの最後の姿を目の底深くに焼き付けたのです。「"Прощай, Шилка!" (さようならシルカ!)」と心の中でシルカに別れを告げたロシアのシルカファンの方々の気持ちを想像してみて下さい。

これと今回のツヨシの移動を比較してみて下さい。シルカ自身にとってもシルカファンにとっても非常に過酷だった彼女の日本への移動に比べれば、ツヨシの移動など移動のうちには入らないということなのです。
by polarbearmaniac | 2016-03-01 19:00 | Polarbearology

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