街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ウクライナ・ムィコラーイウ動物園、ナヌクとジフィルカの「国際ホッキョクグマの日」

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Photo(C)Николаевский Зоопарк

2012年11月にチェコのブルノ動物園でコーラから誕生した双子の一頭である雄のナヌクと2011年11月にモスクワ動物園でシモーナの産んだ三つ子の一頭である雌のジフィルカを飼育してるのがウクライナのムィコラーイウ動物園です。この動物園でも「国際ホッキョクグマ」である2月27日の土曜日に特別給餌のイベントが開催されました。その様子を同園が公式映像として公開していますので見てみることにしましょう。



この「国際ホッキョクグマの日(International Polar Bear Day)」というのはもともとアメリカの Polar Bears International が提唱して世界でホッキョクグマを飼育している動物園がこの日にイベントを行ったりレクチャーを行ったりといった形で広まりつつあるわけです。しかしアメリカの動物園とそれ以外の国の動物園とではこの日が提唱された目的の理解に幾分違いがあるように見えます。
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ナヌク Photo(C)Николаевский Зоопарк

欧州やロシアの動物園(そして最近ではごく少数の日本の動物園)では、この日に来園者に対して「自然下でホッキョクグマの置かれた環境の変化から生じつつある厳しい状況への理解を深めてもらう」という点に非常に重点が置かれるのですが、アメリカの動物園では「ホッキョクグマを守るために我々は具体的に何をすべきか?」といった点に大きな力点が置かれています。つまり、来園者が毎日の生活でどうすればホッキョクグマを守ることにつながるかに大きな力点があるわけです。そしてそうするためのエネルギーの節約への行動を「冬には温度設定を今までより2℃下げ、夏には今までより2℃上げる」ということの実践を呼びかけるわけです。日々具体的に何をすべきかを明確にスローガンとして提示する点でやはりこれは実用的、実践的発想を行うアメリカの文化を一つの形で象徴しているということになるでしょう。「頭や心に留まるのではなく実践的な行動である」ということです。
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要するに「国際ホッキョクグマの日」というのは「サーモスタット調整の啓蒙の日」というのが本来の姿であるというわけです。ですから「国際ホッキョクグマの日」というのは2月27日ではなく、1年365日が全てこの日であるということです。

(資料)
Николаевский Зоопарк (Feb.27 2016 - Международный день белого медведя)
Inshe.tv (Feb.27 2016 - В Международный день белого медведя Зефирка и Нанук в Николаевском зоопарке получили вкусные подарки)
Мой Город (пресс-релиз) (Mar.1 2016 - В Николаевском зоопарке Нанук и Зефирка получили подарки в честь Дня белого медведя)

(過去関連投稿)
(*以下、ナヌク関係)
ロシア南部・ロストフ動物園とウクライナ・キエフ動物園との間の紛争 ~ 「ホッキョクグマ詐欺」事件の概要
チェコ・ブルノ動物園のコメタがロシア・ロストフ動物園へ ~ ブルノ、モスクワ、ロストフの巧妙な三角関係
チェコ・ブルノ動物園のコメタのロシア・ロストフ動物園への移動が大幅に延期 ~ 複雑な背景を読み解く
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの将来への不安 ~ 忍び寄るロシアとウクライナの紛争の暗い影
チェコ・ブルノ動物園のコメタが4月にロシア・ロストフ動物園へ ~ 表向きのニュースの裏側を探る
チェコ・ブルノ動物園のコメタがロシア・ロストフ動物園に向けて出発 ~ 双子に遂に別れの日来る
チェコ・ブルノ動物園の双子の雄のナヌクがウクライナ・ムィコラーイウ動物園へ移動か?
チェコ・ブルノ動物園の2歳になったばかりのナヌクが年内にウクライナのムィコラーイウ動物園ヘ
チェコ・ブルノ動物園のナヌクがウクライナのムィコラーイウ動物園に来週出発
チェコ・ブルノ動物園のナヌクが同園を出発、ウクライナのムィコラーイウ動物園に向かう ~ 物語の終幕
チェコ・ブルノ動物園のナヌクが無事にウクライナのムィコラーイウ動物園に到着
ホッキョクグマ・アイカ と レディン一家の物語 ~ 愛情の日々、そして悲劇的な終末へ
ウクライナのムィコラーイウ動物園に移動したナヌクのその後 ~ 複雑なスラヴ圏のホッキョクグマ事情
(*以下、ジフィルカ関係)
モスクワ動物園のシモーナお母さんの三つ子の一頭の雌がウクライナ・ムィコラーイウ動物園に移動へ
ウクライナ、ムィコラーイウ動物園がホッキョクグマの輸入許可を取得するものの立ちはだかった難題
ウクライナのムィコラーイウ動物園にモスクワ動物園のシモーナの三つ子の一頭の雌のジフィルカが到着
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園にモスクワ動物園から到着したジフィルカを伝えるニュース映像が公開
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園にモスクワ動物園から到着したジフィルカが元気に展示場に登場
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園に来園したジフィルカの近況 ~ 場当たり的なEARAZAの繁殖計画か?
ウクライナ南部・ムィコラーイウ動物園に来園したモスクワ動物園生まれの雌のジフィルカの人気高まる
ウクライナ南部・ムィコラーイウ動物園のジフィルカの近況 ~ ロシアの狙う自国内、旧ソ連圏内の展示充実
ウクライナ、チェコ、ポーランド、スロヴァキアの四か国の動物園が「欧州スラヴ圏動物園共同体」を形成か?
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園の「国際ホッキョクグマの日」のジフィルカの姿 ~ 与えられた赤いボール
(*以下、ナヌクとジフィルカ関係)
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカとナヌクの初顔合わせは、やや不調に終わる
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカとナヌクとの近況 ~ 旧ソ連地域のホッキョクグマ界
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のナヌクとジフィルカに誕生日とクリスマスのお祝いが行われる
by polarbearmaniac | 2016-03-02 17:30 | Polarbearology

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