街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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中国・黒龍江省、哈爾濱 (ハルビン) 市、哈爾濱極地館のベーリングとマリーギンの春節に雪のプレゼント

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ベーリングとマリーギン Photo(C)搜狐

中国・東北部の旧満州、黒龍江省の哈爾濱 (ハルビン) 市の哈爾濱極地館にはロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園でウスラーダから2002年11月に三つ子として誕生した雄のベーリングとマリーギンでの二頭です。この二頭はもう13歳になっているのですがパートナーはいないままです。さて、この哈爾濱極地館ではホッキョクグマが冬に過ごすための新しい展示場を開設し、2月上旬の中国の旧正月(春節)の休日期間に合わせてオープンし、そしてこのベーリングとマリーギンの二頭に雪のプレゼントがありました。それを報じる報道映像をご紹介しておきます。





実はこのベーリングとマリーギンは中国の大連にそれぞれ別個に輸送されたあと、いったいどこに行ったのかが長らく不明の状態が続いていたわけですが(「ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の10歳のお誕生会 ~ 行方不明の兄弟たち」という投稿をご参照下さい)、中国の報道情報その他を粘り強く追いかけた結果、彼らはそろって哈爾濱極地館で飼育されていることを突き止めたときには私自身かなりの満足感がありました(「中国・黒龍江省、哈爾濱 (ハルビン) 極地館で暮らすベーリングとマリーギン ~ ついに所在が判明する」という投稿をご参照下さい)。あの偉大なるウスラーダから誕生した三つ子であるものの所在がわからないといった極めて不可解な状態が生じたものも中国という国ならではのことです。中国にはまだ何頭も所在のわからないロシア出身のホッキョクグマたちが存在しており、そういったものを突き止めていきたいと思っているのですがなかなか容易ではありません。現地の担当者が情報を開示してくれるかと言えば、そういったことは全く期待できないわけです。彼らの行方は血統登録情報にも反映されることもほとんどないわけで、よほど運の良いケースでもなければその後のその行方を知ることは不可能です。 
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ベーリングとマリーギン Photo(C)搜狐

仮に静岡の日本平動物園で今後ピョートル(ロッシー)とヴァニラとの間で繁殖に成功しても権利の半分を握っているレニングラード動物園がその幼年個体を中国に売却しようとすることは十分に考えられることなのです。レニングラード動物園の財政はそれほど厳しい状態だからです。ピョートル(ロッシー)が少なくともロシア国内で飼育されているのならば彼が繁殖に成功した場合の個体は旧ソ連圏の繁殖計画の中に組み入れられるために誕生個体の所在は突き止められますが彼は現在日本で飼育されているためにそういった誕生個体(の半分)はレニングラード動物園がほぼ全面的に権利を行使して中国に売却することが可能となります。そういった場合その誕生個体は中国の大連か広州などに送られて展示されない状態のままで一定期間プールされた後に中国国内の動物園や商業施設に転売されることになるわけですが、中国の関係者はいつどこにどの個体が移動したかについては絶対に口を割らないわけです。まさに「暗黒の闇」の世界に消えてしまうというわけなのです。日本平動物園での「お別れ会」は我々にとっては本当の意味で「生涯のお別れ会」となるでしょう。その心構えは今からしておくほうがよいでしょう。静岡のピョートル(ロッシー)というのは全面的に外国の動物園(つまりレニングラード動物園)が権利を持っているという他の日本国内の個体とは全く条件の異なる特異な個体なのです(男鹿水族館の豪太もそうなのですが、彼の場合はオーストラリアのシーワールドと秋田県との契約形態がピョートルの場合とは全く異なります)。
(*追記)実際に本当に中国に売却するかどうかはわかりません。日本の動物園に売却する可能性だってあるでしょう。第一子ならば、あるいは寄贈も十分に考えられるかもしれません。要は全てがレニングラード動物園の意思次第だということです。日本側としてはそれに全く関与できないということです。)

(資料)
搜狐旅游 (Feb.7 2016 - 哈尔滨极地馆新建北极熊馆下起雪,北极熊立春搬进新家!)
中国网 (Feb. 7 2016 - 哈尔滨极地馆北极熊搬新家
CCTV (Feb. 4 2016 - China-Polar Bear/Winter Home)

(過去関連投稿)
中国・黒龍江省、哈爾濱極地館のホッキョクグマたち ~ ブラックホールの内側の謎
中国・黒龍江省、哈爾濱極地館のホッキョクグマ、河徳の眼科治療
ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の10歳のお誕生会 ~ 行方不明の兄弟たち
中国・黒龍江省、哈爾濱 (ハルビン) 極地館で暮らすベーリングとマリーギン ~ ついに所在が判明する
中国・黒龍江省の哈爾濱 (ハルビン) 極地館、雄の飼育個体の血統を偽ってまで行うパートナーの雌探し
ロシア・黒海沿岸、ゲレンジークのサファリパークで暮らすセードフ司令官とサーカス出身のラパの近況
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の女帝ウスラーダの15頭の子供たちの姿
最近のロシアとオランダでの三つ子の出産例 ~ ウスラーダとフギースの健闘
21世紀に入って飼育下で誕生した三つ子の赤ちゃんを映像で振り返る ~ 三つ子誕生・成育の確率は約4%
中国の哈爾濱(ハルビン)極地館で暮らすベーリングとマリーギンの近況 ~ 「偉大なる母」の悲しき息子たち
中国・黒龍江省、哈爾濱 (ハルビン) 市の哈爾濱極地館のベーリングとマリーギンの健康チェック
by polarbearmaniac | 2016-03-07 22:00 | Polarbearology

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