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ロシア・イジェフスク動物園の双子の雄の赤ちゃん、広いメインの展示場へ ~ 来日の可能性は?

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Photo(C)ИА «УДМУРТИЯ»/Григорий Фомин

昨年11月下旬にロシア連邦ウドムルト共和国のイジェフスク動物園(現在では公式にはウドムルト動物園 - Зоопарк Удмуртии)でドゥムカお母さんから誕生し人工哺育されている双子の雄の赤ちゃんですが、2月24日に初めて戸外に登場して飼育員さんと一緒に園内の敷地で一般に公開されたものの、その後は日本のTV東京の番組収録のために登場した以外は一般来園者は赤ちゃんたちの姿を見るチャンスがなかったようです。しかし3月19日に同園の大きな飼育展示場に2時間登場したそうです。その様子を地元のマスコミが映像にしていますので見てみることにしましょう。



翌日の20日の日曜日にも飼育員さんと共に大きな展示場に登場し、それ以降は定期的に限定された時間(14時~15時のようです)ではあるものの毎日この展示場で赤ちゃんたちが展示されるとのことです。20日の映像を見てみましょう。



同園ではこの赤ちゃんたちの名前を一般公募するとのことです。

さて、この赤ちゃんたちの権利はモスクワ動物園にあるわけですが、おそらく年内はこのイジェフスク動物園で飼育され、その後は他の動物園に移ることとなるわけです。イジェフスク動物園もすでにそのことは一般に公式の形で明らかにしています。それまでこのイジェフスク動物園でこの赤ちゃんたちがどう成長していくかの姿を追い続けていきたいと思います。これは根拠のない単なる私の予感ですが、この双子の赤ちゃんたちの一頭は日本に来るような気がします。えっ? 何ですって? 大都市である名古屋か横浜か神戸の動物園だろうですって? 無理ですね。 名古屋や横浜や神戸には、この赤ちゃんたちのパートナーに成り得る個体を用意できませんから、どんなに高額な購入金額を提示しても原則的にモスクワ動物園はそういった動物園には売却しないでしょう。モスクワ動物園は譲渡先における「ホッキョクグマの繁殖プログラム」というものの存在の有無を売却可否の条件にしているからです。端的に言えば、「パートナーがいるのかどうか」ということです。飼育展示場の状態も条件になってきます。EARAZAの盟主であるモスクワ動物園はそういう方向にすでに舵を切ってしまっているのです。
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釧路や浜松が手を挙げればモスクワ動物園は売ってくれるとは思いますが、しかしいかんせん釧路や浜松には資金負担の能力があるようには見えません。男鹿水族館のクルミが今年の年末に雌(メス)を出産すれば血統面から言っても資金負担能力から言っても秋田県は有力な候補には成り得ますが、しかしその赤ちゃんの性別が判明するには来年の3月頃になりますので、もう遅すぎるわけです。札幌は資金負担能力もあり、そしてこのイジェフスク動物園の双子の赤ちゃん(オス)のパートナーの成り得る雌の個体を何頭も保持しています。ですからこの赤ちゃんたちの一頭を入手しようとすれば99.9%可能でしょう。ただし札幌はその気は全くないでしょう。私も札幌にはもっと入手のハードルの高い個体(つまりクラスノヤルスク動物園の野生出身ペアの間に誕生する個体などの新血統)を狙ってほしいと思います。 現時点に関する限りロシアから雄(オス)の幼年・若年個体を購入しようという意図が仮にあるとすれば札幌が世界の動物園の中で最も有利な地位にいると言えるでしょう。なにしろ雌(メス)の幼年・若年個体を余っているほど所有しているのは札幌だけだからです。ただし「ロシア血統」は注意が必要であることは言うまでもありません。ロシアから雌(メス)の幼年・若年個体を導入しようとする場合には札幌はそれほど有利な立場にいるとは思えません。なにしろ自園のデナリと上野のイコロを除けばキロル一頭しか雄は所有していないからです。しかしいずれにせよ、札幌がロシアからのホッキョクグマの導入を意図しているようには到底思えません。

理詰めで考えればこのイジェフスク動物園の双子の赤ちゃんが日本に来る可能性はないわけですが、しかし私には何かこの赤ちゃんたちの一頭が日本に来る気がしてなりません。しかし一般的に言えば、やはり旧ソ連圏の動物園が最有力候補でしょうか。この場合、仮にパートナーが現時点ではいなくても旧ソ連圏での「ホッキョクグマ展示の充実」という名目で譲渡が可能でしょう。パートナーがあとからモスクワ動物園が手配するということになるでしょう。

(*後記)これは私の頭の中だけで考えていることですが、そもそも北海道には雄はデナリとイワンの二頭しかいないということがおかしいわけです。ですからここ(つまり、札幌+旭川+帯広)にロシアの「新血統」の雄を一頭、欧州のロストック系の雄を一頭、合計二頭導入するのが理想的なのです。繁殖に関して strategic な思考をすると、そういうことになるわけです。

(資料)
ИА «УДМУРТИЯ» (Mar.19 2016 - Белые медвежата в Ижевском зоопарке впервые вышли на прогулку в вольер)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2016-03-21 20:30 | Polarbearology

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