街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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日本のホッキョクグマ界、しばし波風の立たぬ安定の「無風状態」へ ~ "Dona nobis pacem."

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ララとリラ(2015年10月25日撮影 於 札幌・円山動物園)

最近の動物園から発信されている情報のうちホッキョクグマに関して若干の印象を述べておきます。まず札幌・円山動物園なのですが最近は私もHPなど見なくなっていたわけですが先日の20日に「ホッキョクグマ・アザラシ館の工事がスタートしています」というニュースが掲載されているのに気が付きました。内容はホッキョクグマ・アザラシ館の工事が平成29年中に行われるためにホッキョクグマのペアリングは行わないためにララとリラの同居が継続されるという点です。これはまあ聞いていた話ですから何の驚きもありません。ララの育児2年目というのは初めてのことだと思いますが、しかし最初の年と異なる場所に入れられているなど環境が大きく異なるために一年目の延長としての二年目については継続的な観察の対象にはなりにくいでしょう。生活空間などの条件があまりに違うからです。それから、「次年以降の繁殖については未定です。」と述べられているのは円山動物園全体としてのホッキョクグマの繁殖スケジュールを現時点で述べるのは時期尚早であるという意味だと思われます。ララについては引き続いて来年以降の繁殖への挑戦はあるでしょうがララ以外の個体についての繁殖への取り組みについては未定であるという意味だろうと思います。

旭川のイワンとピリカの同居も多分3月一杯で終わるだろうと予想します。そうしませんとイワンとサツキ、ルルとの間のペアリングに時間的な十分な余裕を持てなくなるからです。
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ジャンブイ(2014年8月24日撮影 於 ズーラシア)

横浜のズーラシアですが3月18日付けでHPで「3月20日(日)以降、ホッキョクグマの展示個体は不定期となります。ご了承ください。」と述べられています。これはツヨシを飼育展示場に慣らして状態を観察したいので、何曜日にどの個体を飼育展示場に出すかについてはフリーハンドの状態を保ちたいという意図でしょう。まあこれは当然でしょうね。何曜日にどの個体を飼育展示場に出すかなどを現時点で決めてしまえば手足を縛られてしまうという判断でしょう。TVK(テレビ神奈川)は3月19日のツヨシ一般公開開始のニュース映像の中で「ツヨシの繁殖は早くても来年以降となる予定です」と述べています。記者が繁殖について勝手に作文できるとは思えませんのでこれはズーラシアからこの日に得た情報をそのまま語っているのでしょう。ですからツヨシの繁殖への挑戦は今年はないということです。ということは今年はツヨシとジャンブイとの同居は、仮にあったとしても11~12月以降だろうと思います。もともと2月中旬の東京新聞の報道でも同じ内容でしたから、ズーラシアの繁殖スケジュールについての姿勢は一貫しているということです。振り返ってみれば、ズーラシアは今年に入ってからはホッキョクグマに関しては全てそういうスケジュールで物事を運んできたわけです。仮にズーラシアがそれとは異なる見解(つまり「今年からの繁殖も視野に入れている」云々)を示したとしても、それはあくまでその場での表向きの話としてだろうと思います。

旭川も男鹿も仙台も静岡も白浜も姫路も(八景島、そしてひょっとしておそらく上野も)、繁殖成功に向けて物事がそれぞれがいつものスケジュールで進行し、そして11~12月の「審判の季節」を迎えることになるでしょう。

大阪のバフィンも状態が好転してきているようで本当によかったと思います。ということで、日本のホッキョクグマ界は今年の年末の出産シーズンまで波風の立たない安定の「無風状態」がしばらく続きそうです。欧米とロシアのホッキョクグマ界に眼を向け、そして実際に出かけていくにはよい年なのかもしれません。

(資料)
札幌市・円山動物園(Mar.20 2016 - ホッキョクグマ・アザラシ館の工事がスタートしています
よこはま動物園ズーラシア(Mar.18 2016 - ホッキョクグマの展示について
tvk(テレビ神奈川) News (Mar.19 2016 - ホッキョクグマ「ツヨシ」一般公開始まる
by polarbearmaniac | 2016-03-25 00:15 | Polarbearology

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