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チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さんの育児スタイルに変化 ~ 経験よりも頭数が重要な要素か?

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Photo(C)Zoo Brno

昨年11月24日にチェコ・ブルノ動物園で誕生した赤ちゃんとコーラお母さんの姿は同園が配信しているライブ映像をモニターカメラで見ることができることはご紹介していますが、私も最近はこの親子の姿を観察するようにしています。気が付いたことなのですが、このコーラお母さんは以前と比較してやや育児スタイルに変化が生じているような気がしているわけで、それをうまく掴み取ろうと努めているわけですが、なかなかうまく表現できずに苦労しています。

このコーラお母さんの最初の育児は2007年11月に産んだトムとビルの雄の双子、二度目は2012年11月に産んだコメタとナヌクの雌と雄の双子だったわけで、今回は三回目の育児となるわけです。前回のコメタとナヌクの双子についてはやはりモニターカメラでのライブ映像が配信されていたわけですが、その時に見たコーラお母さんの子供たちへの接し方と今回はやや違いがあるように見えます。通常ホッキョクグマの母親の最初の育児は一頭である場合が圧倒的に多いわけで、そういった場合に大多数の母親は子供に対して相対的に「関与的」なスタイルをとり(クルミは全くの例外でしたが)、二回目以降の育児で双子に接するときは幾分「非関与的」なスタイルへと軸足を移動させる場合が多いわけです。ただし育児経験の豊かな母親の場合は一頭でも「非関与的」な要素の強いスタイルを見せることがあるわけで(たとえばウスラーダ)、このあたりは微妙なところです。



このコーラお母さんというのは今まで双子の育児しか経験がないわけで、一頭の赤ちゃんに対する接し方というものがどういったものになるかの予想が難しかかったわけですが、前回のコメタとナヌクの双子に対する接し方よりも今回の赤ちゃんに対する接し方のほうが「関与性」が幾分強く出てきているというのが非常に興味深く感じられるわけです。つまりホッキョクグマの母親は育児経験の回数よりも育児対象である子供の頭数によって関与性が定まってくるという理解のほうが正しいだろうと思い始めています。ただしこれは現時点ではまだ仮説の段階で、一つの説として提示できるほどまで私自身が自信を持っているとは言えない状態です。今回のコーラお母さんの育児は観察の価値が前回よりも高いということだけは間違いなく言えそうです。

私にとってホッキョクグマの母親の育児スタイルの研究はライフワークのようなものになっていますので、これは時間をかけて取り組んでいこうと思っています。

コーラ親子の一般公開開始から現時点までの間に撮影された映像をいくつかご紹介しておきます。これらの映像の内容ではコーラお母さんの育児スタイルの変化といったものは読み取るには不十分に感じます。やはりモニターカメラのライブ映像を根気強く見ていくしかないように思っています。







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by polarbearmaniac | 2016-03-26 07:00 | Polarbearology

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