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ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの命名への同園の迷い ~ シルカ同様の過熱を恐れる同園

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Photo(C)Денис Шумаков

昨年12月7日にロシアのノヴォシビルスク動物園でゲルダお母さんから誕生した雌(メス)の赤ちゃんですが、まだ名前が付いていません。報道によりますとノヴォシビルスク動物園の広報担当の責任者はこの赤ちゃんの名前を早く決めたいとは思っているものの、前回のシルカの時のように果たして公募で赤ちゃんの名前を決めるべきかについて迷いを感じているそうです。実は前回のシルカの名前の公募は市民の間で非常に盛り上がったわけで、今回も前回のシルカの時同様に名前を公募すると、それが非常に過熱してしまい、そして前回の時のようにまたこの赤ちゃんがノヴォシビルスク動物園を離れる際に強い反発を招くようなことが再燃することを恐れているようです。
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Photo(C)Денис Шумаков

ノヴォシビルスクの地元ではSNSサイトですでにこの赤ちゃんの名前の候補の試案がいつくか出ています。"Эльза"(エリザ)"Льдинка"(リディンカ)"Снежинка"(スネジンカ)、などという案が出ているのですが、もう一つこれはこの赤ちゃんの両親であるゲルダ(Герда)とカイ(Кай - クラーシン)との名前の両方を部分的にとって "Герка"(ゲルカ)という案も出ています。実はこの両親の名前の一部をとってくっつけて赤ちゃんの名前にするというのはロシアの動物園ではよく行われており、そういった意味では "Герка"(ゲルカ)という名前の試案は一理あるかもしれません。あのカザン市動物園で2012年に誕生した個体で、母親であるマレイシュカ(Малышка)と父親であるユーコン(Юкон)の名前を部分的にとって付けられた名前がユムカ(Юмка)であったことは記憶に残っています。このユムカは生後1年に満たないうちにペルミ動物園に移動したわけですが、ペルミ動物園は無残にもこのユムカという名前を彼女が同園に到着直後にミルカ(Милка)に改名してしまったのには私は非常に残念に思っています。

動物たちには名前を付けるという感覚は日本人よりもロシア人に非常に強いわけですが、アメリカ人はロシア人以上にこの名前というものにこだわります。アメリカ人は動物園で動物たちに会って親近感を持った時には動物たちに直接、"Hello! How are you! What's your name?" と名前を尋ねるほどです。ロシア人の場合はその名前をさらに親しみを込めて愛称で呼ぶ傾向が極めて強いですね。シルカ(Шилка)についてはシーロチカ(Шилочка)という愛称がよく使われます。
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Photo(C)Денис Шумаков

さて、ノヴォシビルスク動物園は今回の赤ちゃんの名前を前回同様公募するでしょうか。私は公募すべきだと思います。同園は少し神経質すぎるのではないでしょうか。前回あれだけ市民の間でシルカのノヴォシビルスク残留への署名活動が起こったのは、同園が行った、それ以前からのいくつもの無神経なやり方によって市民の神経を逆撫でし、そしてそれによって市民の大きな反発を招いてしまったからです。赤ちゃんの名前の公募の是非とは無関係な話なのです。ノヴォシビルスク動物園はまだ前回のシルカの件が引き起こしたものについて正しい教訓を得ていないように私には感じられます。

さて、ここで先週末のこの赤ちゃんとゲルダお母さんの様子を伝える映像をいくつかご紹介しておきましょう。









(資料)
НГС.НОВОСТИ (Mar.28 2016 - Как тебя зовут, мимимишка?)
Вести Новосибирск (Mar.28 2016 - Новосибирский зоопарк будет работать на час дольше)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2016-03-28 21:00 | Polarbearology

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