街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・コロンバス動物園の人工哺育の赤ちゃん、ノーラの近況 ~ 「適応化」を意識した飼育プログラム

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ノーラ Photo(C)Columbus Zoo and Aquarium

アメリカ・オハイオ州のコロンバス動物園 (Columbus Zoo and Aquarium) で昨年11月6日にオーロラお母さんから誕生して人工哺育に切り替えられた一頭の雌の赤ちゃんであるノーラですが、ここのところの動向を伝える写真は数枚しかなく、また生後5ヶ月近くなるものの一般公開を行うという告知も同園からは流れてきていない状況でした。しかし同園は昨日になってこのノーラの元気な姿を伝える映像を公開していますのでご紹介しておきます。やはり来園者からは見えない飼育場で水に馴染んだり芝生の上を転げまわったりと非常に活動的ですね。もうトレーニングも開始しているようです。やはり人工哺育個体に対する「適応化(socialization)」というものを意識して、彼女がいろいろなシーンで活動させたいというのが同園のスタンスのようです。以下の映像、なかなか素晴らしいと思います。



何月何日から一般公開するかということはこの担当飼育員さんは明確には言わないわけですが、事前に用意されたプログラムによってノーラの心身の成長を健全に図っていきたいという意図が飼育員さんの言葉の奥に感じられます。ノーラをまだこれだけ小さいうちから他のホッキョクグマや他の動物たちと引き合わせずに行うという最初のステップをこの段階では採用しているわけです。この点でカナダのトロント動物園がジュノーに対して行っている人工哺育とはやや異なるということです。このあたりはさすがにアメリカの動物園という感じで、ホッキョクグマの人工哺育とその後の過程についての進んだ研究の成果をトロント動物園とは別の形で存分に取り入れていこうという意図が読み取れます。
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ノーラ Photo(C)Columbus Zoo and Aquarium

とにかくなんでも一般公開ありきという姿勢でないのはこのノーラを可能な限りこうしてバックヤードでその成長を一歩一歩プログラミングされた方針で大事に育てていこうという方針なのでしょう。カナダのトロント動物園の人工哺育プログラムのうち「適応化(socialization)」については「カナダ・トロント動物園のハンフリーがアシニボイン公園動物園へ移動が決定 ~ 「適応化」プログラム」という投稿とその関連投稿をご参照下さい。また、デンマークのスカンジナヴィア野生動物公園の「適応化」プログラムについては「デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園でのシークーの 「適応化 (Socialization)」 が順調に進行中」という投稿とその関連投稿をご参照下さい。とにかく欧米はどんどん先へ行くわけです。

(資料)
The Weather Channel (Mar.26 2016 - Baby Polar Bear Adjusts to Life at the Columbus Zoo)
NBC4i.com (Mar.31 2016 - Columbus Zoo provides Nora update)
fox8.com (Mar.31 2016 - How cute! Columbus Zoo shares update on adorable polar bear cub)

(過去関連投稿)
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ オーロラが待望の出産
アメリカ・コンロバス動物園のオーロラお母さん、赤ちゃんの育児を突然止める ~ 人工哺育へ
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後25日となる
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後5週間が無事に経過
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後7週間が無事に経過
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園で人工哺育の赤ちゃんの成長と舞台裏を紹介した映像が公開
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園で人工哺育の雌の赤ちゃんの名前選考の投票が開始
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんが生後89日を無事経過
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんの名前が "ノーラ (Nora)" に決まる
アメリカ・コロンバス動物園、ノーラの「国際ホッキョクグマの日」 ~ 一般公開開始に慎重な同園
by polarbearmaniac | 2016-04-01 06:00 | Polarbearology

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