街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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浜松市動物園のキロルの移動を巡る状況の奇怪さ

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キロル(2013年3月16日撮影  於 浜松市動物園)

浜松市動物園で飼育されている札幌市(円山動物園)が権利を持つ7歳の雄のキロルが今月13日に釧路市動物園に移動する件についてはすでに投稿しています。この今回の移動についていささか腑におちない情報が報道で流れていますのでそれを考えてみたいと思います。

先日の投稿の「後記」でもご紹介していましたが、まず4月5日付けの静岡新聞の報道です。関連部分のみ引用します。

- 市動物園によると、ホッキョクグマは2月末現在、国内で43頭が飼育されている。市動物園では不在になるが、担当者は「できるだけ早くキロルの後任を導入できるよう頑張りたい」としている。

この意味するところは、「キロルの後任」の浜松市動物園来園の時期については事前に何の検討もなされていなかったか、それとも「キロルの後任」候補を飼育している動物園が浜松への移動に難色を示しているらしいことを匂わせる内容です。次に4月7日の毎日新聞の報道です。関連部分のみ引用します。

- キロルが去ると浜松市動物園にはホッキョクグマがいなくなるが、担当者は「できるだけ早く他のクマが来られるよう調整している」としている。

この内容も最初の静岡新聞の内容に近いのですが若干ニュアンスの違いがあります。

さて、こういった報道において引用されている浜松市動物園の担当者の発言が正しいニュアンスを伝えていると仮定した場合、浜松市動物園はキロルが移動した後に来園するホッキョクグマについて、それがバフィン親子であろうが他のホッキョクグマであろうが、その浜松来園の時期を含めて諸々のことにほとんど準備ができていなかったということを意味します。こういう不可思議さが生じてしまっている理由を憶測してみれば、つまり同園の知らないところでその時期を含めて今回のキロルの移動話が進展したのだという理解をするしかないわけです。つまり北海道の関係者だけで進行した話であって、最終段階でようやく浜松市動物園に知らされた話ではないかと思うわけです。そもそも私は何故今この4月の時期にキロルを釧路に移動させるのかが全く理解できません。浜松市動物園を蚊帳の外に置いたような状況にしか見えないわけです。ミルクが繁殖可能な年齢になるまであと2~3年あるわけです。いつからキロルとミルクを同居させるかも未定の段階で何故この4月にキロルを移動させねばならないのかの説明は難しいと思います。ましてや「キロルの後任」の来園の詳細についてはまだ決まっていないという不思議さです。

浜松市動物園はバフィン親子については、このキロルの移動話が出た段階では、それほど帰還に関して具体的な見通しを立てていたのではないということを意味しているわけです。つまり急いでいなかったということです。しかし実際に「親子の帰還」となればエンリッチメントも含めてその飼育に関して浜松市動物園にとっては準備期間が必要でしょう。とりあえずホッキョクグマ不在を早く回避しようとすれば「キロルの後任」はバフィン親子以外もありえるという可能性も浮上してきたようにも思います。浜松市動物園はバフィン親子の帰還よりも、実はむしろ別のホッキョクグマを望んでいるのではないかという気もします。あくまでもこれは私の憶測です。

(資料)
静岡新聞(Apr.5 2016 - 人気ホッキョクグマ、釧路に婿入りへ 浜松市動物園
毎日新聞(Apr.7 2016 - 「キロル」北海道・釧路へ 10日お別れ会 浜松市動物園

(過去関連投稿)
浜松市動物園のキロルが釧路市動物園へ ~ 注目すべきバフィン親子の浜松帰還時期
by polarbearmaniac | 2016-04-08 21:30 | Polarbearology

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