街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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大阪・天王寺動物園のモモの将来のパートナーを考える ~ 「二大血統」の狭間で苦しい展開を予想

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モモ(2015年3月10日 一般公開日初日撮影)

天王寺動物園のモモ(現在1歳)の将来のパートナーも今のうちからいろいろと可能性を模索しておくことは必要でしょう。いくつかの可能性を視野に入れておいて日本のホッキョクグマ界における状況の推移を見ながら判断してくことが必要ですので現時点で決定的なことは言えないということは勿論です。しかし今回はホッキョクグマ界についてあまり詳しくない方や、ホッキョクグマファンになられてそう日の経っていない方々にも理解していただける内容にしたいと考えます。そのためにやや話を単純化した箇所もありますのでご了承下さい。
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モモ(2015年3月14日撮撮影)

モモのパートナーをどの個体にするか、これはいささかパズルの世界なのです。今回はある種の「消去法」という考え方で進めてみたいと思います。その前に血統に関してあまりご存じない方に説明しておきますが、日本のホッキョクグマ界においては「二大血統」というものが存在しています。その一つが私の用語使用で「ララファミリー」という血統、もう一つはロシア血統である「アンデルマ/ウスラーダ系」という血統です。特に後者は非常に複雑なわけで、今までも折に触れて説明してきましたが、再度ここでそれを説明するのも読んでいただく方にとっては煩雑でしょうから、簡単に以下のように覚えていただければ結構です。

・「ララファミリー」の個体 - ララ(札幌)、ルル(旭川)、ツヨシ(横浜)、ピリカ(旭川)、イコロ(上野)、キロル(間もなく釧路)、アイラ(帯広)、マルル(熊本)、ポロロ(徳島)、リラ(札幌)、そして準構成個体としてはララとは当然全く血縁関係はないもののララのパートナーとしてこの血統グループの形成に大きな役割を果たしているデナリ(札幌)、そしてララとルルのいとこであるみゆき(神戸)、こういったところです。

・「アンデルマ/ウスラーダ系」の個体 - イワン(旭川)、ラダゴル(カイ - 仙台)、ピョートル(ロッシー - 静岡)、ヴァニラ(静岡)、ゴーゴ(白浜)、ルトヴィク(ホクト - 姫路)、シルカ(大阪)といったところです。

さて、この「二大血統」においてモモのパートナーを考える上で必要なことは、モモとこの「二大血統」との関係です。条件として考慮すべき血統上の関係を列記しておきます。

①モモの母親であるバフィンは「血統登録情報上」では札幌・円山動物園のデナリと、いとこである。

②モモはペルミ動物園のアンデルマの孫であるが、レニングラード動物園の女帝ウスラーダとは血の繋がりはない。


①の示すものは、モモと「ララファミリー」との組み合わせに微妙な影を落としていることを意味しています。この②が示すものは私個人の用語使用における「アンデルマ/ウスラーダ系」との組み合わせがモモにとっては全く好ましくない場合と必ずしもそうでもない場合が混在していることを意味しています。さて、この二つを考慮し、そして日本のホッキョクグマ界の短期・中期的な見通しを踏まえて考えてみることにします。
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モモ(2015年3月21日撮撮影)

日本のホッキョクグマ界の「二大血統」は、すでに申しあげましたように「ララファミリー」と「アンデルマ/ウスラーダ系」です。モモは前者とは血統的に非常に弱い繋がりがあり、そして後者とは幾分強い繋がりを持っているわけです。そうなるとごく単純に考えればモモは「ララファミリー」と「アンデルマ/ウスラーダ系」以外の「第三の血統」とペアになるのがよいということになるわけです。この「第三の血統」ですが日本のホッキョクグマ界では「豪太/クルミ」のペアがそれにあたります。つまり「豪太/クルミ」のペアの第二子が雄(オス)であれば、モモのパートナーとしては極めて有望でしょう。ところがどっこい、また難しい問題があるのです。日本のホッキョクグマ界の若年・幼年個体は雌(メス)ばかりになっており、「豪太/クルミ」のペアの第二子が雄(オス)であった場合には、「ララファミリー」のアイラ、マルル、ポロロ、リラといった雌の個体もパートナー候補として大きく浮上し、モモの強力なライバルとなるわけです。
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モモ(2015年3月28日撮撮影)

さて、これからが不確定要素なのですが、札幌・円山動物園が進めようとしている海外の雄(オス)の個体と「ララファミリー」の雌の個体との交換計画の存在です。これは何かと言いますと、「ララファミリー」の雌(メス)の幼年・若年個体4頭のうち1~2頭を欧州に出し、交換に欧州の雄(オス)の個体を1~2頭札幌に入れようという計画です。交換個体が二頭ならばララファミリーの前掲の4頭の雌(メス)の個体は二頭に減り、そしてその二頭は欧州から来た二頭の雄(オス)の個体とペアとなるということです。これが成功するのならば、「豪太/クルミ」の第二子が雄(オス)だった場合にはすんなりとモモのパートナーになるということです。ただし円山動物園の海外個体との交換交渉は極めて難局が予想されるわけです。諸状況から考えて欧州個体との交換は全く実現しない可能性のほうが大きいと私は考えています。そういったことを考えて私は、まずとりあえず円山動物園はロシアの雄(オス)の個体一頭の入手を狙うべきであると考えます。何が何でも欲しいのは、シベリア中部のクラスノヤルスク動物園(正式には「ロエフ・ルチェイ・クラスノヤルスク動物園」 - "Роев ручей" Красноярский зоопарк) の野生出身ペアであるフェリックスとオーロラの間にできるであろう新血統の雄(オス)の赤ちゃんです。
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クラスノヤルスク動物園のフェリックス(右)とオーロラ(左) 
Photo(C)Russia Beyond The Headlines

これは「新血統」となりますので欧州の動物園が争奪戦に参加してきて入手の難易度は非常に高くなるでしょう。しかしモスクワ動物園は何の権利も持たないため交渉相手はクラスノヤルスク動物園だけとなる点で話がしやすいという点と、EARAZAの繁殖計画を名目としてEARAZAの盟主であるモスクワ動物園がクラスノヤルスク動物園に必ず要求してくるであろう円山動物園におけるパートナーの存在については、円山動物園は4頭もの若年・幼年個体の雌(メス)を所有しているため、世界のどの動物園よりも有利に交渉が進められるということです。これで雄(オス)を一頭確保し、そしてさらにもう一頭、雄をロシアから導入することを狙うべきです。この場合、何らかの形で「アンデルマ/ウスラーダ系」の血が少し入った個体となる可能性が大きいのですが、その血はあえて問題とするほどのものではない薄い血となるはずで、少なくとも日本国内の「アンデルマ/ウスラーダ系」の個体を札幌に導入するよりは遥かに有利なのです。たとえばイジェフスク動物園のドゥムカとノルドの間に誕生する個体などです。今回は雄の双子であるシェールィとビェールィは生後二カ月で人工哺育になってしまいましたが、本来はこの雄の双子のうちどちらかを狙ってみることも無駄ではなかっただろうと思いますが、もう時期的に遅いでしょう。さて、こうやってロシアから二頭の雄を調達できればララファミリーの4頭の雌(アイラ、マルル、ポロロ、リラ)のうち2頭のパートナーが確保できます。そうしておいて欧州から最低1頭の雄を個体交換によって入手できれば(つまり4頭の雌が3頭となってそこに1頭の雄が加わる)、これでララファミリーの雌4頭のパートナーは全て確保できることとなるのです。
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モモ(2015年5月23日撮撮影)

さて、こうして円山動物園の所有する「ララファミリー」の幼年・若年個体のパートナー問題が解決すれば、大阪のモモの将来のパートナーは「豪太/クルミ」の第二子に自動的に決まってくるわけですが、第二子が雄(オス)になるのかの保証は全くありません。そもそも「豪太/クルミ」に第二子が誕生する保証も全くないのです。さて、では「豪太/クルミ」の雄の第二子が期待できない場合にモモのパートナーは次にどうすればよいかということです。結局は「アンデルマ/ウスラーダ系」か「ララファミリー」のどちらかの個体をパートナーとせざるを得ないでしょう。ここでモモとモモのパートナーとなりうる雄(オス)の個体の血統的結びつきの「危険度」を五段階評価にしたいと思います。危険度の最高レベルが5、最低レベルを1とします。全くないものは0とします。基本的に5親等離れればペアとしての組み合わせを容認するというモスクワ動物園の考え方を基礎にして評価(Rating)を加えることにします。数字が大きくなればなるほどモモのパートナーにするのは問題が大きいということになります。

①「ホクト/ユキ」(姫路)の繁殖成功個体の雄-4
②「ラダゴル(カイ)/ポーラ」(仙台)の繁殖成功個体の雄 - 3
③「ロッシー/ヴァニラ」(静岡)繁殖成功個体の雄 - 4
④「イコロ/デア」(上野)繁殖成功個体の雄 - 2
⑤「キロル/ミルク」(釧路)繁殖成功個体の雄 - 1
⑥「デナリ/ララ」(札幌)次の繁殖成功個体の雄 - 2
⑦「イワン/ルル」(旭川)繁殖成功個体の雄 - 2
⑧「豪太/クルミ」(男鹿)繁殖成功個体の雄 - 0
⑨「ジャンブイ/ツヨシ」(横浜)繁殖成功個体の雄 - 1
⑩「故アークティク/オホト」(白浜)繁殖成功済の雄#3314 – 4
「サスカッチ/オーロラ」(名古屋)繁殖成功個体の雄 - 0
「ゴーゴ/オホト」(白浜)繁殖成功個体の雄 - 5
⑬「ゴーゴ/シルカ」(大阪)繁殖成功個体の雄 - 5

③については危険度4としておきましたが、実はこの「アンデルマ/ウスラーダ系」同士のペアそのものがすでに従兄妹(いとこ)の関係になっていますので、その繁殖成功個体の雄(オス)をさらにまた「アンデルマ/ウスラーダ系」であるゴーゴを父に持つモモのパートナーとするのは実質的には危険度5に近いと考えます。⑫と⑬は全く問題外でしょう。
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モモ(2015年5月24日撮撮影)

さて、モモのパートナーとしてはやはり危険度0か1に絞るべきでしょう。妥協しても日本のホッキョクグマ界の今後を考えれば危険度2が限界なのではないでしょうか。危険度4以上は容認すべきではないと考えます。ともかく、モモが血統的に有利なパートナーを得ることができるかどうかは、札幌・円山動物園の今後の対外交渉(対欧州、対ロシア)の成否が大きなカギを握っていると考えます。それがうまくいかないとすれば、モモのパートナー探しは難航するように思います。

(*追記1 - 私が行っている「血統登録情報の批判的研究(critical studies)」を突き詰めていけば、釧路のミルクの血統的価値は大きく減じることになります。私はミルクとシルカは従妹同士であるのが真相であると考えています。つまり、シルカの母であるゲルダは豪太の妹であるというのが真相だということです。これについては「「ロシア血統の謎」に迫る(1) ~ ラスプーチン、ゲルダ、血統番号2893個体の三頭の謎を追う」という投稿をご参照下さい。ただし、かなりのマニアの方でないと理解していただけないかもしれません。)

(*追記2 - 上の⑩の組み合わせで2013年に白浜で誕生して人工哺育で育てられた雄の正式な名前は「ライト」であると、ある時私に教えてくれた方がいらっしゃいました。感謝いたします。ただしその綴りが "Light" なのか "Right" なのか "Wright" なのかをお聞きするのを私は忘れてしまいました。血統登録情報上は依然として名前のない状態となっていますので、今回は名前を血統登録番号の#3314 とだけしておきました。)

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(*クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラ関係)
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by polarbearmaniac | 2016-04-11 01:30 | Polarbearology

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