街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園の赤ちゃんのリリーの水遊び ~ その「自由意思」への評価の意義

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リリー Photo(C)Zoo am Meer Bremerhaven

ドイツのブレーマーハーフェン臨海動物園(Zoo am Meer Bremerhaven)で昨年12月11日に誕生した雌(メス)の赤ちゃんのリリー(Lili)については先月初めにヴァレスカお母さんと一緒に戸外に登場して一般公開となったところまでは御紹介していましたが、その後はかなり時間が開いてしまいました。このリリーですが一般公開開始の日にはもうヴァレスカお母さんと一緒に水に親しんでいたのですが、とうとう5月10日に自発的に(freiwillig)水に入るようになったそうです。

実のところ私はホッキョクグマの幼年個体にとってこれがそれほど大きな成長の節目であるとはあまり思わないのですが、ドイツの方々にとってはこの "freiwillig"(つまり「自発的に」とか「自由意思で」)ということを重視するのでしょう。人間の場合は重要なことかもしれませんが、ホッキョクグマの場合には、それが母親に促されようが自らが進んで行おうが、要するに「水に親しむ」ということに意義があり、それが「自発的」かどうかはそう重要ではないと思っています。たたえばこのリリーは4月5日の一般公開開始の日にヴァレスカお母さんと一緒にプールに入っています。その映像を再度ご紹介しておきます。





この上の映像はリリーが水に入ったことが重要であり、それが「自発的(freiwillig」であったかどうかは大して意味のないことのように思うのですがドイツの方々(同園のスタッフやマスコミ)にとっては、そうは感じないようです。
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プールに入ったリリー Photo(C)Zoo am Meer Bremerhaven

上の写真は5月10日にリリーが自ら水に入って遊びだした写真なのですが、キュック園長は „Ein weiterer Schritt in der Entwicklung der kleinen Eisbärin“(「小さなホッキョクグマの成長の次のステップ」)と大いにその「自発性」の意義を強調しています。このリリーは一般公開以降、あまりプールには近づかなかったそうで、そのことをスタッフも来園者も気にしていたそうです。飼育員さんはおもちゃや、おやつなどでリリーを水に引き付け、そしてプールの水位を上げて水面に接近しやすいようにしたりと多くの努力を行ってきたそうですが効果がなく、どうも困惑していたようです。しかしリリーは10日からこうしていきなりプールに入って遊びだし、なかなか陸に上がらないほど水遊びが好きになってしまったようです。今回のリリーは二年前の同じ雌のラーレの時よりも二週間贈れてこうして泳ぎ出したということになるそうです。

さて、ここで最近のリリーの様子を映像で見てみましょう。



(資料)
Nordwest-Zeitung (May.11 2016 - Lili schwimmt!)
kreiszeitung.de (May.11 2016 - Lili nimmt ihr erstes freiwilliges Bad)
NDR.de (May.11 2016 - Zoo am Meer: Eisbärin "Lili" schwimmt)
WESER-KURIER (May.11 2016 - Lili nimmt erstes freiwilliges Bad)

(過去関連投稿)
ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
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by polarbearmaniac | 2016-05-12 16:30 | Polarbearology

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