街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の双子の赤ちゃんの雄(オス)の性別判定に重大な疑惑生じる

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ニクとシモン Photo(C)Dierenrijk

大変な問題が生じてきたようです。昨年11月21日の夜から22日の早朝にかけてオランダ・ヌエネンの「動物帝国(Dierenrijk)」でフリーマスお母さんから誕生した双子の雄(オス)の赤ちゃんであるニク(Nick)とシモン(Simon)ですが、この二頭の性別について重大な疑惑が生じてきていることを「動物帝国」自らが発表し、そしてオランダのマスコミが大きく報じています。この疑惑を報じるTVニュースをご紹介しておきます。





まず2月24日に行われたこの双子の当初の性別チェックの模様を下の映像(開始後1分5秒以降)でご覧ください。音声は必ずon にして下さい。



この映像のようなやり方で獣医さんが視診でこの双子の性別をどちらも「雄(オス)」と判定し、それに基づいて「動物帝国」はこの双子の赤ちゃんに「ニク(Nick)」と「シモン(Simon)」という男の名前を付けたわけでした。

さて、ところが「動物帝国」は当初のこの2月の性別判定から3ヶ月近く経過した本日になって、このニクとシモンの双子は実はどちらも「雌(メス)」なのではないかという強い疑いを自らが抱いていることを発表しました。その理由について「動物帝国」は正式には詳細な根拠を挙げてはいないものの、現時点において獣医さんや担当飼育員さんの意見によって、成長しつつあるこの双子の体の大きさからは「雌(メス)」である可能性が非常に強いと考えていることを示しています。そして多くの人の来園を求めてこの双子の行動を観察してもらい、そして特に排尿シーンの写真や映像を同施設のSNSに投稿してほしいと呼び掛けています。それらを集積して総合的に判断したいということのようです。「動物帝国」はこの双子が成長している現時点では、前回の性別チェックの時のように押さえつけて再度の性別チェックを行うことは極めて困難だと考えていることも述べています。

この排尿シーンによる性別判定は欧州では有力な方法と考えられているわけで、一昨年の12月に同じオランダのロッテルダム動物園でもこの排尿シーンによって性別判定を行っていたわけです。これについては「オランダ・ロッテルダム動物園の双子の赤ちゃんの順調な水泳教室と性別判定のための同園の奇妙な呼びかけ」、及び「オランダ・ロッテルダム動物園が双子の赤ちゃんの性別判定のため引き続き「排尿シーン」の写真提供を求める」という投稿をご参照下さい。性別による排尿の方向は「雄(オス)は真下、雌(メス)は後方」というわけです。ホッキョクグマの幼年個体の性別判定としては日本では全く用いられない方法ですが、本ブログでは過去に何度もこの性別判定方法をご紹介してきました。

さて、昨年の年末にかけて世界の動物園で誕生したホッキョクグマの赤ちゃんたちの中では、すでにロシアのノヴォシビルスク動物園が赤ちゃんの性別を当初の「雌(メス)」という発表から訂正して「雄(オス)」と再度発表するといった事件がありました。上の映像でもわかる通り、暴れまくっている赤ちゃんを押さえつけて性別チェックを行うというのは短い時間で急いで行わねばならないという事情から、やはりこうした間違いも生じてくるという結果を生む危険性は絶えずあるということでしょう。以下はデンマークのオールボー動物園で2011年3月に行われた同じ方法による性別チェックの映像ですが、この時も実は判定が間違えていたことが後からわかったわけです。



この映像での性別チェックで「雄(オス)」と判定されたアウゴでしたが、このアウゴが2年後に濠に転落して安楽死の処置が撮られたあとになって実はアウゴは「雌(メス)」だったと判明したわけでした。

さて、「動物帝国」ではこのニクとシモンの本当の性別はどちらも雌(メス)である可能性が非常に強いとは考えているものの、それを確定させるだけの自信はないようで、来園者の協力を求めて「排尿シーン」を主とした判定方法で性別を最終的に確定したいということのようです。そして仮に二頭とも「雌(メス)」と確定されればこの赤ちゃんたちの名前を「ニッキー(Nicky)」と「シモーネ(Simone)」という女性形の名前に改名する可能性も考えられているようです。

ホッキョクグマの性別判定に興味のある方は「デンマーク・オールボー動物園、DNA鑑定するも度重なる性別取り違え ~ ミラクは雌(メス)だった! 」、及び「大阪・天王寺動物園の赤ちゃん「雌(メス)」の目視判定~ 目視(雌)>DNA(雌雄)>目視(雄) の評価? 」の二つの投稿もご参照下さい。

(資料)
Dierenrijk (faceboob/May.19 2016 - TWIJFEL OVER GESLACHT NICK & SIMON)
Telegraaf.nl (May.19 2016 - Twijfel over geslacht Nick & Simon)
AD.nl (May.19 2016 - Dierenrijk: 'IJsberen Nick en Simon misschien Nicky en Simone')
Omroep Brabant (May.19 2016 - Zijn Nick en Simon eigenlijk Nicky en Simone, of gewoon klein geschapen?)
Eindhovens Dagblad (May.19 2016 - Dierenrijk Nuenen: 'ijsbeertweeling Nick en Simon misschien Nicky en Simone')

(過去関連投稿)
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ フリーマスお母さん健闘
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」で誕生の双子の赤ちゃんの産室内での近況
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」の双子の赤ちゃんが生後82日が経過し健康チェックが行われる
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」の双子の赤ちゃんの性別はどちらも「雄(オス)」と発表
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」の双子の雄の赤ちゃんが遂に戸外へ
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の雄の双子の赤ちゃんが水に親しみ始める
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の雄の双子の赤ちゃんの名前がニク(Nick)とシモン(Simon)に決まる
by polarbearmaniac | 2016-05-19 22:30 | Polarbearology

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