街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・コロンバス動物園のノーラの展示時間延長に慎重な同園 ~ 父親ナヌークへの期待と配慮が理由か

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ノーラ Photo(C)Columbus Zoo and Aquarium

アメリカ・オハイオ州のコロンバス動物園 (Columbus Zoo and Aquarium) で昨年11月6日に誕生し人工哺育で育てられた雌のノーラ (Nora) はすでに生後半年が経過しています。コロンバス動物園ではこのノーラが大変な人気だそうです。ただしかし同園は依然としてこのノーラの展示時間を午前9自15分から約1時間に限定しているそうで、このノーラの心身の状態を非常に考慮しているようです。すでに一般公開から一ヶ月が経過しているものの、このノーラの映像といったものはネット上では非常に少なくしか存在していません。そういった数少ない映像のうち、一つだけご紹介しておくことにしましょう。



私が想像するに、何故このノーラの一般公開時間が少ないのかといえば、それは同園で飼育されているオーロラとアナーナという現在9歳となった双子姉妹の今シーズンの繁殖への挑戦が関係しているのではないかと思います。オーロラはノーラの血統上の母親ですので、当然今シーズンも繁殖を試みることになるわけですが、パートナーはすでに28歳となっている野性出身のナヌークです。このナヌークはバッファロー動物園でやはり人工哺育された現在は3歳のルナの父親でもあるわけですが、その彼が昨年このコロンバス動物園でオーロラとアナーナの二頭と繁殖行為を行い、そしてオーロラだけが出産したという経緯があったわけなのですが、その彼も今年は28歳という年齢から、はたしてまた繁殖成功に寄与できるかどうかは非常に微妙だということです。
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ナヌーク Photo(C)Columbus Zoo and Aquarium

このナヌークはロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園のあの帝王メンシコフよりもさらに一歳年上なわけです。こうしたことから、おそらくコロンバス動物園はこの時期にたっぷりと時間をとって彼に再度繁殖行為を期待するがためにノーラの展示時間を朝の一時間だけにしているというのが真相なのではないかと思うわけです。この雄のナヌークの昨年1月、つまり彼が27歳となったばかりの時期の映像を再びご紹介しておきます。



やはり年齢相応の貫録だと思います。このナヌークは双子姉妹であるオーロラとアナーナとは最初からなかなか相性が良かったようです。2013年2月のこの3頭の同居の映像を再度ご紹介しておきます。この時ナヌークは25歳だったというわけです。



さて、今年の11~12月に果たして結果が出せるでしょうか? ナヌークには大きな声援を送り、そして注目して見守っていきたいと思います。 それから注意しておかねばならないのは、雄がこういった年齢(ナヌークの場合は昨年27歳でノーラの父親となった)でも繁殖に成功しているからといって、それを横浜・ズーラシアのジャンブイについて楽観的に考えうる理由にはならないということです。何故ならナヌークには過去の実績があり、ジャンブイにはないからです。メンシコフやナヌークは25歳を越しても悠々と繁殖に成功しているといった事実は、その雄の年齢と繁殖との関係を一般化すべきではないということです。実績のある雄だけが可能だということなのです。なぜジャンブイの年齢(現在24歳)と今後の繁殖に関して、あれだけ楽観的でいられるのか私には想像もつきません。日本のホッキョクグマも海外のホッキョクグマもここでは全て等距離に扱う私ですから、ナヌークには期待して応援してもジャンブイの件は私などにとっては、そう気には留める必要もないということです。世界にはもっと応援したいホッキョクグマがそれこそ何頭もいるわけですから。

(資料)
Slate.com (May.13 2016 - Nora Goes Public)

(過去関連投稿)
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アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後7週間が無事に経過
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アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の人工哺育の赤ちゃん、ノーラが生後半年となる
(*オーロラとアナーナの双子姉妹関連)
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(*ナヌーク関連)
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(*繁殖可能年齢関連)
ホッキョクグマはいったい何歳頃に最も出産するのか?
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by polarbearmaniac | 2016-05-20 23:45 | Polarbearology

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