街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園の雌の赤ちゃん、リリー(Lili) の公式命名式が行われる

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リリー Photo(C)Zoo am Meer Bremerhaven

昨日5月20日にドイツのブレーマーハーフェン臨海動物園(Zoo am Meer Bremerhaven)で昨年12月11日にヴァレスカお母さんから誕生した一頭の雌(メス)の赤ちゃんであるリリー(Lili)の公式英名式典が行われました。リリーの名付親となったブレーマーハーフェン市のリュッケルト市議会議長が出席して行われたこの公式命名式の様子を以下の映像でご覧ください。



また、このリリーについて担当飼育員さんのフランク・シュレップスさんが語っている映像をご紹介しておきます。今までいろいろとこの親子に関してご紹介してきた以上のことは特に語ってはいませんが、映像としては素晴らしいと思います。



さて、ブレーマーハーフェン臨海動物園は一つ興味深いことを述べています。それは、「昨年2015年に世界の動物園で誕生したホッキョクグマの赤ちゃんは20頭であり、そのうち10頭が育っていて、そのうちの一頭がリリーである。」と述べている点です。 確認してみましょう。カナダのトロント動物園が1頭(ジュノー)、アメリカのトレド動物園が1頭(ホープ)、コロンバス動物園が1頭(ノーラ)、オランダの「動物帝国」が2頭(ニクとシモン)、ドイツのブレーマーハーフェン臨海動物園が1頭(リリー)、チェコのブルノ動物園が1頭(ノリア)、ロシアのイジェフスク動物園が2頭(シェールィとビェールィ)、ノヴォシビルスク動物園が1頭(オイゼビウス - 仮称)、といったところですが、なるほどこれで合計10頭です。ブレーマーハーフェン臨海動物園の述べていることは正しいです。
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ヴァレスカお母さんとリリー Photo(C)Zoo am Meer Bremerhaven

さて、ではブレーマーハーフェン臨海動物園が昨年2015年に合計20頭誕生したものの成育したのは10頭であると述べているものの、では残りの成育しなかった10頭ですが、これは血統台帳の「付随情報」として確定される予定の分だけについて述べているのか、あるいはそれ以外をも含むのかがはっきりとはしていません。こういった成育失敗の例で過去に公表されているものでは姫路市立動物園で2013年12月に赤ちゃんが誕生したものの生後数日以内に死亡している事実やら昨年2015年11月に札幌・円山動物園でキャンディが出産したもののすぐに赤ちゃんが死亡した例などもありますが、公表されない事例としてはたとえばチェコのプラハ動物園などはここのところ何回がホッキョクグマの赤ちゃんが誕生していますが全て生後数日以内に死亡している事実やら、かつて別府のラクテンチであのクーニャから誕生したものの成育しなかった赤ちゃんたち(ルルとララは除く)やら、そういったものがあるわけです。こうした例は一般には事実は公開されてはいないものの血統台帳の「付随情報」に掲載されるわけで、そういった血統台帳の「付随情報」に掲載される(された)事例だけを挙げて「合計20頭」という数字を挙げているのだと思います。

しかしもう一方で、誕生の事実も公表せず種別調整者に何の連絡も行わなければ死亡しても血統台帳の「付随情報」に掲載されるはずもないといった事例はよくあることなのです。世界のホッキョクグマ界には赤ちゃんの誕生だけではなく諸々のことで「実は〇〇だった。」という例はいくつもあるわけで、こうした例をどう考えるかということです。アメリカにおける雌のホルモン値の変化の研究で全米の動物園でどの個体が実際に出産したかの結果が記載されている報告書がありますが、それは血統台帳の「付随情報」とは一致していないのです。それやこれやで、「昨年は世界の飼育下では20頭のホッキョクグマの赤ちゃんが誕生している」とブレーマーハーフェン臨海動物園が述べていることをそれほど重視する必要はないと私は考えています。問題は何頭が成育したかということです。「実は〇〇だった。」という情報はあまり考えてみてもしょうがないでしょう。

さて、ここでまた一つリリーの最近の映像を一つご紹介しておきましょう。



(資料)
Zoo am Meer Bremerhaven (May.20 2016 - Taufe der kleinen Eisbärin Lili)
kreiszeitung.de (May.20 2016 - Eisbär-Baby Lili "getauft")
Nordwest Zeitung (May.21 2016 - Taufgeschenke für kleine Lili)

(過去関連投稿)
ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
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by polarbearmaniac | 2016-05-21 14:00 | Polarbearology

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