街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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大阪・天王寺動物園のシルカの生活に重要な変化が見られる ~ 室内外の出入りも自由となる

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シルカ (Белая медведица Шилка)
(2015年6月13日撮影 於 天王寺動物園)


大阪・天王寺動物園のシルカの投稿が多くなってしまい偏ってきていることは好ましくないのですが、しかしこれはおもしろくなってきました。一頭で飼育展示場で終日展示となって一週間のシルカなのですが、担当飼育員さんの6月20日付けのブログ記事では注目すべき変化が現れてきたようです。飼育展示場で長い時間ゆったりと寝ている姿が確認できたそうで、要するに終日展示という彼女にとっては新しいリズムの生活の中に長い睡眠が入ってきたというわけです。これは担当飼育員さんにとっては非常にありがたい話でしょう。何故なら、退屈してバックステップの常同行動を起こさずに長い時間を別のことに費やすことを行い始めているからです。こうやって寝ている時間に仮に常同行動を行うようならば、また頻繁におもちゃを投げ入れたりせねばならず、こうして寝ていてくれれば一日のうちで相対的に活動時間が短くなるわけですからエンリッチメントの比率も相対的に少なくて済むというわけです。
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シルカ (Белая медведица Шилка)
(2015年6月13日撮影 於 天王寺動物園)

それからシルカは展示時間中も室内外の出入りが自由となったようですが、これも素晴らしいことです。今までは交代展示でしたので扉の開放ということはやりにくかったかもしれませんが、シルカが終日一頭での展示となれば彼女の室内外の出入りの自由を与えることが完全に可能となるわけです。これは欧米やロシアの動物園ではもう安全に常識であり、日本の動物園でも札幌をはじめとして近年これが行われるようになってきたのは当然だと思います。例の「マニトバ基準」では飼育展示場の面積もさることながら、この出入りの自由ということも基準の一つになっているわけです(これについては「アメリカ・ノースカロライナ動物園のアキーラが改修後の展示場に元気に登場 ~ 「マニトバ基準」 を考える」という投稿をご参照下さい)。

Unrestricted access in facility
6(1) Subject to subsection (2), the polar bear must be allowed to move freely between the exhibit area and the off-exhibit
area at all times.


ホッキョクグマには展示場と室内の間を、いついかなる時でも自由に出入りすることを可能とさせてやらねばならない。

一銭の金もかからないこういったことすら日本の動物園で行われないできたということこそ、非常におかしな話なのです。ましてやシルカの育ったノヴォシビルスク動物園でも室内外の出入りが自由だったわけで、彼女にしてみればこうしてもらって当然という気持ちでしょう。

(*注 - このシルカには日本で新しい名前が付いていますが、彼女のロシアでの誕生から成長、来日、そして日本でのこれからの生活を一貫して捉え、本ブログでは引き続き彼女の名前をシルカ - Шилка - で統一して記載するのを方針としています。)

(資料)
天王寺動物園スタッフブログ(Jun.20 2016 - 第2話「環境が変われば何かが変わる」
ASSOCIATION OF ZOOS AND AQUARIUMS (Standardized Animal Care Guidelines – Polar Bear)
カナダ・マニトバ州 「ホッキョクグマ保護法」 - Manitoba ‘Polar Bear Protection Act’ (PBPA, 2002)
カナダ・マニトバ州 「ホッキョクグマ保護法」・ホッキョクグマ保護規定 (通称「マニトバ基準」) - Polar Bear Protection Regulation)

(過去関連投稿)
・アメリカ・ノースカロライナ動物園のアキーラが改修後の展示場に元気に登場 ~ 「マニトバ基準」 を考える
・シルカ (Шилка) の木曜日。光沢を持った柔らかさ ~ 「心で感じるホッキョクグマ」の魅力
・大阪・天王寺動物園で終日展示となったシルカ ~ 担当飼育員さんとの新しい関係の構築はなるか?
・大阪・天王寺動物園がシルカへの今後の方針を示す ~ 「ホッキョクグマが楽しければ来園者も楽しくなる」
by polarbearmaniac | 2016-06-21 01:00 | Polarbearology

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