街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ラトヴィア・リガ動物園のロメオ、「隠者」のように暮らし「幻のホッキョクグマ」への道を歩む

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ロメオ (Romeo the Polar bear/Белый медведь Ромео)
Photo(C)LETA/VES.LV

バルト海沿岸の国、ラトヴィアの首都リガの動物園で飼育されている現在26再の雄のホッキョクグマであるロメオ(Romeo)は世界でも非常に特異な立場にあるホッキョクグマであると言えるでしょう。

彼について前回投稿したのはもう四年も前でした。その当時このロメオが飼育されているリガ動物園の飼育展示用が欧州における基準を満たしていないという指摘を受けて欧州の動物園が彼の入手に食指をのばすといった状況があり、園長さんは苦悩の末に彼はなんとしてもリガ動物園で飼育し続けたいという悲壮な決意であったことを「ラトヴィア、リガ動物園のロメオに外国の動物園が食指 ~ 「小さくて弱い」 動物園に対するイジメか? 」という四年前の投稿でご紹介していました。結局リガ動物園はこのロメオを飼育し続けることになんとか成功しているわけですが、それは全くもって不思議な状態を作り出すこととなったわけです。リカ動物園は「国際ホッキョクグマの日」のイベントは全く行わず、そしてその他のホッキョクグマのイベントについてHPやSNSのページで開催を告知したり当日の様子を後日報告したりということを一切やめてしまったのです。つまり、リガ動物園ではまるでホッキョクグマなど飼育されていないかのようにロメオに関する記述を行わなくなってしまったのです。つまりこれは、こういった形でロメオが注目されることを防ぎ、ロメオを展示しているにもかかわらず、あたかもホッキョクグマなど飼育されてはいないかのような状況を作り出してしまったわけです。ですからマスコミにもロメオに関するニュースの取材にはほとんど応じないという姿勢を維持したようです。ロメオが注目されれば欧州の他の動物園やら動物保護活動家やらが何かとリガ動物園に口出ししてくることを防ぐという意味だったのでしょう。そのために彼は生きているのか死んでいるのかすら外からは全くわからないという状態が数年続いています。ただし生きていて、そして展示されていることだけは間違いないようで、私は現在では「幻のホッキョクグマ」となってしまったこのロメオに是非会ってみたいとさえ思うようになっています。
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ロメオ Photo(C)Delfi

さて、2012年以来、このロメオの姿を確実に捉えた数少ない映像を二つご紹介しておきます。いぜれも昨年2015年8月の映像です。最初の映像では冒頭の数秒間だけ登場しています。





同じバルト三国でエストニアのタリン動物園も外部からの調査を受けてホッキョクグマの飼育展示場の不備を指摘されホッキョクグマの飼育を継続するために新施設を建設しようと四苦八苦しているわけですが、このラトヴィアのリガ動物園では新施設の建設計画を当分の間は見送って、そっと息をひそめてホッキョクグマの飼育・展示を行い続けるという道を歩んでいるわけです。

(資料)
News.lv (Feb.16 2012 - Leduslācis Romeo, visticamāk, paliks Rīgā)
DELFI (Aug.3 2015 - Грустный поход в Рижский зоопарк. Об условиях содержания белого медведя)
SIA TV 3 LATVIA,(Aug.8 2015 - Rīgas zoodārza iemītnieki cenšas sadzīvot ar spēcīgo karstumu)
TVNET.(Feb.13 2012 - У Рижского зоопарка отнимут белого медведя)

(過去関連投稿)
ラトヴィア・リガ動物園のホッキョクグマ・ロメオの不本意な「引退」
ラトヴィア・リガ動物園のロメオ、21歳の誕生日の苦渋 ~ 雄の繁殖能力年齢の上限は? 
ラトヴィア、リガ動物園のロメオに外国の動物園が食指 ~ 「小さくて弱い」 動物園に対するイジメか?
by polarbearmaniac | 2016-07-17 00:30 | Polarbearology

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