街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ノルウェーのプリンス・カール・フォーランド島でホッキョクグマがロシアの科学者に射殺される

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射殺された二歳の雌の個体 Photo(C)Sysselmann/Svalbardposten

ノルウェーの報道によりますとノルウェー領のスヴァールバル諸島(Svalbard)のプリンス・カール・フォーランド島(Prins Karls Forland) で今週火曜日の夜にロシアの科学者チームの滞在していたテントにホッキョクグマが接近してきたという状況だったらしくメンバーの一人によって射殺されたとのことです。射殺されたのは体重が155キロの二歳の雌の個体だそうです。
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この事件の詳細はまだ明らかになっていないそうですが水曜日の朝にスヴァールバル諸島の総督(Sysselmann) に報告され、現在この事件について捜査が行われているそうです。ここ数日のロシアの報道では「ロシア地理協会 - РГО (Русского географического общества)」 の調査隊がこのあたりの地域の調査を行っていてホッキョクグマの出現に頭を悩まされているという報道がなされていましたので、おそらくこのチームのメンバーが今回の事件に関与しているのではないかと思われます。

それにしても本当に困ったものです。6月にも「ノルウェー・スピッツベルゲン島で母親が射殺されたホッキョクグマの幼年孤児個体が殺処分される」という事件があったわけです。ノルウェー政府は「スヴァールバル環境保護法 (Svalbard Environmental Protection Act)」という法律によって野生のホッキョクグマの保護政策が徹底しており厳格な捜査によってホッキョクグマを射殺した者に対する正当防衛成立の要件は非常に厳しく、多くの場合は必ず訴追されるわけです。今回の事件の事実関係や具体的状況はまだ不明ですが、事態の推移を見守りたいと思います。

(資料)
Svalbardposten (Aug.11 2016 - Isbjørn skutt av russisk forsker)
NRK (Aug.11 2016 - Russisk forsker skjøt og drepte isbjørn)
Nordlys (Aug.11 2016 - Da isbjørnen nærmet seg leiren, valgte forskeren å skyte)
Газета "Вечерняя Рязань"(Aug.9 2016 - Экспедиция на Шпицберген завершила работу у северных берегов архипелага)
РИА «7 НОВОСТЕЙ» (Aug.8 2016 - Рязанскую экспедицию на Шпицберген сопровождают белые медведи)
Government of Norway (Svalbard Environmental Protection Act)
Norwegian Polar Institute (Polar Bears in Svalbard)

(過去関連投稿)
・ノルウェー・スピッツベルゲン島へのホッキョクグマツアー研究
・歴史を変えたかもしれない1頭のホッキョクグマ ~ 危機一髪のホレーショ少年
・探検家バレンツのホッキョクグマとの遭遇
・ノルウェー・スピッツベルゲン島でイギリスの極地探検体験ツアー観光客がホッキョクグマに襲われ死亡
・ノルウェー極北の街トロムソとホッキョクグマとのつながり ~ ノルウェーのホッキョクグマ保護政策について
・ノルウェー、スピッツベルゲン島で「正当防衛」によりホッキョクグマ射殺 ~ ノルウェーの保護政策について
・ノルウェー・スヴァールバル諸島で遂にホッキョクグマとイルカが遭遇 ~ 無慈悲だったホッキョクグマ
・ノルウェー、スヴァールバル諸島で首にナイロンの紐が巻きついたホッキョクグマが救助される
・ノルウェー、スヴァールバル諸島で廃棄物の漁網にからまれて動けないホッキョクグマが発見される
・ノルウェー・スピッツベルゲン島で母親が射殺されたホッキョクグマの幼年孤児個体が殺処分される
by polarbearmaniac | 2016-08-12 00:30 | Polarbearology

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