街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ノルウェー・スピッツベルゲン島の集落の別荘にあらわれたホッキョクグマ親子

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スピッツベルゲン島の集落にあらわれたホッキョクグマの幼年個体
Photo(C)HELENE RENATE HVEDDING

ノルウェーでなかなか興味深い報道がなされています。ノルウェー・スヴァールバル諸島のスピッツベルゲン島にあるロングイェールビーン (Longyearbyen) という街の近郊にあるレヴネサ(Revneset) という集落にここのところ毎日のようにホッキョクグマの親子が姿を見せているそうです。そしてこの季節にこの村にある別荘を持ってもう16年にもなるノルウェー人の女性の住居のすぐ外の場所でホッキョクグマたちは時間を過ごすことが多くなってしまったそうです。この住民の女性の方が家から撮影したホッキョクグマ親子の姿を見てみましょう。



この女性の語るところによりますと、このホッキョクグマ親子は非常に落ち着いているそうで住居に押し入ろうという態度は全く見せないためにこの女性も「これならば全く問題ありませんね。」と語っています。そしてそれどろか、「毎日近くにやって来るホッキョクグマ親子を見るのは実におもしろいですよ。私はこれほど近くでホッキョクグマを見たことがありませんでしたから。」と余裕の態度です。ただしホッキョクグマ親子が家の外にいるときは夕食の時間を延期するそうです。やはり家の中での食べ物の臭いにホッキョクグマが反応することには警戒しているということでしょう。
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別荘にあらわれたホッキョクグマ親子
Photo(C)HELENE RENATE HVEDDING

この女性はこの別荘の中に一応は銃や照明弾などを持っているそうですが、そういったものを使用してホッキョクグマたちを追い払おうという気はないようです。室内で飼っている二頭に犬たちは外にいるホッキョクグマ親子の気配や臭いに反応することをしないために全く吠えることをしないというのも幸いしているようです。ホッキョクグマたちを興奮させないという姿勢で一貫しているものの、やはり外出ができず、そして家の外でバーベキューなどを楽しむといった戸外活動が全くできないことには不自由を感じてはいるそうです。

上の映像でもわかりますが、母親のほうが首に発信器のあるカラーが装着されていますのでノルウェーの極地研究所が生態の研究のために一度麻酔銃で捕獲した個体であることを示しています。それから今回の女性も語っているのですが、この子供のほうは栄養状態が非常に良いということです。つまり非常に母親の授乳がうまくいっており、また母親の健康状態も良好であることを示しているということです。これは実になによりのことだと思います。このノルウェー人の女性のホッキョクグマに対する姿勢といいノルウェーのホッキョクグマ保護政策といい、こうしてホッキョクグマの生息地に人間が入り込んでいった場合に我々人間が彼らに対してとるべき正しい態度を示しているように思います。

(資料)
NRK (Aug.15 2016 - Sperret inne av isbjørn hele helga: – De hev grillen vår rundt)
VG (Aug.15 2016 - Helene (50) fikk uventet isbjørn-besøk - holdt seg inne i hytta hele helgen)
Government of Norway (Svalbard Environmental Protection Act)
Norwegian Polar Institute (Polar Bears in Svalbard)

(過去関連投稿)
・ノルウェー・スピッツベルゲン島へのホッキョクグマツアー研究
・歴史を変えたかもしれない1頭のホッキョクグマ ~ 危機一髪のホレーショ少年
・探検家バレンツのホッキョクグマとの遭遇
・ノルウェー・スピッツベルゲン島でイギリスの極地探検体験ツアー観光客がホッキョクグマに襲われ死亡
・ノルウェー極北の街トロムソとホッキョクグマとのつながり ~ ノルウェーのホッキョクグマ保護政策について
・ノルウェー、スピッツベルゲン島で「正当防衛」によりホッキョクグマ射殺 ~ ノルウェーの保護政策について
・ノルウェー・スヴァールバル諸島で遂にホッキョクグマとイルカが遭遇 ~ 無慈悲だったホッキョクグマ
・ノルウェー、スヴァールバル諸島で首にナイロンの紐が巻きついたホッキョクグマが救助される
・ノルウェー、スヴァールバル諸島で廃棄物の漁網にからまれて動けないホッキョクグマが発見される
・ノルウェー・スピッツベルゲン島で母親が射殺されたホッキョクグマの幼年孤児個体が殺処分される
・ノルウェーのプリンス・カール・フォーランド島でホッキョクグマがロシアの科学者に射殺される
by polarbearmaniac | 2016-08-16 00:30 | Polarbearology

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