街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア北東部・ヤクーツク動物園のコルィマーナ、史上最年少タイ記録の4歳での出産なるか?

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コルィマーナとロモノーソフ (Белая медведица Колымана
и Белый медведь Ломоносов)

Photo(C)News.Ykt.Ru

ホッキョクグマはいったい何歳から繁殖が可能なのかについて、その最年少の繁殖成功記録に挑戦しているのがロシア・北東部、サハ共和国のヤクーツク動物園で飼育されている現在4歳である雌のコルィマーナと雄のロモノーソフという若いペアです。実はこのペアは昨年の繁殖シーズン、つまり彼らがまだ3歳であったときにすでに繁殖行為があったらしく昨年暮れにはコルィマーナが産室入りしていたそうです。この件については今年の4月の「ロシア北東部・ヤクーツク動物園で最年少の繁殖成功に挑んだ昨年のコルィマーナとロモノーソフの若いペア」という投稿をご参照下さい。
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コルィマーナとロモノーソフ  Photo(C)Алена Подковырова

さて、このペアですがどうも今年の春にもまた繁殖行為があったらしいことを窺わせるニュースが流れてきています。それは、ヤクーツク動物園がこの現在のホッキョクグマ飼育展示場にさらにもう一つのスペースを併設することになり、その工事の施工業者の入札を始めたということです。これはつまりコルィマーナの年末の出産と来年の春からの親子の戸外展示のために、雄のロモノーソフを別飼育にするスペースを新設・確保するということを意味していると考えて間違いないでしょう。現在の飾り気のない飼育展示場を考えれば、併設される追加のスペースの新設工事はそう時間は必要としないでしょうから今からそれに取り掛かれば十分に間に合うことは間違いないと思います。
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さて、この現在4歳のこの若いペアですが果たして今年の年末にコルィマーナに出産があるかどうかには注目したいと思います。野生のホッキョクグマの場合はカナダでの研究報告("ANURSUS:A POPULATION ANALYSIS SYSTEM FOR POLAR BEARS (Ursus maritimus)")があり、これによれば4歳の雌が赤ちゃんを連れていたという事例が1件だけ報告されています。つまりこれは雌が3歳から4歳になる11~12月に出産したというケースであるわけです。飼育下ではアメリカにおける過去約100年間の記録調査報告("Reproductive trends of captive polar bears in North American zoos: a historical analysis" (2015))があり、これによっても飼育下では4歳の出産成功が一例あるだけです。この場合も実は3歳から4歳になったばかりの時の出産だったかもしれません。いずれにせよ野生下であっても飼育下であっても最も早い雌の出産は4歳であるということは確実に言えるわけですが、そういった例はもう極めて例外的なケースであると考えて間違いありません。さて、そうなるとこのヤクーツク動物園のコルィマーナはそういった例外に挑戦するということになります。ノヴォシビルスク動物園のゲルダがシルカを出産したのよりもさらに1年以上早い出産となるわけです。

なにしろロシアという国は底知れない国です。そしてその国に暮らすホッキョクグマたちというのは実に偉大な個体が非常に多いのです。ノヴォシビルスク動物園のゲルダも5歳でシルカを平然と出産しているわけですし、そうなるとこのヤクーツク動物園のコルィマーナにも今年の11~12月には大いに出産の成功が期待できるかもしれません。このヤクーツク動物園にも注目しておきたいと思います。

ここでコルィマーナとロモノーソフの幼年期の映像を振り返ってみましょう。いずれも以前に一度御紹介している映像です。

野生孤児で保護されたコルィマーナ(2012年4月)

ウスラーダお母さんから旅立つロモノーソフ(2012年12月)

尚、ホッキョクグマの繁殖可能年齢については「ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの歩む道 ~ 再説: 繁殖可能年齢上限」、「北米の過去約100年間の飼育下のホッキョクグマ出産記録が語ること ~ 再び考えるキャンディの今後」及び「ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとメンシコフの不屈の挑戦」という三つの投稿をご参照下さい。

(資料)
Ykt.Ru (Aug.8 2016 - Строительство вольера для белых медведей оценили в 3,5 млн рублей)
YakutiaMedia (Aug.7 2016 - Пристрой вольера для белых медведей в якутском зоопарке соорудят за 3,5 млн рублей)
"ANURSUS:A POPULATION ANALYSIS SYSTEM FOR POLAR BEARS (Ursus maritimus)" (1987)
"Reproductive trends of captive polar bears in North American zoos: a historical analysis" (2015)

(過去関連投稿)
*以下、ヤクーツク動物園のコルィマーナ関連)
ロシア極北・サハ共和国(ヤクーチア)のコルィマ湾でホッキョクグマの赤ちゃんが保護される
ロシア極北・サハ共和国(ヤクーチア)で保護された孤児の赤ちゃんがヤクーツク動物園へ
ロシア極北・サハ共和国(ヤクーチア)で保護された孤児の赤ちゃんが無事にヤクーツク動物園に到着
ロシア極北・サハ共和国で保護された孤児の赤ちゃん、「コルィマーナ」と命名される
ロシア極北・サハ共和国のヤクーツク動物園で保護されているコルィマーナが一般公開となる
ロシア極北・ヤクーツク動物園のコルィマーナのパートナーはレニングラード動物園のロモノーソフに決定か?
ロシア極北・サハ共和国のヤクーツク動物園に到来した夏 ~ コルィマーナの近況
ロシア極北・ヤクーツク動物園のコルィマーナが11月に新飼育展示場へ移動
ロシア極北・ヤクーツク動物園のコルィマーナに地元航空会社のヤクーチヤ航空より支援の手
(*以下、ロモノーソフ関連)
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園でウスラーダが15頭目の赤ちゃんを出産!
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園で赤ちゃんの初登場の日が迫る
ウスラーダの赤ちゃんの登場を待つサンクトペテルブルクのレニングラード動物園
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園でウスラーダの15番目の赤ちゃんが遂に一般初公開!
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの15番目の赤ちゃんの近況
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの赤ちゃんの名前がロモノーソフに決まる
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の赤ちゃんの最近の様子 ~ 新動物園建設計画が発表
ロシア極北・ヤクーツク動物園のコルィマーナのパートナーはレニングラード動物園のロモノーソフに決定か? 
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの15番目の子供、ロモノーソフの近況
秋晴れのサンクトペテルブルクでウスラーダ一家と再会 ~ ロモノーソフ君、はじめまして!
ウスラーダの15番目の子供、ロモノーソフの素顔 ~ 一人っ子の温和な性格か?
ウスラーダお母さん、堂々たる貫禄を見せつける理知的な母性の発露
夕方から満を持して登場のウスラーダとロモノーソフの親子
ウスラーダさん、メンシコフさん、ロモノーソフ君、お元気で! ~ ホッキョクグマ体験の至福の3日間
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のロモノーソフの旅立ち間近を同動物園が告知
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のロモノーソフのヤクーツク動物園への移動が決定
息子との間近の別れを予感しているウスラーダお母さん ~ 冬の日のサンクトペテルブルクの親子の情景
ロモノーソフとウスラーダお母さんの親子最後の一日 ~ サンクトペテルブルクでの別れ
ロモノーソフ、無事にヤクーツク動物園に到着 ~ そして息子の去った日のウスラーダお母さんの姿
ロシア・北東部、サハ共和国のヤクーツク動物園に移動したロモノーソフの近況
(*以下、ヤクーツク動物園でのコルィマーナとロモノーソフの同居関連)
ロシア・シベリア北東部のヤクーツク動物園でコルィマーナとロモノーソフの新飼育展示場が完成
ロシア・シベリア北東部、ヤクーツク動物園の新飼育展示場でのコルィマーナとロモノーソフの同居の様子
ロシア・シベリア北東部、ヤクーツク動物園でのコルィマーナとロモノーソフの順調な成長
ロシア・シベリア北東部、ヤクーツク動物園でのコルィマーナとロモノーソフの「国際ホッキョクグマの日」
ロシア北東部、サハ共和国・ヤクーツク動物園のコルィマーナとロモノーソフに企業が魚のプレゼント
ロシア北東部サハ共和国・ヤクーツク動物園のコルィマーナとロモノーソフの冬の日 ~ 雪を楽しむ若いペア
ロシア北東部・ヤクーツク動物園のコルィマーナとロモノーソフの将来の繁殖に期待する地元の人々
ロシア北東部・ヤクーツク動物園で最年少の繁殖成功に挑んだ昨年のコルィマーナとロモノーソフの若いペア
(*以下、繁殖年来、同居関連)
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの歩む道 ~ 再説: 繁殖可能年齢上限
北米の過去約100年間の飼育下のホッキョクグマ出産記録が語ること ~ 再び考えるキャンディの今後
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(1) ~ 雄雌の同居は繁殖行動期に限定すべき?
by polarbearmaniac | 2016-08-17 12:30 | Polarbearology

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