街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・オスナブリュック動物園のハイブリッドのティプスとタプスに司教が神の祝福を祈る

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ティプスとタプス Photo(C)dpa

動物と宗教との関係については非常に難しいテーマになります。シンボルとしての存在ということでしたらキリスト教と魚とか、忌避すべきものの存在としてならイスラム教と豚とかいった関係が思い浮かびます。キリスト教を考えてみた場合、そもそもホッキョクグマという種は聖書には登場しない動物です。聖書(つまりこのテーマでは事実上は旧約聖書を意味しますが)に登場する動物たちについては "List of animals in the Bible" というページをご暗唱下さい。しかし一応、"Bear" ということで理解することにすれば、その存在が近年の地球環境の保全への取り組みに宗教的な観点からどう繋がっていくのかという切り口が存在するわけですが、それを研究するにはやはりかなりの時間を要するでしょう。しかし今回ご紹介する例は現代における動物の問題と宗教とを結ぶ新たな認識の存在の具体的な例を示している点で興味深い話です。

ドイツのニーダーザクセン州の都市であるオスナブリュックの動物園に暮らすハイブリッド (Polar Bear/Brown Bear Hybrid) であるティプスとタプスについては以前、「ホッキョクグマの雑種(Ursid hybrid)を考える(1) ~ ドイツ・オスナブリュック動物園のティプスとタプス」という投稿のなかで述べたことがありました。木曜日の25日にオスナブリュック近郊のカトリック系の4つの小学校から合計800名の子供たちが参加したオスナブリュック動物園での礼拝("Gottesdienst")行事において「聖書における動物たち("Tiere in der Bibel")」というテーマで話をしたオスナブリュック教区のフランツ・ヨーゼフ・ボーデ司教は、動物たち全ては神の創造物であり、そういたものを守っていかねばならないといった話に続けて種の多様性と環境の維持の重要性について語り、全ての動物たちを代表してこのハイブリッドである二頭のティプスとタプスに聖水をかけて神の祝福を祈ったということだそうです。ニュース映像をご紹介しておきます。



このボーデ司教というのはカトリック教会でも「改革派」と見なされている方のようです。そういったことがどれだけ関係しているのかはわかりませんが動物園で動物たちに祝福を祈ったいうシーンというのを私は初めて見ました。一方でプロテスタント教会ではこういった「儀式性」を伴った行事が動物園において行われるということは想像しにくいように思います。

さて、このハイブリッドであるティプスとタプスの映像をさらに一つご紹介しておきます。



(資料)
katholisch.de (Aug.25 2016 - Bischof Bode segnet Bären)
Norddeutscher Rundfunk (Aug.25 2016 - Bischof Bode segnet Hybridbären im Zoo Osnabrück)
Sat.1 Regional (Aug.25 2016 - Bischof segnet Tiere beim Aktionstag im Zoo Osnabrück)
Neue Osnabrücker Zeitung (Aug.25 2016 - Bischof Bode segnet Osnabrücker Cappuccino-Bären)
n-tv (Jun.15 2015 - Cappuccino-Bären werfen Fragen auf)

(過去関連投稿)
ホッキョクグマの雑種(Ursid hybrid)を考える(1) ~ ドイツ・オスナブリュック動物園のティプスとタプス
ホッキョクグマの雑種(Ursid hybrid)を考える(2) ~ セルビア ・ ベオグラード動物園を覆う深い謎
ホッキョクグマの雑種(Ursid hybrid)を考える(3) ~ 自然界におけるホッキョクグマのハイブリッド
大連の「異形」の赤ちゃんは 「ホッキョクグマの毛皮をまとったヒグマの赤ちゃん」 だった!
セルビア・ベオグラード動物園のホッキョクグマのハイブリッド個体(Ursid hybrid)は何故出現したのか?
セルビア・ベオグラード動物園のハイブリッドの正体 ~ “Polar Bear/Kodiak Bear Hybrid”
セルビア・ベオグラード動物園と中国・広州市の正佳極地海洋世界を結んだ「暗黒の闇」の連鎖の世界
by polarbearmaniac | 2016-08-27 01:30 | Polarbearology

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