街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

ロシアと日本のファンとの心の交流 ~ ホッキョクグマを介して国際交流に新たな地平線を切り開く

a0151913_2313943.jpg
シルカ (Белый медвежонок Шилка/Shilka the Polar Bear)
(2014年9月12日撮影 於 ロシア・ノヴォシビルスク動物園) 

ロシア・西シベリアの大都市ノヴォシビルスクの動物園は日本のホッキョクグマファンにとっては非常に親しみを感じる動物園になったように思います。なんといってもこの動物園で2013年12月に生まれたシルカが来日したという事情は大きいのですが、このシルカがまだノヴォシビルスク動物園でゲルダお母さんと暮らしていた時期からライブカメラでのネットの映像配信が行われ、そして日本からの非常に多くのアクセスがあったという素地があったからだと思います。
a0151913_1571038.jpg
ゲルダとシルカ (Белая медведица Герда и Шилка)
(2014年9月13日撮影 於 ロシア・ノヴォシビルスク動物園)

そしてシルカの来日後はノヴォシビルスクのホッキョクグマファンの方々と関西を中心としたファンの方々との間でSNS上で写真や動画の開示によって交流が深まっています。非常に単純なことでシルカの動画(あるいは自身のブログ上の写真)のタイトルのどこかに"Shilka" 又は "Шилка" と入れるだけで十分に国際交流を果たすことができるということなのです。こうしたことの小さな積み上げこそが重要なことなのです。こういった形での海外との交流はかつてなかったことではないでしょうか。ノヴォシビルスクのホッキョクグマファンの方々は大阪のシルカだけではなくバフィンとモモにも多くの愛情を注がれ、それだけではなく日本の動物園の他のホッキョクグマたち対しても多くの興味を持つようになられたようです。そしてそういったことの他にも自国の動物園の偉大なホッキョクグマであるアンデルマ、ウスラーダ、シモーナなど多くの素晴らしいホッキョクグマたちの存在を再認識するようになったと私は考えています。そしてシルカこそがそういった偉大なロシアのホッキョクグマたちの系譜に真直ぐに繋がる、心の琴線に触れる実に深みのあるホッキョクグマだということです。
a0151913_1502658.jpg
ゲルダとシルカ (Белая медведица Герда и Шилка)
(2014年9月12日撮影 於 ロシア・ノヴォシビルスク動物園)

さて、話を少し戻しますが、幸いなことにそういった日本のファンが交流の相手としたのはロシアという国家ではなくロシア人という個人の方々だったということです。ロシアという国は実に手強い国なのです。過去の北方領土交渉の経緯など見れば明らかです。日本という国家はロシアという国家を相手に交渉しているわけですが辛酸をなめつづけているわけです。しかし個人としてのロシア人は非常に暖かく善良な人々が多いわけで、数は多くないにしても民間のレベルではロシアの人々との国際交流というのはいくつかの分野では今までも存在してきたわけですが、ホッキョクグマを介しての交流というのは初めてでしょう。どの国にも国家としての顔と国民一人一人の顔が異なるというという乖離は多かれ少なかれ存在するわけですが、ロシアほどその乖離が大きな国というのは他には存在しないでしょう。非常に大袈裟な言い方になるかもしれませんが、ホッキョクグマという種の存在は日本とロシアとの間の国際交流に新たな地平線を切り開いだのだと私は思っています。そしてそれは実に貴重な成果であると言えるのです。
a0151913_1422635.jpg
シルカ (Белый медвежонок Шилка/Shilka the Polar Bear)
(2014年9月11日撮影 於 ロシア・ノヴォシビルスク動物園)

さて、ノヴォシビルスク動物園では創立69年という記念の催し者として馬のコンテテスト(「美馬コンテスト」とでもいいましょうか)と動物写真コンテストを行いました。その様子を報じる地元TVのニュース映像をご紹介しておきます。ゲルダとロスチクも登場しています。



仮にゲルダの第一子のシルカが雄(オス)だったとしたら札幌(ノヴォシビルスクの重要な姉妹都市ですが)へという可能性がなかったわけではないと思います。そうなっていた場合、また違った展開になったでしょう。札幌のファンの方々というのはホッキョクグマに対して関西とはかなり異なる感覚の思い入れを持っていると思います。あそこにはララという、それこそ圧倒的な存在であるホッキョクグマがいるわけで、こういった場合にはノヴォシビルスクから来た雄の個体をララの子供たちからなるララファミリーのなかに取り込むという感覚で接するでしょうから、ロシアのファンの方々との交流の方向には必ずしも関心は向かなかったかもしれません。
a0151913_212310.jpg
シルカ (Белый медвежонок Шилка/Shilka the Polar Bear)
(2014年9月12日撮影 於 ロシア・ノヴォシビルスク動物園)

日本という国家とロシアという国家の関係はこれからも容易にうまくはいかないかもしれませんが、日本とロシアとの間の人と人との交流はもっとなされるべきでしょう。

(資料)
Новосибирские новости (Aug.29 2016 - В Новосибирском зоопарке выбрали самую изящную лошадь)

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとシルカの母娘が本日突然永遠の別れ ~ ゲルダお母さんの動揺
ロシア・ノヴォシビルスク動物園で別離したゲルダお母さんと娘のシルカの近況 ~ 母娘共に依然として動揺
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のゲルダとシルカの母娘をめぐってシロ園長の発言
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で母親と別離したシルカの奇妙な常同行動への同園の解釈
ロシア、ノヴォシビルスク動物園でクラーシン(カイ)とゲルダの再会、同居開始の光景に割れる市民の意見
ロシア、ノヴォシビルスク動物園のシルカの今春来日が決定的! ~ 日本の動物園との契約の締結が完了
ロシア、ノヴォシビルスク動物園のシルカは3月に来日の模様 ~ 地元のファンのシルカへの熱い想い
ロシア、ノヴォシビルスク動物園がシルカの出発情報に職員に固い緘口令を敷く ~ 約一か月半後に来日
ロシア、ノヴォシビルスク動物園の 「国際ホッキョクグマの日」 のゲルダ、クラーシン、そしてシルカの姿
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカが大阪・天王寺動物園へ! ~ 「ロシア血統の闇」の深淵を覗く
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカ (Шилка Красиновна) の偉大で華麗な血族たち
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの移動日程を知らされぬ現地ファン ~ 送り出す側の方々の心境
ロシアのコムソモリスカヤ・プラウダ紙がノヴォシビルスク動物園のシルカの移動日程、移動先を報じる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカがノヴォシビルスクを出発し空路モスクワへ ~ 日本への旅立ち
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの出発に感じた後味の悪さ ~ 大阪市発表を知らなかったロシア側
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカが無事日本に到着 ~ 天王寺動物園にライブカメラ設置を要請の意向
大阪・天王寺動物園のシルカの一般公開が開始 ~ 「園付き個体(Polar Bears in residence)」の意義
ロシアのノヴォシビルスク市長が日本の原田駐露大使に大阪・天王寺動物園のシルカへの配慮を要請
大阪・天王寺動物園のシルカの近況とノヴォシビルスク動物園のシロ園長の発言を報じるロシアのTV映像
大阪・天王寺動物園のシルカ(Шилка)がマザーケア(Mothercare)社の子供衣料品で再び世界へ
シルカ(ノヴォシビルスク動物園)の2014年3,4月の成長を映像で追う ~ 親子関係変質の萌芽を探る
シルカ(ノヴォシビルスク動物園)の2014年5,6,7月の成長を映像で追う ~ 一筋縄ではいかぬ親子関係
シルカ(Шилка)、その成長の軌跡 ~ 来園者の心の中に「物語」を作り出す稀有のホッキョクグマ
Исполнения всех желаний! С днём рождения, Шилка!
by polarbearmaniac | 2016-08-31 02:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア・シベリア中部、クラス..
at 2017-10-18 00:30
ベルリン動物公園がトーニャの..
at 2017-10-17 20:00
オーストラリア・ゴールドコー..
at 2017-10-17 00:30
モスクワ動物園 ヴォロコラム..
at 2017-10-16 18:00
オランダ・エメン動物園で成功..
at 2017-10-15 18:00
ロシア極東・ハバロフスク動物..
at 2017-10-14 22:00
ロシア・ロストフ動物園のコメ..
at 2017-10-13 20:00
モスクワ動物園 ヴォロコラム..
at 2017-10-12 18:57
アメリカ・ソルトレイクシティ..
at 2017-10-11 14:00
オランダ・レネン、アウヴェハ..
at 2017-10-11 01:30

以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag