街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

アメリカ・コロンバス動物園のノーラの同園での展示最終日に多くの来園者がノーラとの別れを惜しむ

a0151913_9542270.jpg
アメリカ・オハイオ州のコロンバス動物園 (Columbus Zoo and Aquarium) で昨年2015年の11月6日に誕生し人工哺育で育てられ、ちょうど生後10ヶ月になったばかりの雌のノーラ (Nora) がオレゴン州ポートランドのオレゴン動物園に移動することになった件、及びその背景については「アメリカ・コロンバス動物園のノーラがポートランドのオレゴン動物園へ ~ その背景を読み解く」及び「アメリカ・コロンバス動物園、「遅咲き」の28歳の雄のナヌークに最後の栄光は輝くか?」という二つの投稿でご紹介していました。そのノーラが昨日9月5日にコロンバス動物園での展示の最後の一日を迎え、多くの来園者が彼女との別れを惜しみました。その5日早朝の地元のTVニュース映像を御紹介しておきます。レポーターの方がコロンバス動物園での二頭のホッキョクグマの出産準備のためにノーラが移動するという内容を語っています。



そして昨日9日、ノーラのコロンバス動物園での最後の展示日の様子を来園者のインタビューを交えて地元TV局がニュースにしていますので下にご覧いただきたく思います。(冒頭にCMが入る場合があります。)





地元紙の報道によれば週末だけで一万五千人もの人々がノーラとの別れのためにやってきたそうです。このノーラを人工哺育する過程で24時間体制でケアを行った5人の担当者は、やはりノーラとの別れを非常に悲しんでいることも報じられています。ノーラの具体的な移動日については安全上の都合で明らかにはしないそうですがオレゴン動物園到着後に一ヶ月の検疫期間がり、その後のノーラの一般公開開始が10月中~下旬が予定されていると報じられていることから、ノーラのコロンバス動物園からの出発は9月中旬頃ではないかとも考えられます。オレゴン動物園ではあの31歳のタサルとの同居が試みられるようで、タサルにはノーラの「祖母役」としての役割も期待されているそうです。以下に先月8月末のノーラの姿を二つ、映像でご紹介しておきます。





私にはどうも今回のノーラの移動には胸になにかがひっかかるものを感じてしょうがありません。コロンバス動物園の担当スタッフも表面的にはノーラの移動の必要性を語るわけですが、やはり当初よりノーラの現時点での移動についてその可能性が現実化すると十分に予想していなかったという気持ちが、いたるところに姿を現せているように見えます。人工哺育されたノーラに今のうちからもっと「適応化(socialization)」が必要なのだという考えも当然理解はできるのですが、その場合はオレゴン動物園のタサルよりももっと年齢的に若くて適当な相手がいるはずです。しかもオレゴン動物園では新飼育展示場の建設計画が開始された段階であり、その2019年の完成までタサルとノーラに十分な環境を整備してやれるかも疑問が残るわけです。しかもタサルは高齢なのです。

ともかく、ノーラの無事の移動とオレゴン動物園での活躍を祈りたいと思います。

(*追記)その後、コロンバス動物園から追加の公式映像が発表されました。いつもながら実にセンスのある映像です。



(資料)
Columbus Dispatch (Sep.5 2016 - Nora's farewell draws thousands to Columbus Zoo)
10TV (Sep.5 2016 - A Look Back: Nora the polar bear says goodbye to Columbus)
NBC4i.com (Sep.5 2016 - Today is your last chance to see Nora at the Columbus Zoo)
abc6 (Sep.5 2016 - Thousands show up at Columbus Zoo to see Nora one last time) (Nora's last day)

(過去関連投稿)
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ オーロラが待望の出産
アメリカ・コンロバス動物園のオーロラお母さん、赤ちゃんの育児を突然止める ~ 人工哺育へ
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後25日となる
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後5週間が無事に経過
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後7週間が無事に経過
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園で人工哺育の赤ちゃんの成長と舞台裏を紹介した映像が公開
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園で人工哺育の雌の赤ちゃんの名前選考の投票が開始
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんが生後89日を無事経過
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんの名前が "ノーラ (Nora)" に決まる
アメリカ・コロンバス動物園、ノーラの「国際ホッキョクグマの日」 ~ 一般公開開始に慎重な同園
アメリカ・コロンバス動物園の人工哺育の赤ちゃん、ノーラの近況 ~ 「適応化」を意識した飼育プログラム
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんノーラが遂に一般公開となる
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の人工哺育の赤ちゃん、ノーラが生後半年となる
アメリカ・コロンバス動物園のノーラの展示時間延長に慎重な同園 ~ 父親ナヌークへの期待と配慮が理由か
アメリカ・コロンバス動物園のノーラの「出漁」
アメリカ・コロンバス動物園のノーラ、発疹の症状から回復 ~ ホッキョクグマファンには世界は狭い
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園のノーラが国務省の「北極地域特別代表」の訪問を受ける
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園のノーラが生後九ヶ月となる ~ "An independent bear"
アメリカ・コロンバス動物園のノーラがポートランドのオレゴン動物園へ ~ その背景を読み解く
アメリカ・コロンバス動物園、「遅咲き」の28歳の雄のナヌークに最後の栄光は輝くか?
by polarbearmaniac | 2016-09-06 11:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

フランス・アルザス地方、ミュ..
at 2017-10-23 00:30
ロシア・ペンザ動物園のベルィ..
at 2017-10-22 00:30
アメリカ・シカゴ、リンカーン..
at 2017-10-21 13:30
ロシア・ペルミ動物園のミルカ..
at 2017-10-20 19:30
ロシア東北端・チュクチ半島の..
at 2017-10-19 20:00
いよいよ今年2017年のホッ..
at 2017-10-19 01:00
ドイツ・ロストック動物園が来..
at 2017-10-18 18:30
ロシア・シベリア中部、クラス..
at 2017-10-18 00:30
ベルリン動物公園がトーニャの..
at 2017-10-17 20:00
オーストラリア・ゴールドコー..
at 2017-10-17 00:30

以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag