街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア極東・沿海州 ハバロフスク動物園のイョシ(Ёши) が亡くなる ~ 痛恨の死

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イョシ (Белый медведь Ёши)
(2015年9月26日撮影 於 ロシア、ロストフ・ナ・ドヌ動物園)

ロシア極東・沿海州の都市であるハバロフスクの地元メディアが報じるところによりますと、ハバロフスク動物園(正式には「シソーエフ記念・プリアムールスキー動物園」 - Зоосад Приамурский имени В.П. Сысоева)で飼育されていた推定14歳の雄のホッキョクグマのイョシ(Ёши)が8月25日に亡くなっていたことを同園が明らかにしたとのことです。このイョシは今年の2月にロストフ動物園からこのハバロフスク動物園に移動してきたわけで一般公開後の元気な姿をいくつかの映像で見ることができます。しかしここのところ飼育展示場には全く姿を見せておらず彼に会うことを楽しみにして動物園にやってきた来園者は入園時に何度も飼育展示場に足を運んだものの結局は彼の姿を見ることはできずに、出口のところで「イョシはどこにいるのですか?」と尋ねたところ「寝ているだけです。」という答えしか係員からはなかったそうです。そういった状況のなかでマスコミの取材に対して同園はようやく本日になってイョシの死亡の事実を明らかにしました。イョシには膵臓に問題があったということのようですが、その死因調査の最終的な報告書が外部の検査機関によって今週の木曜日に明らかにされるとも報じられています。どうも彼の死因には不可解なことがあることを臭わせる状況がある模様です。
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イョシ (Белый медведь Ёши)
(2015年9月26日撮影 於 ロシア、ロストフ・ナ・ドヌ動物園)

イョシは彼が死亡した日の8月25日の朝の給餌の時間には元気だったことが確認されているそうですが、その後にどうなったのかについて同園は全く情報を明らかにしていません。おそらく今週の木曜日のイョシの検死報告書の入手のあとで彼の死について発表する予定だったのかもしれませんが、このハバロフスク動物園にはホッキョクグマ目当ての来園者も多く、彼の不在について不審に思ったファンが多かったことからマスコミがその原因の取材を始めたために同園ではイョシの死亡の事実を隠しきれなくなったものと思われます。地元TV局の二つのニュース映像、及び昨年9月に私が彼にロストフ動物園で会ったときの映像を下にご紹介しておきます。





ロストフ動物園でのイョシ - Yoshi the polar bear (Белый медведь Ёши) walks around at the exhibit of Rostov-on-Don Zoo, Russia

このハバロフスク動物園で今回のイョシが来園する前に暮らしていたゴシというホッキョクグマがいたのですが、以前に彼に対して勝手にエサやりを行った来園者がゴシに噛みつかれて指を失ったという事件がありました(「ロシア極東、ハバロフスク動物園のゴシ、身勝手な来園者の指を噛み切る! ~ 後を絶たぬ来園者の規則違反 」)。それから最近さらに別の動物も来園者のエサやりが原因で亡くなったものがあったそうで、ハバロフスク動物園としては今回のイョシの死について非常に慎重に死因を調査しているようです。
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イョシ Photo(C)Вячеслав Реутов/"Восток-Медиа"

このイョシは昨年9月末に私はロストフ動物園で会ったわけですが、その彼が極東の動物園に移動したため随分と身近にその存在を意識するようになり近日中に彼に再会する予定だったのですが、それが果たせなくなってしまいました。しかし少なくとも彼のロストフ動物園での写真や映像をいくつもこのブログにアップすることができただけでも幸いだったのかもしれません。彼のようなサーカス出身の無名のホッキョクグマはとりわけ大事にしてやらなければならないのです。その存在をネットで広く伝えてやる必要があるのです。
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イョシ (Белый медведь Ёши)
(2015年9月26日撮影 於 ロシア、ロストフ・ナ・ドヌ動物園)

彼は幼年・若年期には「シャーピタ(московский цирк «Шапито»)」というモスクワのサーカス団に属していたわけですが、サーカスの訓練・演技には不適応の烙印を押されレニングラード動物園に預けられ、そしてひどい飼育環境におかれた彼は同園からは厄介払いでもあるかのようにロストフ動物園に移動させられたわけです。そのロストフ動物園が彼の安住の地であるように思われたのですが、今年の2月にハバロフスク動物園に移動してきたのはハバロフスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場が大改装され、そこで繁殖を担うホッキョクグマが必要であったという理由からだったのでした。しかしこのイョシは野生出身であったにもかかわらず、とうとうパートナーを得ることなく彼方へ旅立ってしまったわけです。実に理不尽であり、私は彼に深い同情の念を感じます。

謹んでイョシの死に哀悼の意を捧げます。

(資料)
Новости Хабаровска на dvnovosti.ru (Sep.6 2016 - Белый медведь Ёши умер в зоосаде «Приамурский»)
РИА "Восток-Медиа" (Sep.6 2016 - В хабаровском зоосаде скончался белый медведь Ёши)
Губерния (www.gubernia.com) (Sep.6 2016 - Белый медведь Ёши умер в зоосаде под Хабаровском)
AmurMedia.ru (Sep.6 2016 - Любимец публики умер в хабаровском зоосаде "Приамурский")
(*追加資料)
Комсомольская правда в Ростове-на-Дону (Sep.6 2016 - В Приамурском зоосаде не уберегли белого медведя Ёши, подаренного Ростовским зоопарком)
Новости Ростова-на-Дону (Sep.6 2016 - Любимец ростовчан, белый медведь Ёши, умер в зоосаде Хабаровска)
Блокнот Ростов-на-Дону (Sep.6 2016 - Любимый ростовчанами белый медведь Ёши умер в зоопарке Хабаровска)

(過去関連投稿)
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のイョシ、ロストフ動物園に引き取られる
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ロシア極東・沿海州 ハバロフスク動物園のイョシの近況 ~ ロシア入国ヴィザ免除の方向へ
(*2015年9月 ロストフ・ナ・ドヌ動物園訪問記 - イョシ関連)
ロストフ動物園へ ~ サーカス出身のホッキョクグマ、イョシ(Ёши)との5年ぶりの再会
イョシ(Белый медведь Ёши) 、素顔とその性格
by polarbearmaniac | 2016-09-06 13:00 | Polarbearology

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