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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園のザバーヴァとバルーの幼年ペアの近況

ロシア・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園のザバーヴァとバルーの幼年ペアの近況_a0151913_1956307.jpg
ザバーヴァとバルー Photo(C)Зоопарк Удмуртии

ロシア連邦ウドムルト共和国のイジェフスク動物園(正式にはウドムルト動物園 - Зоопарк Удмуртии)といえば開園してから僅か8年しか経っていないにもかかわらずホッキョクグマの関してはロシア国内での重要な繁殖基地としての地位を確立していると言って過言ではりません。11歳の雌のドゥムカと10歳の雄のノルドというペアはすでに2回の繁殖に成功しており、さらに現在共に2歳である雌のザバーヴァと野生孤児だった雄のバルーという二頭は将来の繁殖が大いに期待されているわけです。ザバーヴァとバルーのペアが繁殖可能な年齢となった時にはこのイジェフスク動物園は二組のペアが同時に繁殖を試みるということになり、ホッキョクグマに関してならばモスクワ動物園に肩を並べる動物園となると思われます。
ロシア・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園のザバーヴァとバルーの幼年ペアの近況_a0151913_2318253.jpg
若年個体である雌のザバーヴァが2013年12月にサンクトペテルブルクのレニングラード動物園でウスラーダの16番目の子供として誕生し(つまり仙台のラダゴル/カイ、静岡のピョートル/ロッシーの一番下の妹にあたります)、雄のバルーは野生孤児としてこのイジェフスク動物園で保護・飼育されている個体です。ウスラーダには子供が多く、またウスラーダの娘であるモスクワのシモーナに子供が多いわけで、この血統を薄めるということでザバーヴァが野生出身のバルーとペアになるというのは当然のことなのです。野生出身個体が何頭もいるロシアの動物園は手持ちの駒が豊富であるとも言えましょう。さて、下にこのザバーヴァとバルーの最新の姿を地元TV局のニュース映像で見てみましょう。やはり雄のバルーのほうが力において優勢のようです。



私はこのザバーヴァとバルーのペアの間で将来繁殖に成功した個体ではなく、雌のドゥムカと雄のノルドとの間に誕生する個体ならば日本に導入してもそれほど問題にはならないだろうと思っています。確かにノルドはモスクワのシモーナの息子ですので「アンデルマ/ウスラーダ系」に属するわけですがパートナーのドゥムカが野生出身であるため結果的にノルドとドゥムカとの間に誕生する個体はその「アンデルマ/ウスラーダ系」という血統はかなり薄まっているからです。しかしザバーヴァのほうはウスラーダの娘(つまり年齢的にはノルドよりも遥かに年少であるにもかかわらずノルドの叔母)ですので、そのザバーヴァの娘や息子を日本に導入するのは危険が伴うように思うからです。

このイジェフスクという街はソ連時代には秘密都市であり、その存在自体が一般の地図には載らず隠されていたという不気味な都市だったわけです。何故ならこの街にはカラシニコフ銃の製造工場があったのです。最近までもこの街に旅行するのはやや不便でした。モスクワ(ドモジェドヴォ空港)から一日に四便(曜日によっては三便)のフライトがあるのですが、私がイジェフスクを訪問した二年前は日本から直接予約できたのはルスライン (РусЛайн) という航空会社が運航している一便だけで、残りの三便はイザヴィア (Ижавиа) という航空会社が運航しているのですが、なんと予約がオンライン化されておらず日本から予約しようとすると一度モスクワの代行業者に依頼せねばならず、その手数料が極めて高額だったのです。ところが非常に最近になってこのイザヴィア航空の予約がオンライン化され日本からでも直接ネットで購入することが可能になって非常に便利になりました。イジェフスクに行くにはモスクワからは日本航空が発着しているドモジェドヴォ空港からだけで、アエロフロートの発着するシェレメーチエヴォ空港からではありませんので、行かれる方は注意して下さい。日本航空を利用しますと成田出発後、その日のうちにイジェフスクに到着できます。

(過去関連投稿)
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サンクトペテルブルクからイジェフスクへ ~ ホッキョクグマ巡礼の旅は続く
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by polarbearmaniac | 2016-09-09 22:30 | Polarbearology

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