街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

アメリカ・デトロイト動物園のタンドラが亡くなる ~ インディアナポリス動物園よ、恥を知れ!

a0151913_9174912.jpg
タンドラ Photo(C)Detroit Zoo
(Tundra the Polar bear/Белая медведица Тундра)

昨日9月26日付でアメリカ・ミシガン州のデトロイト動物園が発表したところによりますと、今年の6月にインディアナ州のインディアナポリス動物園から移動してきた29歳の雌のホッキョクグマであるタンドラ(Tundra)が昨日の朝に安楽死という処置にて亡くなったとのことです。

タンドラは一昨日の日曜日の朝に突然、非常に体調が悪くなり獣医さんが診察したものの原因が特定できず、スタッフが夜を徹して彼女に付き添ったものの昨日の月曜日の朝に至るまでに彼女の健康状態は目に見えて悪化の一途をたどり、デトロイト動物園は彼女を安楽死させるという苦渋の決断を行い、タンドラは死亡に至ったということです。尚、彼女の病気の原因を特定させるために検死が行われる予定だそうです。

実に残念の一言に尽きます。タンドラが29歳にもなってインディアナポリス動物園からデトロイト動物園に移動したのはインディアナポリス動物園がホッキョクグマの飼育・展示から撤退するといった方針をとったというのが6月に発表された表向きの理由でした(過去関連投稿を御参照下さい)。タンドラは1986年11月にサンディエゴ動物園に生まれ一歳半の時にインディアナポリス動物園に移動し、それ以来ずっとインディアナポリス動物園で飼育されていたわけですが、29歳にもなって突然こういった理由で彼女はデトロイト動物園への移動を強いられたわけです。要するにインディアナポリス動物園はすでに高齢の域に入っていたタンドラを見捨てたというわけです。実に非情な動物園であると言えましょう。以下は彼女の死を報じるTVニュースです。



こういった年齢のホッキョクグマは慢性か、あるいはゆっくりと進行している病気などを抱えている場合もあるわけで、移動させると一気にそうした病気が顕在化し、そして可視化するケースは今までの例を見ても非常に多いのです。移動した後に数か月から半年して死亡したため解剖してみると腫瘍が原因であったということがよくあります。「彼(or 彼女)の死亡は彼(or 彼女)がすでにXXという病気にかかっていたことが原因であって移動が原因なのではない。」という言い方が一般的に行われるわけですが、高齢の個体については実は隠れていた病気が移動の後の環境の変化で一気に表に出てくるということが多いということが過去の事例を見ていて気が付くのです。今回のタンドラの死はそういった典型的な例の一つだと思います。こういった年齢となって住み慣れた動物園から別の動物園に移動したことが彼女の死を大幅に早めたといって過言ではありません。
a0151913_12222941.jpg
Photo(C)Detroit Zoo

謹んでタンドラの死に哀悼の意を表します。今まで本当にご苦労様でした。

(資料)
Detroit Zoo (facebook/Sep.26 2016)
Detroit Free Press (Sep.26 2016 - Tundra, 29-year-old polar bear, dies at Detroit Zoo)
CBS Local (Sep.26 2016 - Beloved Polar Bear Dies At The Detroit Zoo)
MLive.com (Sep.26 2016 - Elderly polar bear who arrived in June dies at Detroit Zoo)
The Detroit News (Sep.26 2016 - Detroit Zoo: Tundra the polar bear dies at 29)

(過去関連投稿)
アメリカ・インディアナポリス動物園がホッキョクグマ飼育から撤退 ~ 29歳のタンドラはデトロイト動物園へ
アメリカ・デトロイト動物園に移動した29歳のタンドラが元気に飼育展示場に姿を見せる
by polarbearmaniac | 2016-09-27 09:30 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア北東部・サハ共和国、ヤ..
at 2017-03-27 21:00
フランス・ミュルーズ動物園の..
at 2017-03-26 22:00
ハンガリー・ブダペスト動物園..
at 2017-03-25 21:00
ウクライナ・ムィコラーイウ動..
at 2017-03-25 13:00
ロシア北東部・サハ共和国、ヤ..
at 2017-03-24 15:00
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブル..
at 2017-03-23 20:00
男鹿水族館のクルミと豪太のペ..
at 2017-03-22 23:30
ハンガリー・ブダペスト動物園..
at 2017-03-21 20:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2017-03-21 18:00
ロシア・ノヴォシビルスク市の..
at 2017-03-20 19:00

以前の記事

2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin