街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園のアンデルマ、セリク、ユムカ(ミルカ)の近況

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アンデルマとペルミ動物園に導入されたオーディオ・ガイドシステム
Photo(C)«МК в Перми»

ロシアのウラル山脈のほぼ山麓に位置する街であるペルミの動物園に暮らすホッキョクグマたちについては今まで何度も投稿してきました。私が今まで何度もこの街の小さな動物園を訪れているのも、それはこの動物園は日本に暮らす多くのロシア生まれのホッキョクグマたちと切っても切れない関係にあるからです。この動物園で余生を送っている野生出身で年齢が不詳である高齢のアンデルマこそ、そういったロシア出身の日本のホッキョクグマたちのルーツとなっているわけです。彼女と直系で血がつながっている日本のホッキョクグマは、イワン(旭川)、ルトヴィク(ホクト - 姫路)、ゴーゴ(白浜)、ラダゴル(カイ - 仙台)、ピョートル(ロッシー - 静岡)、シルカ(大阪)といったホッキョクグマたちです。

ロシアから日本にやってきたホッキョクグマたちは、それぞれが幼年だった頃に母親と共に屋外に姿を見せ、そして来園者からの歓声を浴びていたわけですが、このペルミ動物園でアンデルマから誕生したルトヴィク(ホクト - 姫路)やゴーゴ(白浜)が母親であったアンデルマと別れて旅立った時には、注意して見ていなければ気が付かないような本当に小さな報道記事だけで報じられただけでした。現地のファンにとっては、いつのまにか姿を消してしまったという気がしていたでしょう。あの大阪のシルカは全く例外だったわけでノヴォシビルスク動物園にはライブカメラの映像があり、そしてマスコミにも大きく報じられ、そしてシルカがゲルダから引き離された後はシルカ残留を求めた署名活動などが行われて大騒ぎになったというわけでした。そういったことの無かった時代のこのペルミ動物園で、ホクトやゴーゴがどう暮らしていたか、そして母親はどういうホッキョクグマであったかを知るためにはペルミ動物園に行かねばならないわけです。日本からもホッキョクグマファンの方でこの動物園に行かれた方を私は3人存じ上げています。全て女性の方です。目的はもちろんアンデルマだったということでしょう。しかしセリクとユムカ(ミルカ)という若いホッキョクグアたちも実に魅力的です。

このペルミという街はいわゆる観光地ではありません。観光地という観点でしたら地方都市ならば世界遺産であるカザン・クレムリンのあるカザンの方がずっとそうだと言えます。ロシアで観光地と言えばやはり筆頭の都市はサンクトペテルブルクでしょう。とはいってもそもそもロシアに出かけていくという日本人の数自体が少ないわけですからサンクトペテルブルクといってもそう多くの日本人の観光客を見かけるわけではありません。ましてやペルミともなれば、街中で日本人を見かけるということはまずありません。ペルミは治安の良い街です。一方でサンクトペテルブルクは必ずしもそうではありません。ただしサンクトぺテルブルク(レニングラード動物園)もモスクワも、動物園のある地域は非常に治安は良いです。

さて、ペルミ動物園では夏期恒例の活魚のプレゼントは9月で終了し、そろそろ別の特別給餌がホッキョクグマたちに行われる時期となっています。現地の方は9月25日の映像を公開していますのでホッキョクグマたちの姿を見てみましょう。まず下の映像ですが、陸の側にいるのはアンデルマです。セリクはもらった肉を咥えて走り回ったり水に入ったりしています。アンデルマもすでに老齢ですが体調は良いようでなによりです。



次は陸に上がっているのはアンデルマとセリク、ずっと水に入っているのはユムカ(ミルカ)です。セリクはスロープのある場所に登ったりしています。



ペルミ動物園には協力会社から提供されたオーディオ・ガイドシステムが導入されたそうで、飼育展示場ではそれぞれの動物たちについての解説を聴いたり読んだりできるそうで、画像もダウンロードできるようになっているそうです。Wifiを利用するのでしょう。本当に小さな動物園なのですが、いろいろな工夫がされているようです。

アンデルマは健在です。喜ばしいことです。

(資料)
59.ru (Sep.14 2016 - Зоопарк приглашает пермяков посмотреть, как едят калао и белые медведи)
МК в Перми (Sep.14 2016 - Амурский тигр – теперь онлайн)
Страна.Ru (Sep.8 2016 - Молодёжь заманивают в зоопарк современными технологиями)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2016-09-29 02:00 | Polarbearology

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