街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園、ウスラーダの存命中は新ペア導入は行わない方針

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ウスラーダ (Белая медведица Услада)
(2015年9月24日撮影 於 レニングラード動物園)

ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園で飼育されていた雄のホッキョクグマであるメンシコフは10月4日に亡くなってしまい、彼のパートナーであったウスラーダと共に過去20年以上にわたって16頭の子供たちを送り出して世界のホッキョクグマ界の頂点に君臨したこの名ペアの時代はこうして終わってしまったわけです。厳密に言えば「ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとメンシコフの不屈の挑戦」という今年の春の投稿でこのペアの繁殖行為が確認されており、そしてレニングラード動物園も現時点で28歳になっているウスラーダの次の出産の可能性も視野に入れていることを明らかにしていましたから仮に今年の年末に彼女の出産があれば、この名ペアの時代は完全には終わっていなかったということになるのかもしれません。そして事実、昨日10月6日のレニングラード動物園におけるウスラーダの様子を映した地元TV局のニュース映像を見ますと、やはりウスラーダは出産準備のための給餌量が増やされていることがわかります。昨日もご紹介したニュース映像ですが、再度ご紹介しておきます。



さて、レニングラード動物園ではこうしてメンシコフが亡くなってしまい、今後のホッキョクグマの飼育・展示をどうするかという方針を明らかにしています。それによりますと、このウスラーダが生きているうちは新しいホッキョクグマ(のペア)の導入は行わないということだそうです。その最後の日までこのウスラーダを一頭で飼育し続けていくということになります。納得のいく選択だと思います。
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ウスラーダ (Белая медведица Услада)
(2015年9月24日撮影 於 レニングラード動物園)

ホッキョクグマが老齢になったからといって別の狭い場所に閉じ込め(同園にはかつて故イョシが閉じ込められた狭い場所があるのですが)、メインの展示場に新しい若いペアを入れて繁殖を狙うなどということは行わないという点で立派な方針だと思います。長年にわたってこのレニングラード動物園の主役として存在し、そして多くの来園者の歓声と賞賛を浴び続けてきたウスラーダに対する敬意と感謝といったものを感じます。レニングラード動物園ならロシア国内からホッキョクグマの新ペアを調達することなどいとも簡単だと思いますが(たとえばイジェフスク動物園からウスラーダの末娘であるザバーヴァと野生孤児のバルーのペアを連れてくるなど)、ウスラーダの生きている間はそれはやらないということです。私たちは安心してサンクトペテルブルクに出かけていき、メンシコフがいないのは寂しいですが、もうすでに「歴史上のホッキョクグマ」という別格の存在になっているウスラーダの姿を可能な限り長く見続けていけるということです。

(資料)
"МИР24" (Oct.6 2016 - В Петербурге умер медведь-долгожитель)
Вечерний Санкт-Петербург (Oct.7 2016 - Зоопарк потерял Меньшикова)
В курсе.ру (Oct.7 2016 - Детеныш пермской медведицы умер в возрасте 27 лет в Петербурге)
Svopi.ru (Oct.6 2016 - В Ленинградском зоопарке скончался белый медведь Меньшиков)
ЛОТ (Oct.6 2016 - Ленинградское поколение 90-х потеряло друга детства)

(過去関連投稿)
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の28歳間近のウスラーダ、その果て無き挑戦
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の28歳のウスラーダ (Услада)、出産ならず
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の最近のウスラーダとメンシコフ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとメンシコフの不屈の挑戦
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のメンシコフ死す! ~ 偉大なる男、去る....
by polarbearmaniac | 2016-10-07 23:30 | Polarbearology

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