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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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周南市・徳山動物園のユキが亡くなる ~ 「永遠の若さ」を抱いて星の彼方へ....

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ユキ (Eisbärin Yuki/Белая медведица Юки)
(2014年11月22日撮影 於 徳山動物園)

山口県・周南市の徳山動物園から発表がありました、同園で飼育されていた雌のホッキョクグマのユキ(推定1984年生まれ)が昨日11月28日20時頃に老衰と思われる理由で亡くなったとのことです。(*追記 - 山口放送のニュースによると、解剖の結果ユキの死因は肝臓にあった腫瘍からの出血による失血死だと報じています。)同園では11月15日よりユキには繰り返しの嘔吐がみられたため展示を中止しましたが以降自力飲水はあるが、採食は一切なく、次第に衰弱進んで投薬・補液等の治療を実施するも11月8日朝時点で横臥状態から回復できない状況になっていたとのことです。同園ではユキの推定年齢を31歳としていますが、これは31歳でも32歳でも、どちらも可能でしょう。
周南市・徳山動物園のユキが亡くなる ~ 「永遠の若さ」を抱いて星の彼方へ...._a0151913_16291036.jpg
ユキ (Eisbärin Yuki/Белая медведица Юки)
(2012年6月30日撮影 於 徳山動物園)

手持無沙汰なユキ - Yuki the Polar bear, waiting for something, at Tokuyama Zoo, Japan on Jul.5 2014)

ユキに氷のお中元 山口・徳山動物園 (2013年 映像 朝日新聞社 )

このユキというホッキョクグマは私の会った印象では、ちょっと抽象的な言い方になりますが、非常にフォーカスのはっきりとして線の強いホッキョクグマであったと思っています。そして性格的にも強さを秘めたホッキョクグマだったと思っています。海外のホッキョクグマの例で言えばロシア・カザン市動物園のマレイシュカに似た印象がありました。このユキは老齢となっても、そういった年齢を重ねるにつれて次第に増していくはずの「威厳」といったものよりも、年齢を重ねることを拒否したような「永遠の若さ」といったものが備わっていた稀有のホッキョクグマだっただろうと思っています。紫式部よりも清少納言がユキには近かったでしょう。(*後記 - こういった方がより正確でしょう、つまり「ユキは『老成』や『成熟』とは良い意味で無縁のホッキョクグマだった」と....。)

ユキの表情の変化 - A variation in Yuki the Polar bear's facial appearance, at Tokuyama Zoo, on Jul.5 2014

先日の「徳山動物園のユキとヨハネスブルグ動物園の故ギービー(札幌生まれのポロのパートナー)は双子姉妹だった!」という投稿でこのユキの出自を徹底的に調査した結果を述べましたが、ユキと双子姉妹であったヨハネスブルク動物園の故ギービーとこのユキは、性格的に正反対だっただろうことは間違いないと思われます。「剛」のユキ、「柔」のギービーということです。カナダで保護された野生孤児の双子姉妹はこうして一方は日本へ、一方は南アフリカへと移送されたわけでした。性格的に正反対であったと思われるユキとギービーでしたが、共に地元の人々に深く愛されたという点では共通しています。
周南市・徳山動物園のユキが亡くなる ~ 「永遠の若さ」を抱いて星の彼方へ...._a0151913_16302430.jpg
ユキ (Eisbärin Yuki/Белая медведица Юки)
(2012年6月30日撮影 於 徳山動物園)

謹んでユキの死に哀悼の意を捧げます。本当に今までありがとうございました。

(資料)
周南市徳山動物園 (Nov.29 2016 - ホッキョクグマ「ユキ」が亡くなりました)
(*追加資料)
山口放送 (Nov.29 2016 - ホッキョクグマのユキが死ぬ)
(前略)"動物園の説明によると、最近は食欲がなく11月15日からは嘔吐を繰り返した為、展示を見合わせていたが、28日になって立ち上がれないほど衰弱、午後8時に死んだという。解剖の結果、死因は肝臓にあった腫瘍からの出血による失血死とみられている。飼育担当の山崎真さんは「寿命を超える年齢まで生きてくれて、本当に長い間お客さんを楽しませてくれたので心から有難うと思う。本来生物の目的は遺伝子を後世に残す事、子どもを残すことができず飼育担当として申し訳ないごめんなさいと強く思う」と話した。" (後略)
産経新聞 (Nov.29 2016 - ホッキョクグマのユキ死ぬ 人間なら80~90歳、山口)
山口新聞 (Nov.30 2016 - ホッキョクグマのユキ死ぬ 徳山動物園)

(過去関連投稿)
徳山動物園のホクト逝く ~ 閉塞状況打開を目指したその功績と意義
現在日本国内最高齢のホッキョクグマはどの個体か? ~ カアチャン、ユキ、ナナの三候補を比較する
阿蘇・カドリー ドミニオンのカアチャン亡くなる ~ 国内最高齢(1983年誕生) が実は真相だった
徳山動物園のユキとヨハネスブルグ動物園の故ギービー(札幌生まれのポロのパートナー)は双子姉妹だった!

(徳山動物園関連)
周南市徳山動物園のユキ、その変わらぬ「永遠の青春」の素顔
美しく年齢を重ねたユキ、その出自の奇妙な謎に迫る ~ カアチャン、ミッキー、謎の死亡個体X を結ぶ線
晩秋の陽光の徳山動物園、ユキの 「オリジナル スマイル」 ~ 「永遠の青春」の笑顔
ユキが身を任せる時間 (詩的、哲学的感興) ~ 動物園の時間を超えて、そして遠い記憶の時間を超えて..
by polarbearmaniac | 2016-11-29 15:30 | Polarbearology

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