街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカとナヌクの誕生会が開催 ~ 国境をまたいだファンの交流

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ジフィルカ(下)とナヌク(上) Photo(C)Николаев Сити

あるホッキョクグマがAという動物園で誕生し、そしてBという動物園に移動した場合でAとBの動物園が存在している国が異なっている場合に、Aの動物園のファンとBの動物園のファンが交流するというケースは私の見たところ世界で二つの例があるだけです。それは「ノヴォシビルスク動物園(ロシア)/天王寺動物園(日本)」と、「ブルノ動物園(チェコ)/ムィコラーイウ動物園(ウクライナ)」という二例です。今回の投稿はこの後者の例です。

チェコのブルノ動物園で2012年11月にコーラから誕生した雄のナヌク、そして2011年11月にモスクワ動物園でシモーナから誕生した雌のジフィルカは共に現在ウクライナのムィコラーイウ動物園で暮らしています。この二頭は一歳年齢が違うのですが共に12月3日に合同の誕生会が開催されました。ナヌクは4歳、ジフィルカは5歳ということになります。チェコ・ブルノのファンはコーラお母さんの産んだコメタとナヌクの双子に今でも想いを寄せ、ウクライナに暮らすナヌクに対してはおもちゃやお菓子などのプレゼントを贈り続けています。ムィコラーイウ動物園のトプチィイ園長はそういったチェコのファンのナヌクに対する愛情を受け止め、機会あるごとに地元ムィコラーイウの子供達を集めてホッキョクグマに対するイベントを行って写真や動画などをネット上にアップし、遠方にいるチェコのファンの願いに応えているわけです。
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チェコのファンからのプレゼント Photo(C)Николаев Сити

今回も上のようなプレゼントがブルノのファンから贈られ、誕生会ではこのおもちゃやお菓子、そしてケーキなどのプレゼントがホッキョクグマたちに与えられました。また、地元ムィコラーイウの子供たちもこの二頭のホッキョクグマに対して思い思いのメッセージを書いて誕生会を祝ったわけでした。
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ナヌク(左)とジフィルカ(右)Photo(C)Николаев Сити
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Photo(C)Николаев Сити

チェコ・ブルノ動物園生まれのナヌクは双子の誕生し、そのもう一頭は雌のコメタで現在はロシアのロストフ動物園で飼育されています。ところがロストフ動物園はコメタについて多くの情報を発信するというわけでもなく、またロストフの地元ファンも熱心なホッキョクグマファンという方々はあまりいないようです。そういたことからブルノのファンは非常に不満を漏らしており、コメタの情報が欲しいとブルノ動物園に話を持っていくわけです。ブルノ動物園としても一応はロストフ動物園に依頼を行い、そういったときは少ないながらもコメタの写真などがロストフ動物園によってネット上にアップされたりはするものの、ブルノのファンとロストフの動物園担当者やファンなどとの交流は非常に少ない、あるいはほとんどないというのが現状です。ブルノのファンにしてみれば非常に残念なことでしょう。実は本ブログにもブルノのファンの方々何名かからはアクセスがあるのですが、ロストフ動物園のコメタについても私があれこれとメディアの記事やら映像を見つけ出してご紹介してきたためでしょう。ドイツには非常に多くのホッキョウグマファンの方々がいらしゃいますが、ロシアやウクライナまで行かれるという方はほとんどおらず、まだそういった地域の情報も紹介されることは稀なのです。私が昨年ロストフ動物園を二日間訪問した時にはコメタの写真やら映像を期待していたブルノのファンの方々がいらっしゃったようですが、私はコメタには会えませんでしたのでブルノのファンの方々には大きな失望を与えてしまったようで申し訳なく思っています。

チェコとロシアは同じスラヴ系の国なのですが、意外に言語は通じません。チェコ語とロシア語(あるいはウクライナ語)は使用する文字が異なることもあり、互いに馴染みはあまりないようですし、情報のやり取りも意外なほど少ないようです。それから、やはり同じスラヴ系でもチェコとポーランドは全く異質な国ですし、これまた情報のやりとりも少ないようです。同じスラヴ系でも親和性があるのは、ロシアとセルビア、ポーランドとウクライナといったところでしょう。

A国のa動物園で生まれた個体がB国のb動物園に移動したためにaとbのファンが交流するようになるということは想定外のことでしょう。ひょっとしたらホッキョクグマに限った話かもしれません。

(資料)
Николаев Сити - новости николаева (Dec.5 2016 - Сотрудники Николаевского зоопарка устроили праздник для белых медведей: Нануку исполнилось 4 года)
Николаевский центр журналистских расследований (Dec.3 2016 - В Николаевском зоопарке отмечают день рождения белого медведя)
Новостной Николаев (Dec.6 2016 - Как медведи Нанук и Зефирка в Николаевском зоопарке гостей принимали) (Dec.6 2016 - Белым медведям Николаевского зоопарка понравились подарки)

(過去関連投稿)
(ジフィルカ関連)
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(ナヌク関連)
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(*ナヌクとジフィルカ関係)
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ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカとナヌクの背負わされた不幸 ~ "It should have been..."
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by polarbearmaniac | 2016-12-07 03:00 | Polarbearology

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