街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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日本のホッキョクグマ界で赤ちゃん誕生はあるか? ~ 想定し得るクルミの屋外出産の可能性



欧州と北米の動物園で赤ちゃん誕生のニュースが続いていますが今年はややペースが早いようです。11月29日というデータ上の出産日の中間点をすでに通過していますが、前半戦に集中した欧米の動物園の赤ちゃん誕生のあと、問題は後半戦です。そこで期待されているのは日本の動物園なのですが、すでに一つの動物園で赤ちゃん誕生があったと想定しても不思議ではありません。しかし繁殖に関しては、「出産+育児・成育」がセットになって初めて成功したと言えるわけで、出産だけならば私は日本では複数頭があってもおかしくはないと思っています。しかしそうした中で「出産+育児・成育」をセットにした場合、最も可能性があるのは男鹿水族館のクルミ(1996年12月26日生まれ)でしょう。何故なら彼女はすでにミルクを誕生させた実績があるからです。

男鹿水族館は最近のクルミの様子をSNSで発信していますが、産室も含めて室内外の出入りに制限はないようです。こういった写真の様子を見ると一般的にはただちに出産があるような状態ではないようにも見えますが、しかしこれはクルミの性格といったものが大きく作用してこのような行動をとっているのだという理解も十分可能です。最近のクルミの様子から彼女には出産はないだろうと現時点で判断するのは早計でしょう。思い切って予想してみれば、仮にクルミが出産するとすれば室外でしょう。問題はその後です。生まれた赤ちゃんを咥えて産室に戻るかどうかというところがポイントのような気がします。たとえば以下の映像は屋外での出産例です。これは2015年11月にチェコのブルノ動物園でコーラが娘のノリアを屋外で出産したシーンですが、その後に生まれた赤ちゃんを咥えて産室に戻っているのです。



札幌のララも、屋外ではありませんが産室外で出産し、そして赤ちゃんを咥えて産室に戻るということをやっていますし、デンマークのオールボー動物園でもかつてヴィクトリアが2008年の12月にミラクを出産した時も屋外でした。そういったことから、私は現在のクルミの様子から彼女には今年は出産はないとは考えていません。彼女のこうした様子は出産の有無とは無関係だろうと思っています。出産するかもしれないし、しないかもしれないといった感じです。

クルミ以外の雌たちについては何とも言えません。静岡のヴァニラは出産の可能性は確かにありますが、問題はそれ以降のような気がします。ヴァニラはトロント動物園の「オーロラ型」の雌ではないでしょうか。あと期待したいのは姫路のユキと仙台のポーラという姉妹です。彼女たちは双子姉妹ではありませんから「神話」の効果はないかもしれませんが、彼女たちのパートナーはいずれも繁殖能力には定評のある「アンデルマ/ウスラーダ系」の雄たちです。その意味では旭川のイワンもそうです。

要するに「成るようにしかならない」といった感じでしょう。あくせく考えてもしょうがありません。
by polarbearmaniac | 2016-12-06 20:30 | Polarbearology

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