街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・カザン市動物園のマレイシュカの近況 ~ 再び母としての姿を見せるチャンスはあるか?

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マレイシュカ (Белая медведица Малышка)
Photo(C)АиФ/Руслан Ишмухаметов

ロシア連邦・タタールスタン共和国の首都であるカザンの動物園に現在一頭で暮らしているのがロシアの偉大なる母である21歳のマレイシュカです。彼女は1995年11月26日にこのカザン市動物園(Казанский зооботсад)で故ディクサから生まれ、それ以来ずっとこの動物園で暮らしています。彼女は非常に気の強い性格であり彼女の娘であるペルミ動物園のユムカも母親譲りの気の強さです。マレイシュカは今まで4頭の子供たちを出産して見事に育て上げてきました。2005年にクージャ(Кузйа - 個体番号1814)、2007年にプロメテイ(Прометей - 個体番号2890)、2009年にピリグリム(Пилигрим - 個体番号3018)、2012年にユムカ(Юмка - 個体番号3302)という4頭です。このうちユムカは現在ペルミ動物園ではミルカ(Милка)と呼ばれています。このうち最初の三頭の父親はペルミアク、最後の一頭はユーコンです。


おやつを食べるマレイシュカお母さん(Malyshka eats refreshment stuffs at Kazan Zoological Garden, on Sep.28 2013.)

このユーコン(姫路のホクト、白浜のゴーゴの父)がペルミ動物園からカザン市動物園に繁殖目的で出張中に2014年7月に客死してから以降はチェリャビンスク動物園のアルツィンが一時期カザンに繁殖目的で出張してきたものの、2015年の繫殖シーズンにマレイシュカには出産はありませんでした。そして今年2016年にはマレイシュカはパートナーがいないという状態でしたので彼女は当然今年は産室入りしていないというわけです。彼女は今年の11月に21歳になったばかりですので、本当に惜しいことだと思います。ましてや、このマレイシュカはあのレニングラード動物園の女帝ウスラーダの妹ですので、繁殖能力もかなり優秀であるだろうことは言うまでもありません。
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マレイシュカ (Белая медведица Малышка)
Photo(C)АиФ/Руслан Ишмухаметов

カザン市動物園には現在ロシア最大の石油会社であるロスネフチ社からの資金的な援助が入っていますが、同社はロシア国内の飼育下のホッキョクグマたちに対する「後見人(Опекунство)」としての役割を務め、ホッキョクグマの飼育環境改善のための資金を動物園に援助するパトロンなっているわけです。カザン市動物園は現在の場所に近接した土地に新しい動物園を建設する計画が進行中であり、すでに建設作業が進行中です。2017年には新しいホッキョクグマの飼育展示場である「ウランゲリ島(Остров Врангеля)」の施設の着工に入るそうです。ここにもロスネフチ社の資金援助があるようで、新動物園建設の全体にはホッキョクグマたちのパトロンであるロスネフチ社以外に他の動物たちの援助を行っている3社が資金援助を行うという形になっているようです。今月13日にはモスクワでホッキョクグマの飼育に関する専門家会議が開催されるそうで、このカザン市動物園からも副園長さんが参加される予定だそうで、その会議においてロシアの飼育下のホッキョクグマたちの飼育環境問題とか繁殖についての各動物園間の協力体制なども話し合われるそうです。


マレイシュカの飼育状態 (Malyshka the polar bear at Kazan Zoological Garden, on Aug.14 2015.)

早ければ2017年の暮れ、あるいは2018年にはマレイシュカも新動物園の新しい飼育展示場に移ることとなるでしょう。カザン市動物園が現在ブラジルのサンパウロ水族館に飼育を委託しているピリグリムとオーロラの若いペアも再びカザン市動物園に戻して飼育する予定であると地元メディアの記者に語っています。しかし現在21歳になったばかりのマレイシュカにとっては微妙なスケジュールだと思います。彼女が繁殖に再び挑戦できるのは早くても2018年の繫殖シーズンとなるからです。そして次には彼女のパートナーをどの個体にするかも問題です。年齢的に言えば現在ロストフ動物園で飼育されている現在推定14歳のテルペイでしょう。ともかくこのマレイシュカにはどうしてもあと一回は繁殖に成功してもらいたいと願っています。

(資料)
АиФ Казань (Dec.9 2016 - Новая жизнь Малышки. Как сохранить популяцию белых медведей?)

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by polarbearmaniac | 2016-12-09 06:00 | Polarbearology

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