街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2016年のホッキョクグマ出産シーズンで後半戦に入って誕生のニュースが途絶えている不思議

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ウスラーダお母さんとピョートル(ロッシー)、そしてクラーシン(カイ - 現ノヴォシビルスク動物園、大阪のシルカの父)
(Белая медведица Услада и медвежата, Пётр и Красин)

Photo(C)Ленинградский зоопарк

さて、今年の世界のホッキョクグマ界であれほどまでに好調であった今年の出産シーズンにおける赤ちゃんの誕生ですが、11月29日の中間点を過ぎてからは誕生の発表のニュースがピタリと止んでしまいました。今まででしたら12月上旬といえばいくつかの動物園で赤ちゃん誕生のニュースが報じられていたわけですが、何故今年はそれがないのかが実に不思議です。日本の動物園には是非とも幸運な結果を出してもらいたいものだと思っています。欧州にもまだまだ有力な動物園のいくつかからニュースが流れてこないというのも不思議です。「ホッキョクグマの神様」もバランスをとろうとしているのかもしれません。ただしこれは私の推測ですが、赤ちゃんが誕生しているにもかかわらず発表されていないケースが世界に最低二つはあるだろうということです。

現時点までのところをまとめてみます。あまりに見事に11月に集中しているのです。

・ベルリン動物公園(ドイツ)
11月3日にトーニャ(6歳)が出産 (二頭出産して一頭が生存中)

・コロンバス動物園(アメリカ)
11月8日にアナーナ(9歳)が出産 (二頭出産して一頭が生存中)
11月14日にオーロラ(9歳)が出産 (二頭出産して二頭共に生存中)

・ヘラブルン動物園(ドイツ)
11月21日にジョヴァンナ(9歳)が出産 (一頭出産して生存中)

・スカンジナヴィア野生動物公園(デンマーク)
11月23日にイルカ(22歳)が出産 (二頭出産して二頭共に死亡)

・オールボー動物園(デンマーク)
11月26日にメーリク(15歳)が出産 (三頭出産して二頭が生存中)

・タリン動物園(エストニア)
11月26日にフリーダ(13歳)が出産 (二頭出産して一頭が生存中)

私があえて本日の時点での日本の動物園で赤ちゃん誕生の予想を行ってみるとすれば、第一候補は日本平動物園のヴァニラと予想してみたいと思います。ヴァニラは昨年2015年には10月22日に出産していたわけですが、これが全く想定外の早い時期での出産だったわけです。昨年のヴァニラは出産予定日が11月下旬と想定されていたわけですが、今年に関して12月に入ってからまだ出産の情報が報じられないところをみますと、これは実はかなり有望だと考えてよいのかもしれません。つまり出産+育児の両方に成功する確率は彼女が今年は12月中旬あたりに出産すれば、より高まるように考えられるわけです。彼女はトロント動物園のオーロラ型の繫殖傾向を持っていると私は考えているわけで、オーロラの最初の出産は彼女が10歳だった2011年10月16日の三つ子の出産であり、この時は全頭が死亡しています。彼女はこの後も何回か出産したのですが、生存したのは二頭(ハドソンとハンフリー)だけであり、そのいずれも人工哺育となったわけです。ここでこのオーロラの複数回の出産と赤ちゃんの死亡原因についてあらためて触れるのは煩雑ですので止めておきますが、最初の出産で10月に赤ちゃんを産んだときは、その後の出産シーズンにおいてはだんだんと後にずれ込んでいく傾向があるわけで、私はヴァニラはこのオーロラの傾向をたどるような気がします。さらに予想してみれば来週にはヴァニラの出産についての発表がありそうな気がするわけです。ただし赤ちゃんの成育については何とも予想ができないように思うわけです。ヴァニラは人工哺育されたか強制離乳されたかのどちらかの個体ですから日本平動物園から現時点で何の発表もないということは、彼女がすでに出産していたにせよ、これから出産するにせよ、成功(and 成育)の確率は少しずつ高まっていると考えるべきでしょう。現時点でヴァニラは、男鹿水族館のクルミの出産成功の確率を抜いたと考えています。

ただし、この日本平動物園で今回赤ちゃんが誕生してもその権利は日本国外(具体的にはレニングラード動物園)にあるという、今までの日本のホッキョクグマ界ではおそらく初めてとなる非常に特異なケースとなるわけで、日本のホッキョクグマ界には留まらない個体になるわけです。国内の頭数維持云々とは異なる観点でその繁殖について語るという、おそらく初めてのケースとなるでしょう。

そして第二候補はやはり男鹿水族館のクルミではないかと思われます。あとの候補は第三候補として横一線ではないかというのが私の見立てです。

(過去関連投稿)
2016年のホッキョクグマ出産シーズンは折り返しの中間点を通過 ~ 今年は「豊作」の年か?
by polarbearmaniac | 2016-12-16 00:30 | Polarbearology

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