街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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フィンランド・ラヌア動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 繁殖計画の成果を積み上げる欧州

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ヴィーナスお母さんと双子の赤ちゃん
Photo(C)RANUAN ELÄINPUISTO


誕生当日(2016年11月25日)の産室内でのヴィーナスお母さんと双子の赤ちゃん

フィンランドのラヌア動物園が明らかにしたところによりまと、昨年2016年の11月25日に同園で飼育されているその時点では11歳のヴィーナス (2004年12月9日生まれ)が双子の赤ちゃんを出産したとのことです。しかし一頭の赤ちゃんは生後10日で死亡してしまったそうで、その後ヴィーナスお母さんは死んだ赤ちゃんを「食害」の手段で処理し、そして残った赤ちゃんの育児に集中したようで、その残った赤ちゃんは生後5週間経過した現在も非常に元気だそうです。





このヴィーナスお母さんは言うまでもなくドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園のヴァレスカと双子姉妹です(是非「2004年ドイツ・ロストック動物園でのホッキョクグマの出産の瞬間の映像」という投稿を御参照下さい)。ヴァレスカもすでに二度の出産を成功させていますがこのヴィーナスも今回が二度目の(成功した)出産ということになります。ヴィーナスの成功した最初の出産は2011年11月18日に産んだ雄のランツォ(現 ウィーン、シェーンブルン動物園)です。その前にはヴィーナスは何回か出産してはいたものの赤ちゃんが成育はしませんでした。2014年12月4日にもヴィーナスは双子の赤ちゃんを出産したのですが(「フィンランド・ラヌア動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ ヴィーナスお母さんが出産」)、生後2週間で死亡してしまったということがありました(「フィンランド・ラヌア動物園で誕生の双子の赤ちゃんが生後二週間も経過して二頭ともほぼ同時に死亡!」)。 生後二週間という、すでに最大の第一関門を突破していたにもかかわらず赤ちゃんが死亡してしまったという前回のことがあったために、ラヌア動物園は今回の赤ちゃん誕生の事実の発表に非常に慎重になっていたものと思われます。(*追記 - この2014年12月に誕生した赤ちゃんが二頭共に同時に死亡した件の原因は実は謎に包まれているわけです。)
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ヴィーナス(右)とマナッセ(左) Photo(C)Ranua Zoo

ラヌア動物園は地元紙の取材に対してこの「食害」というものの意味を、(母親の空腹状態の解消によって)残る赤ちゃんへの授乳継続を可能とするためと(産室内の)衛生状態を維持するために(母親によって)行われる行為であると語っていますが、これはあくまでも単なる一つの解釈にすぎないでしょう。それから同園は、誕生したばかりの赤ちゃんの死亡率について誕生後5日間以内では50%であり、誕生後一ヶ月間でいうと40%であるとも述べていますが、これは実は根拠がやや薄弱だろうと思います。他に別の数字も存在しています。

しかしともかく、やはり昨年2016年で誕生していたものの発表されていない赤ちゃんが存在していると私が思っていたのは間違いではなかったということになります。そのうちの一つが間違いなくこのラヌア動物園だろうとも睨んでいました。実は昨年12月上旬に同園はSNSである種の「信号」を発していました。それは雄のマナッセの写真に "Polar Face" or "Poker Face ?" というタイトルを付けられた投稿がなされていたからです。こういったことで密かにファンにメッセージを発するということは意外とあることなのです。

それはともかくとして、やはり欧州でのホッキョクグマの繁殖は今年もこうして成果が着々と積み上げられているわけです。

(資料)
Kaleva.fi (Jan.2 2017 - Ranuan eläin­puis­tos­sa syntynyt jää­kar­hun­pen­tu voi hyvin – vankeudessa syntyneiden eloonjääminen harvinaista)
YLE (Jan.2 2017 - Jääkarhunpentu syntyi Ranuan eläinpuistossa)
Iltalehti.fi (Jan.2 2017 - Ranuan eläinpuistossa syntyi harvinainen jääkarhunpentu)

(過去関連投稿)
2004年ドイツ・ロストック動物園でのホッキョクグマの出産の瞬間の映像
フィンランド・ラヌア動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
by polarbearmaniac | 2017-01-02 18:30 | Polarbearology

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