街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ベルリン動物公園の赤ちゃん、フリッツの近況 ~ 「国際ホッキョクグマの日」に間に合わない一般公開

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フリッツ Photo(C)Tierpark Berlin

2月27日は「国際ホッキョクグマの日 (International Polar Bear Day)」ですが、その日を前にしてベルリン動物公園は昨年2016年の11月3日に誕生した雄のフリッツの最新の写真を何枚か紹介しました。以下の映像ではそれらが全て紹介されています。



すでにフリッツは生後113日が経過しているわけですから本来でしたら彼はこの「国際ホッキョクグマの日」までには屋外に登場して一般公開になっていても当然といったところなのです。しかしベルリン動物公園の飼育展示場には幼年個体にとって危険な個所があるということで現在改修工事が行われています。私も同園に何度か行きましたが、あの「お立ち台」のような岩場は確かに危険だと思いましたので改修工事には賛成です。なにしろ過去にはあの岩場から転落したことが原因で死亡したホッキョクグマもいたのです。これについては「ホッキョクグマ・アイカ と レディン家の物語 ~ 愛情の日々、そして悲劇的な終末へ」という投稿を是非ご参照下さい。しかしベルリン動物公園は飼育展示場の危険な個所の改修工事を行うならばもっと早くからその工事に着手していなければならなかったわけです。現在のところフリッツの屋外登場と一般公開は3月下旬が予定されているそうです。そういったわけで本来は同園における「国際ホッキョクグマの日」の主役であるべきフリッツは依然としてトーニャお母さんと産室のある室内のエリアに留まっているという状況なのです。同園のクニーリエム園長はHPなどで気候変動がホッキョクグマにもたらす危機を熱心に訴えていますしそれは正しいことですが、意地悪く考えればこれは「国際ホッキョクグマの日」に不在であるフリッツという状況をなんとか弁解したいという熱意といった感じもするわけです。こういったあたり、ベルリン動物公園は行っていることが後手になってしまっているように感じます。
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トーニャお母さんとフリッツ Photo(C)Tierpark Berlin

さて、上の写真は今回公開された写真のうちの一枚で、トーニャお母さんとフリッツの写真です。左側のトーニャお母さんは現在の血統情報によればモスクワ動物園のムルマの娘ということになるのですが、私は以前より、このトーニャの母親はムルマではなくシモーナであるのが真相だと考えています。改めて上の写真を見ますと、トーニャはどう見てもシモーナの娘に見えます。こういったあたり、欧州のホッキョクグマファンの方々でシモーナやムルマと長い時間かけて向き合ってきた方がほとんどいらっしゃらないというのが残念です。欧州のファンの方々にとってはロシアの動物園は遠い存在なのだということでしょう。

さて、3月下旬に予定されているフリッツの屋外登場と一般公開開始ですが、多分すごい数の来園者があるでしょう。なにしろベルリンではあのクヌート以来約10年振りのホッキョクグマの赤ちゃん登場なのです。昨日のミュンヘンのヘラブルン動物園もそうですが、とにかくドイツという国はホッキョクグマの赤ちゃん公開開始は非常に仰々しく行われるわけです。日本でも札幌や大阪は仰々しかったわけですがドイツほどではありません。それと比較するとモスクワ動物園やデンマークのオールボー動物園はこういったことをサラリと行ってしまいます。文化の違いとでも言いましょうか....。

(資料)
Tierpark Berlin (Feb.24 2017 - Ein Hauch von Arktis an der Spree)
B.Z. Berlin (Feb.24 2017 - Zum Welt-Eisbärentag neue Fotos vom süßen Fritz)
Tagesspiegel (Feb.24 2017 - Neues in der Fritz-Box)

(過去関連投稿)
ベルリン動物公園(Tierpark Berlin)でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 第一関門は週末
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、第一関門の生後72時間を見事に乗り切る ~ 授乳音確認
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃんは生後五日を乗り切る ~ 生後10日間を最初の関門ととらえる同園
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、一頭が産室内で姿を消す? ~ 生存は一頭と同園が発表
ベルリン動物公園、産室内のトーニャお母さんに若干の余裕が生まれる ~ 隣室での水分補給
ベルリン動物公園の赤ちゃんが生後20日が経過 ~ 産室内のトーニャお母さんにニンジンとリンゴの差し入れ
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後25日が経過し前脚で踏ん張って前に進もうとし始める
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、順調に満一ヶ月へ
ベルリン動物公園のトーニャお母さんと生後一か月を越した赤ちゃんの様子が公開
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後40日で立ち上がり始める ~ 同園がトーニャを「熟練の母親」と評価
ベルリン動物公園のヴァロージャ(Володя/Wolodja)の来園の経緯 ~ 霧の中に浮かぶ真相
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後50日が経過する
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後約二ヶ月が経過
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃんの性別は雄(オス)と判明 ~ "Es ist ein Junge!"
ベルリン動物公園の雄(オス)の赤ちゃんの故クヌートと重なり合うもの、合わないもの
ベルリン動物公園のトーニャお母さん、散らかった床を片付ける ~ 初めて肉に挑戦した赤ちゃん
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃんの命名投票が始まる
ベルリン動物公園で誕生の雄の赤ちゃんの名前が "フリッツ(Fritz)" に決まる
ベルリン動物公園がフリッツのために飼育展示場を一部改修の予定 ~ 父親のヴァロージャはベルリン動物園へ
by polarbearmaniac | 2017-02-25 14:00 | Polarbearology

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