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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチク、親子としての一つの「完成形」を達成か?

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ゲルダとロスチク Photo(C) Владимир Сараев/Sibnet.ru

ロシア・西シベリアのノヴォシビルスク動物園で一昨年2015年の12月7日に当時8歳のゲルダお母さんから誕生した雄(オス)のロスチクは生後15ヶ月が経過するとことです。依然としてノヴォシビルスク動物園でゲルダお母さんと一緒に暮らしています。これが欧州やアメリカならば当然な話なのですが伝統的にホッキョクグマの繁殖に「二年サイクル」を採用してきたロシアの動物園にあってはやや不思議な話であるかもしれません。だだ、モスクワ動物園もシモーナの繫殖には前回は三年サイクルを採用し、それは次の繁殖シーズンについても同様のことになるか、もしくはさrにまた一年を「休ませる」、つまり「四年サイクル」も視野に入れていそうな昨今の状況です。

さて、ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチクの最近の映像をまたご紹介しておきます。







このゲルダとロスチクの親子の姿を地元のファンの方々の多くの映像で見ていきますと、ある一つの親子の姿としては「完成形」を達成したような印象を持ちます。親子の姿の有り様というのは親子の数だけ存在し、それこそどれが最も理想的な親子像なのかなどということは答えのない設問なのですが、親子が一つの親子関係のスタイルを築いていく過程のなかでは、その「完成形」というところまでスタイルが確立されていくというケースはむしろ少数であり、どこかに未完成な部分を残したまま子供(たち)は母親から別れて旅立っていくケースが多いわけです。その典型的な例はかつての男鹿水族館のクルミとミルクの親子とか前回のノヴォシビルスク動物園でのゲルダとシルカといった例があったように私は感じています。イジェフスク動物園のドゥムカとニッサンとの関係もおそらくそうだったろうと思うのですが、この親子の場合は私が現地で会って以降に映像としてネットに登場した彼らの姿は極めて少なく、必ずしもそうは言えないかもしれません。

ところはこのゲルダとロスチクの親子の場合は彼らの親子としての有り様、つまり位置関係や力関係や、それらが彼らの行動にもたらす要素といったものは彼らなりの調和を確立し、そしてそこにもたらされたものは安定的な関係であるように思います。現地のノヴォシビルスクのファンの方々の撮る映像は、それがあたかも予定調和的な彼らの姿であるというよりは、素直にゲルダとロスチクの姿を追い、そして記録し続けたものとして大きな価値があると思います。こういた方々の映像はゲルダとロスチクの親子の姿に選択や解釈などというものを混入させない、生の姿としてこの親子の有り様が一つのスタイルとして完成していることを我々に教えてくれるわけです。そしてさらに言えば、このゲルダというホッキョクグマは実は女の子よりも男の子を育てる方が得意な母親のように思います。この点で札幌のララはゲルダとは逆に男の子よりも女の子を育てるほうがうまい母親だろうと思います。これについては「長期遠征の最終日に見たララとアイラ ~ ララは男の子より女の子を育てるほうが得意?」という投稿を御参照下さい。ゲルダというのは比較的、娘に嫉妬するホッキョクグマだと思います。ところがララには娘に対する嫉妬が全くありません。一方でゲルダは息子には嫉妬しないのです。だからゲルダは男の子を育てるのに向いているのだと私は考えています。ただし、娘に嫉妬する母親は全て女の子よりも男の子を育てる方が得意なのかといえば、そうでもないのです。たとえばウスラーダは娘に対する嫉妬はまるでありませんでしたが、しかし彼女は男の子を育てることに向いているように私は感じました。このあたりが難しいところです。ホッキョクグマの親子関係というのは興味が尽きません。







以前に「ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の近況 ~ ロスチクの成長によっても基本的に不変の親子関係」という投稿を行っているのですが、つまりゲルダとロスチクの関係は一つの形としては安定しているということなのです。ノヴォシビルスク動物園はホッキョクグマの繁殖をこれまでのように二年サイクルで行うのか三年サイクルにするのかという問題意識を最近ではあまり考えていないようにも感じます。故シロ園長は頑強な二年サイクルの支持者、そして遂行者であったのですが、この故シロ園長の息子さんが新しい園長になり、「二年サイクルの呪縛」は薄まりつつあるのかもしれません。しかし現在のゲルダとロスチクの親子の姿を見ていますと、ロスチクはもう母親から離れて旅立っても心配の全くない状態だと思います。

このノヴォシビルスク動物園を訪問したことはないものの、今後是非訪問してホッキョクグマたちに会ってみたいと考えられている方がいらっしゃるとすれば一つこういうアドバイスをしてみたいと思います。ゲルダと彼女の子供(たち)との間の彼らなりの調和的な姿を見て気持ち良く過ごしたいと思われる方はゲルダの子供が雄(オス)の場合の時の方がよいでしょう。一方で、複雑で一筋縄ではいかぬ母親と娘の相克のドラマのようなものを期待するとすれば、それはゲルダが雌(メス)の子供を育児している時の方がよいでしょう。私は今頃後悔しているのですが、ゲルダとシルカの親子を最低一週間は観察し続けておくべきでした。三日間だったというのは微妙でした。このノヴォシビルスク動物園はホッキョクグマと来園者を隔てるボードがないために非常に気楽に観察ができます。おすすめの動物園だと思います。

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ やはり出産していたゲルダ!
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ロシア・ノヴォシビルスク動物園が赤ちゃん命名について沈黙状態 ~ 「シルカ事件」から学ばぬ同園
ロシア・ノヴォシビルスク動物園が赤ちゃんの性別を訂正発表! ~ 赤ちゃんは雄(オス)だった!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダお母さんと赤ちゃんの近況
ロシア・ノヴォシビルスク動物園、ゲルダお母さんとオイゼビウス(Ойзебиус - 仮称)のプール開き
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃん、オイゼビウス(Ойзебиус - 仮称)が泳ぎ始める
ロシア・ノヴォシビルスク動物園生まれの二頭 ~ シルカ vs オイゼビウス (Ойзебиус - 仮称)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダをシモーナと比較する ~ 母親と息子の実力は反比例?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場のライブカメラ映像配信、遂に復活!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のオイゼビウス(Ойзебиус - 仮称)が間もなく生後半年が経過へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のオイゼビウス(仮称)の正式命名が後日行われる予定となる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の雄の赤ちゃんの名前が「ロスチク (Ростик)」に決まる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの成長 ~ シルカ/ゲルダとは非常に異なる親子関係
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子のライブ映像配信が二年前と同様に大人気となる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチク、その日常の姿 ~ 経験を積んだゲルダお母さん
ロシア・ノヴォシビルスク動物園、ゲルダお母さんの機嫌を損ねないように巧妙に立ち回るロスチク
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの成長 ~ 「シルカの物語」を乗り越えられるか?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の近況 ~ 「ゲルダ/シルカ」、「バフィン/モモ」と比較する
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチクの親子の姿 ~ 娘とよりも息子との関係が気楽か
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの近況 ~ 予想の難しい彼の将来の移動先
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチクの親子模様 ~ 「未完の大器」ゲルダ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチクの親子、その秋の日の姿
ロシア・ノヴォシビルスク動物園、ロスチクに手こずり始めたゲルダお母さん ~ 成長の確かな手応え
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチク、 地元のファンの暖かい視線に見守られ間もなく満一歳へ
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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマたちの冬の日 ~ 人工雪製造機の導入が決定
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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの移動時期が迫る ~ バルナウル動物園への移動は否定
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクに生じる中国への移動の危険性 ~ 「セカンドライン」へ後退か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ ゲルダ親子を愛する「草の根のファン」

(2014年9月ノヴォシビルスク動物園訪問記)
◎2014年9月11日(木曜日)訪問
・リバーパークホテルからノヴォシビルスク動物園へ ~ ホッキョクグマたちに御挨拶
・容姿端麗なゲルダお母さん、その娘への態度に見る子育て初体験の初々しさ ~ 育児スタイルを模索中
・シルカ、順調に成長を遂げるその素顔
◎2014年9月12日(金曜日)訪問
・ノヴォシビルスク動物園訪問二日目 ~ ゲルダお母さんとシルカの不安定な関係
・ゲルダの将来への道のりと課題 ~ 一頭の母親と一頭の雌の二役の演技の動機となっているもの
・シルカ、その聡明かつ醒めた知性が発散する魅力 ~ ミルク、マルル、ポロロを超える逸材か?
・クラーシン(カイ)の性格とその素顔 ~ 双子兄弟のピョートル(ロッシー)との違い
◎2014年9月13日(土曜日)訪問
ノヴォシビルスク動物園訪問三日目 ~ "Pour que Gerda et Shilka soient heureuse..."
シルカちゃん、ゲルダさん、クラーシン君、お元気で! そしてまた会う日まで!
by polarbearmaniac | 2017-03-07 00:30 | Polarbearology

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