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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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フィンランド・ラヌア動物園の雄(オス)の赤ちゃんが生後半年を経過 ~ 成長記録発信の意義

フィンランド・ラヌア動物園の雄(オス)の赤ちゃんが生後半年を経過 ~ 成長記録発信の意義_a0151913_0403984.jpg
ヴィーナスお母さんと赤ちゃん Photo(C)Ranua Zoo

フィンランドのラヌア動物園で昨年2016年の11月25日にヴィーナスお母さんから誕生した雄(オス)の赤ちゃんですが、すでに生後半年が経過しています。一般的に言えば前年の繁殖シーズンで世界の動物園で誕生した赤ちゃんたちは、生後半年ほどまでは比較的定期的に動物園側から情報が発信されるのですが、それ以降の成長の報告については動画や写真といったものの公開の機会は目だって減ってくる傾向があります。特にこれはアメリカの動物園に顕著な傾向です。要するに、動物園に来園して実際の姿を見てほしいといった意味のように思います。アメリカの動物園がこういった傾向を強く持つのは、その情報発信の受け手が地元の人々であることを想定しているからでしょう。たまたまネットという媒体の力によって地球の反対側にある動物園で誕生した(ホッキョクグマの)赤ちゃんの成長を、あくまでその動物園の HP や SNS サイトが発信したもので我々が見たり知ったりすることができるというだけであって、実際はそういう情報が想定している本当の受け手はあくまでも動物園の存在している地元の人々が対象であるにすぎないわけで、「その後の様子を知りたければ御来園下さい。」というのが本当の所なのです。たとえば、アメリカのコロンバス動物園が自園で誕生した赤ちゃんの情報を一般公開の様子などの際にネット上で詳しく公開したのは、あくまでもコロンバス市の人々、そしてせいぜいオハイオ州の人々のためであって全米のファンを対象にしたものではなく、ましてや欧州や日本のファンを相手にしているわけではないということです。
フィンランド・ラヌア動物園の雄(オス)の赤ちゃんが生後半年を経過 ~ 成長記録発信の意義_a0151913_0421630.jpg
Photo(C)Ranua Zoo

さて、ところが以前からホッキョクグマたちの姿を映像や写真で定期的に公開しているのがこのフィンランドのラヌア動物園です。人口の集まった都市に存在しているわけではなく、フィンランド北部の辺境ラップランドにある動物園ですので、誕生した(ホッキョクグマの)幼年個体の情報を前回2011年誕生のランツォの場合などは生後二年近くも定期的に発信していたのは、この動物園を頻繁に訪問することは難しく、そして来園者に地元のコミュニティを想定することができないだめでしょう。つまり、同園からの情報の発信はフィンランド国内であると同時に世界に対してであると理解してよいと思います。生後半年を経過したラヌア動物園の雄(オス)の幼年個体について新しい映像が公開されています。プールでなにかおもちゃに夢中になっている姿です。



ラヌア動物園では以前からこの幼年個体の名前の募集を行っています。ラヌア動物園では(ホッキョクグマなどの)動物たちに名前を付けることの意味について以下のように述べています。私が考えもしなかったような理由です。非常に意外に思いました。言われてみれば「なるほど」とは思いますが、しかしこれはあくまで一面的なことではないかと思います。

- “Naming the animals is important, because an easily remembered name helps animal caretakers pass information about the well-being of animals to their colleagues.”

フィンランド・ラヌア動物園の雄(オス)の赤ちゃんが生後半年を経過 ~ 成長記録発信の意義_a0151913_044356.jpg
Photo(C)Ranua Zoo

さらに同園は、ホッキョクグマの幼年個体に名前を付けることにとりわけ意味があることの理由を以下のように述べています。

- “The birth and survival of polar bear cubs in zoos is very rare and people all over the world will want to see him grow.”

これについてはまさに「然り」という印象を持ちます。

(過去関連投稿)
フィンランド・ラヌア動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 繁殖計画の成果を積み上げる欧州
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フィンランド・ラヌア動物園の雄(オス)の赤ちゃん、間もなく生後半年へ
by polarbearmaniac | 2017-06-06 01:00 | Polarbearology

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