街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum
by polarbearmaniac
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園で夏期恒例の活魚のプレゼント始まる ~ ロシア最長老のアンデルマ健在!
Photo(C)Екатерина Мельникова
ロシアのウラル山脈のすぐ西側に位置するペルミの街の動物園で夏期恒例のホッキョクグマへの活魚のプレゼントが昨日14日の火曜日から始まったようです。ペルミ動物園のSNSサイトではその様子が写真で公開されています。このペルミ動物園の夏の活魚のプレゼントというのは毎週火曜日の午後(確か)13時から行われるのですが私も過去二回ほど見ることができました。ホッキョクグマたちに与えらえる魚が大きくてびっくりしたものです。 さて、昨日から始まったこのイベントでは、なんといつもは水には入らないあのアンデルマが自らプールに入って魚を捕獲するということを行ったために担当飼育員さんがびっくりしてしまったそうです。アンデルマは生年不詳でその年齢には二つの説があるのですが一般的には1981年生まれの現在35歳と理解されているようです。私は彼女は1983年生まれの33歳だという説を支持しています。
アンデルマ......今更何も申し上げる必要はないでしょう。姫路のホクトと白浜のゴーゴの母、仙台のカイ、静岡のロッシー、浜松のモモの祖母、旭川のイワンと大阪のシルカの曾祖母にあたります。現在ロシアでは最高齢のホッキョクグマとなっていますが非常に元気なようです。このアンデルマ一頭に会うだけの目的でロシアに行っても決して後悔することのないホッキョクグマなのです。日本からもネット上のブログやSNSサイトを持たない方も入れて私を含めてもう何人ものホッキョクグマファンが彼女に会いにペルミを訪問しています。今やこのアンデルマというのは別格の存在なのです。以前もご紹介していましたが私が2015年の訪問でこの活魚のプレゼントの様子を映像で撮ったものがありますので再度ご紹介しておきます。アンデルマは水には入らずセリクとユムカ(ミルカ)の様子を見ています。
ペルミ動物園の夏期の活魚のプレゼント - Amderma, Yumka and Serik the 3 polar bears of Perm Zoo, Russia, have treat of fish, on Aug.11 2015.
野生孤児出身の4歳の雄(オス)のセリクですが、彼は2013年の夏にロシア極北のベルィ島で母親が殺されて彼自身もケガをして動けなくなっていたところを発見・保護されてペルミ動物園で飼育されるようになりました。その経緯は当時非常に詳しく投稿しています。私は彼がペルミ動物園に到着してから数週間後に彼に会ったのですが、まだまだ非常に不安そうな顔をしていました。彼が発見されたロシア極北のヤマロ・ネネツ自治管区の地元のTV局が現在のセリクの様子をスカイプを用いてペルミ動物園の担当飼育員さんにインタビューしているニュース番組が本日14日に放送されていますのでそれを御紹介しておきます。セリクが保護されたときの映像やら、ペルミ動物園での活魚のプレゼントなどの様子も映っています。担当飼育員のエカテリーナ・メーリニコヴァさんによれば、この活魚のプレゼントのイベントは週二回行うそうです。また、もう一頭の雌(メス)のユムカ(ミルカ)は非常に頭が良いとも語っています。そして成長してたくましくなったセリクについても語っています。
さて、先日も述べていますが現在このペルミ動物園の新園の建設工事が始まっています。2018年3月の完成を目指して急ピッチで工事が行われておりペルミ市当局はこの予定を維持するために厳格に建設業者への監督を行っているそうです。新動物園では飼育動物の種類もかなりの増加を予定しているそうで、水族館なども園内に併設されるそうです。現在の動物園から動物たちを新動物園に移動させる必要があるわけですが、これもなかなか大変な作業になるでしょう。地元のTVニュース映像を御紹介しておきます。
現在のペルミ動物園が移動した後の跡地は隣の教会に返還されることになるわけです。もともとこの土地は隣接した教会の墓地だったわけですがスターリン時代の宗教弾圧の一環という意味もあって教会からは接収され動物園となったというのがペルミ動物園の歴史です。そういったわけで跡地は教会に返還されるということになるということです。返還後は公園になるようです。これについても地元のTVニュース映像を見てみましょう。
この現在のペルミ動物園と道路を挟んで向かい側にアマクス・プレミアホテルというホテルがありペルミ動物園に行くには非常に便利なホテルです。なにしろホテルからペルミ動物園までは徒歩1分というわけです。夜になるとホテルの部屋に、向かい側のペルミ動物園の動物たちのうなり声が聞こえてくることもあるというほどの近さです。私も最初のペルミ訪問の際にはこのホテルに宿泊しましたし、ペルミに行かれたホッキョクグマファンの方々も皆さんこのホテルに宿泊しただろうと思います。新しいペルミ動物園に比較的近いのはヒルトン・ガーデン・イン・ペルミ (Hilton Garden Inn Perm) というホテルになります。このホテルはペルミでは最も評価の高いホテルです。
現在のペルミ動物園は非常に小さい動物園なのですが私は愛着を感じています。ロシアの地方都市のあの小さな動物園でアンデルマに会うという体験は何か不思議で宗教的な感じすらします。アンデルマと故メンシコフ(ウスラーダのパートナー)という親子はロシアのホッキョクグマ界ではもう神話の領域となっている存在であるということなのです。ウスラーダを最高峰のホッキョクグマとすればアンデルマは雲上のホッキョクグマであると私は感じ、そして深い敬意を寄せています。
(資料)
ОГТРК Ямал-Регион (Jun.14 2017 - Ямальский Сэрику. Медведь с о. Белый набирает вес в Пермском зоопарке)
ТК ВЕТТА (May.16 2017 - 3000 животных и акватеррариум: каким будет новый зоопарк в Перми) (Jun.7 2017 - Стало известно, что появится на месте старого зоопарка в Перми)
(過去関連投稿)
*セリク関連
ロシア極北、カラ海のベルイ島で前脚をケガをして動けなくなっていたホッキョクグマの赤ちゃんが保護される
ロシア極北、カラ海のベルイ島で保護された赤ちゃんはセリクと命名され、ペルミ動物園での飼育が決定
ロシア極北のベルイ島で保護されたセリクがペルミ動物園に到着 ~ 10月にカザンからユムカも来園予定
ロシア極北のベルイ島で密漁者の銃撃により負傷し保護されたセリク、ペルミ動物園で報道陣に公開される
ロシア極北で負傷、ペルミ動物園で保護されたセリクについて ~ ロシアでの野生孤児の個体保護の問題点
ペルミ動物園で保護されている野生孤児セリクの素顔 ~ まだ順応できない環境の激変
*ユムカとセリク
ロシア・ペルミ動物園におけるセリクとユムカの近況 ~ テルペイがロストフ動物園に移動か?
ロシア・ペルミ動物園でのセリクとユムカの初顔合わせは不調に終わる
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園でアンデルマが気の強いユムカに手を焼く ~ 大物に挑みかかる小娘
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園のユムカと野生孤児のセリクとの関係が良好となる
*ユムカ、セリク、アンデルマの三頭同居
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でアンデルマとユムカ、そして野生孤児セリクの3頭同居は順調な滑り出し
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でのアンデルマ、ユムカ、セリクの三頭同居は大きな成果を上げる
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でのアンデルマ、ユムカ、セリクの三頭同居の近況 ~ 最新の映像が公開
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園のアンデルマ、ユムカ(ミルカ)、セリクの近況
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園、初冬のユムカ、セリク、アンデルマの姿 ~ 調和のとれた関係
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園で夏期恒例のホッキョクグマへの活魚のプレゼント始まる
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園の「ホッキョクグマの日」のイベントで訓練の様子が公開される
ロシア・ペルミ動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ アンデルマ、ユムカ、セリクと来園者たち
ロシア・ペルミ動物園でセリクとユムカ(ミルカ)が後見役のアンデルマの影響からの独立を指向へ
by polarbearmaniac
| 2017-06-14 23:55
| Polarbearology
カテゴリ
全体Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類
最新の記事
........and so.. |
at 2023-03-27 06:00 |
モスクワ動物園のディクソン(.. |
at 2023-03-26 03:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-25 02:00 |
ロシア・西シベリア、ボリシェ.. |
at 2023-03-24 02:00 |
鹿児島・平川動物公園でライト.. |
at 2023-03-23 01:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-22 03:00 |
名古屋・東山動植物園でフブキ.. |
at 2023-03-21 01:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-20 02:00 |
モスクワ動物園のディクソン .. |
at 2023-03-18 22:20 |
ロシア・サンクトペテルブルク.. |
at 2023-03-18 03:00 |
以前の記事
2023年 03月2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月