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男鹿水族館のクルミと豪太のペアの同居の試みが開始 ~ 「果実」を鶴首して待つモモ



現在、世界の動物園ではいくつものペアが今年のシーズンの繁殖を狙うためにペアの同居の試みがなされています。男鹿水族館のクルミ(20歳)と豪太(13歳)のペアもその例外ではありません。今年のシーズンのこのペアの同居は非常に穏やかに始められたようでスタッフの方々も以前とはやや違い、肩の力を抜いたような姿勢というものを感じさせます。同居開始の時期も以前のように早い時期からではなく3月のこの時期からということで無理をさせないという姿勢が目立ちます。そういったことには非常に好感が持てます。クルミと豪太は過去に繁殖に成功していますので(2012年12月誕生のミルク)、拙速な同居開始を行う必要がないということだろうと思います。
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クルミ(右)とミルク(左)
(2014年1月25日撮影 於 男鹿水族館)

このクルミと豪太のペアは日本の動物園で今年のシーズンに繁殖に挑戦するペアとしては最も有望なペアであるということは言うまでもありません。幾分気になる点があるとすれば、それはクルミが再び「自己犠牲」の伴う育児を再度行うだろうかといったような主観的な観点からの懸念だろうと思います。仮に今年のシーズンにクルミが雄(オス)を出産するとしますとモモ(浜松)のパートナーとしては最有力候補になるだろうと思います。秋田県が権利を持つその個体はおそらくBLで浜松に移動してモモのパートナーになるというのが一番考え得るシナリオだろうと思います。今年2017年のシーズンにクルミが繁殖に成功しなければ翌年2018年も豪太との間での繁殖は継続して試みられるだろうという気がしますが、しかし早ければ2018年のシーズン、あるいは常識的に考えれば2019年のシーズンにはツヨシが男鹿水族館に移動するでしょう(ツヨシが横浜で繁殖に成功しなかった場合ですが)。そうなった場合、ツヨシと豪太のペアで繁殖に成功した個体は血統面において浜松には行きにくくなることが考えられますから、今年2017年(そして来年2018年のシーズン)のクルミの出産の有無はモモ(浜松)にとって重大な意味を持つであろうことは当然でしょう。理想的にはクルミが雄(オス)の双子、いやが雄(オス)のばかりの三つ子を産んでくれることです。
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モモ (2015年7月14日撮影 於 大阪。天王寺動物園)

男鹿水族館については私たちファンはそれほど心配することなく淡々と見守っていくという態度でよいように思います。それから一つ、蛇足として付け加えておきますが、クルミとミルクの母娘はやはり二年目を一緒に過ごさせてやりたかったなと思います。「二年サイクル」の繁殖ですぐ次の2014年のシーズンに第二子が誕生するということをあまりにも当然のことであると期待し過ぎてしまった特定の関係者の存在(自治体の行政サイド)が問題であった言えることは、当時を振り返れば明らかだったと考えます。

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by polarbearmaniac | 2017-03-22 23:30 | Polarbearology

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