街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ・ウィニペグ、アシニボイン公園動物園で亡くなったエライの死因の謎が深まる

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故エライ Photo(C)Assiniboine Park Zoo

私の一か月間の旅行中に世界のホッキョクグマ界に関するニュースはそれほど重要なものはなかったものの、やはり気になるニュースはいくつかあり、海外旅行中に毎日ブログを更新するのは非常に大変なために投稿できなかったものの、そういったトピックは順番に拾い上げていきたいと思っています。そのうちの一つがカナダのアシニボイン公園動物園で先月15日に死亡した二歳の雄(オス)のエライ (Eli) の検死結果についてです。

死亡直後の所見ではエライに生じた咽頭から気管への組織に腫れによって呼吸障害が引き起こされたというものでした。その後の正式な検死ではエライから採取した組織サンプルの組織病理学上の検査を行ったものの異常は発見できなかったそうです。つまりエライの体調に異変を生じさせたものは病気ではないということを意味します。さらに飼育展示場内に設置されていた監視カメラのエライの状態に異変が生じた時点から遡った映像を詳しく解析したものの、これといった異常は発見できなかったそうです。しかしエライは(外傷ではないものの)何らかの傷を負った可能性があるという見方が示されたそうです。しかしその傷が何によって生じたのかについては不明のようです。飼育展示場内を詳しく調べたものの薬物や外部から入れられた異物もなく、また展示場内の岩から落ちて顎を打った可能性に関しても監視カメラの映像の解析ではそういった事故が記録されてはいなかたそうです。しかし、他のホッキョクグマとの取っ組み合いの遊びの際に生じた傷が原因ではないかという可能性は排除できないものの、監視カメラの映像ではそれらしいシーンは記録されていないようです。

そういたことで現時点ではエライの体調の異変を生じさせた原因を特定できない状態だそうです。スタッフは今後も粘り強くエライの死の原因を追究していく意欲を示しています。 非常に難しいですね。ホッキョクグマの死因の追及というのは、えてしてこのように原因を特定できないケースがよくあるということは今までもあったわけです。アシニボイン公園動物園としてはホッキョクグマの飼育には自信を持っており、また野生孤児の保護のための施設を運営しているといった自負もあるため、今回のエライの死には強い衝撃を受けているそうです。

(資料)
CBC (Aug.1 2017 - Polar bear at Assiniboine Park Zoo died from trauma, vet says)
Winnipeg Free Press (Aug.1 2017 - Zoo's polar bear died of trauma, vet says)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2017-08-11 23:30 | Polarbearology

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