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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園に訪れた秋 ~ 季節の味覚を楽しむグーリャ

ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園に訪れた秋 ~ 季節の味覚を楽しむグーリャ_a0151913_19261196.jpg
グーリャ (Белая медведица Гуля/Eisbärin Gulya)
Photo(C)Ольга Шевякова/Большереченский зоопарк

ロシア・西シベリアのオムスク近郊にあるボリシェリェーチェ動物園 (Большереченский зоопарк) に暮らす現在推定27歳の雌(メス)のホッキョクグマであるグーリャ (Гуля) は世界のホッキョクグマ界ではほとんど知られていないホッキョクグマです。ごく最近までこのグーリャが本当に元気でいるのかどうかを知ることは容易ではなかった時期が続いていましたが、ロシア最大の石油会社であるロスネフチ社がロシア国内の飼育下のホッキョクグマたちに強力な支援を行い始めてからは各動物園は比較的頻繁に自園のホッキョクグマの動向について情報を発信し始めたのは非常に良い傾向です。そのためもあってか、「幻のホッキョクグマ」と化していたこのグーリャの姿がボリシェリェーチェ動物園によって定期的に公開されるようになったわけです。
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園に訪れた秋 ~ 季節の味覚を楽しむグーリャ_a0151913_22115546.jpg
グーリャ (Белая медведица Гуля/Eisbärin Gulya)
Photo(C)Ольга Шевякова/Большереченский зоопарк

ボリシェリェーチェ動物園のある地域もすっかりと秋めいてきたそうです。しかしグーリャは夏の季節とはさほど変わらぬ一日を過ごしているそうで、池で泳いでは陸に上がり芝の上で休息をとるといった生活を続けているそうです。獣医さんがグーリャの健康状態を注意深く観察するために飼育展示場に毎日現れているそうで、グーリャを大事に飼育しているという同園の配慮が感じられます。グーリャに対しては秋の味覚としての野菜や果物が多く与えられているそうで、そういったものは彼女の好物であるようです。冒頭の写真とそれまでのグーリャの写真を比較しますと、彼女はやや痩せたのではないかという印象を持ちます。写真というのは角度によって写り方がかなり違ってきますし、体毛の状態は非常に良好に見えますので私の心配も杞憂だろうと願っています。オールボー動物園のラルスのように有名でファンも多いホッキョクグマならば、その彼の外見と健康状態の関係についてあれやこれやと議論が行われたわけですが、このグーリャについては欧米のファンに全く知られていないホッキョクグマですので、せめて私一人でもちゃんと彼女の動向を注目して見守ってやりたいと思うわけです。
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園に訪れた秋 ~ 季節の味覚を楽しむグーリャ_a0151913_22225473.jpg
Photo(C)Ольга Шевякова/Большереченский зоопарк

ちょっと話は変わるのですが、私が先日訪問したチェリャビンスク動物園で会った雄(オス)のアルツィンの写真を「地方都市のチェリャビンスク動物園で体を寄せ合って暮らすアルツィンとアイリシャ ~ 心動かされるその姿」という投稿の上から二番目の写真(左側のホッキョクグマ)でご覧ください。同じく最近の彼の写真を「ロシア・南ウラル地方、チェリャビンスク動物園がペンザ動物園のベルィの入手を画策 ~ 繁殖成功への執念」という投稿の冒頭の写真でご覧ください。アルツィンは体重が700kgsあるホッキョクグマだといわれ、事実昨年あたりまでの写真では巨体であることが写真でも理解できましたが、今年の7月の私が彼に会った際の写真から判断すると彼に体重は300kgsに満たないような体形になっているわけです。私は推測するのですが彼は多分内蔵に疾患があるのではないかと思います。だからこれほど痩せてしまったのではないでしょうか。チェリャビンスク動物園の園長さんがペンザ動物園のベルィの入手を画策しているのも、実はアルツィンが病気でこの先そう長くはないと考えているからではないでしょうか? どころがこういったアルツィンの健康状態について心配する声は聞こえてこないのです。何故誰も心配してやらないのかといえば、その理由はアルツィンが世界のホッキョクグマ界では無名のホッキョクグマで多くの欧米のファンからは無視されたような存在だからです。非常に理不尽な話だと思います。

(資料)
Большереченский Зоопарк (Sep.19 2017 - Осенняя пора в жизни белой медведицы.)
Om1.ru (Sep.20 2017 - Медведи в Большереченском зоопарке уже начали готовиться к спячке)

(過去関連投稿)
ロシア・西シベリアのオムスク近郊、ボリシェリェーチェ動物園に暮らすグーリャ ~ 人間への不信と無関心
ロシア・西シベリアのボリシェリェーチェ動物園で飼育のグーリャに 「ホッキョクグマの日」 が開催予定
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャの「ホッキョクグマの日」 ~ 悲劇の幼年期の記憶
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャの近況 ~ 話題の光が当たらずとも良好な飼育環境
ロシア・西シベリア、オムスク近郊のボリシェリェーチェ動物園の「国際ホッキョクグマの日」のグーリャの姿
ロシア最大の石油会社 ロスネフチがロシアの動物園の全ホッキョクグマへの援助・保護活動開始を表明
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャにロスネフチ社より飼育場整備の資金援助
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園、グーリャ(Гуля) の「国際ホッキョクグマの日」
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャ(Гуля)、乏しい情報から知るその動向
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャ、情報欠如の「幻のホッキョクグマ」としての存在
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャの近況 ~ ロスネフチ社からの次の援助
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園を襲った洪水の被害 ~ グーリャは無事に毎日を過ごす
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャ、視力・聴力を大部分失うも嗅覚で元気に暮らす
by polarbearmaniac | 2017-09-21 01:00 | Polarbearology

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