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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・テネシー州 メンフィス動物園のホッキョクグマたち ~ 米露のホッキョクグマたちの印象の相違点

アメリカ・テネシー州 メンフィス動物園のホッキョクグマたち ~ 米露のホッキョクグマたちの印象の相違点_a0151913_16425125.jpg
ペイトン (Payton the Polar Bear) Photo(C)Memphis Zoo

アメリカ南部テネシー州のメンフィスといえば私などはあのエルヴィス・プレスリーの名前が真っ先に頭に浮かんでくる都市です。この街にあるメンフィス動物園に暮らすホッキョクグマたちについて実は過去にこのブログでは取り上げたことはなかったと思います。しかし現在デンバー動物園で暮らすクランベアリー(Cranebeary)がメンフィス動物園で転落事故を起こしたことは「ホッキョクグマが堀に落ちたらどうなるか? ~ 大ケガから回復したホッキョクグマ、元気に故郷に里帰り!」という投稿で述べたことはありました。メンフィス動物園と日本のホッキョクグマ界との関連では札幌・円山動物園のデナリの母親であったシヌック (1977~2002) がこのメンフィス動物園の生まれであったということが重要なことになりますが、もうひとつの繋がりがあります。それは以下のことです。
アメリカ・テネシー州 メンフィス動物園のホッキョクグマたち ~ 米露のホッキョクグマたちの印象の相違点_a0151913_18474199.jpg
ヘイリー (Haley the Polar Bear) (*円山動物園のデナリの姪) 
Photo(C)Memphis Zoo

現在このメンフィス動物園で暮らしているのは14歳になったばかりの雄(オス)のペイトン (Payton) と間もなく15歳になる雌(メス)のヘイリー (Haley) の二頭です。このペアは非常に繁殖が期待され続けているわけですがヘイリーはまだ出産に成功していません。この雌(メス)のヘイリーの母親であったオーロラは札幌のデナリの姉にあたるわけで、そうなるとヘイリーはララの子供たちのいとこということになりますのでメンフィス動物園は日本のホッキョクグマ界とは不思議な縁で繋がっているわけです。今年もヘイリーは出産が期待されており、すでに雄(オス)のペイトンとは引き離されて産室のあるエリアに隔離されているようです。そのために現在展示されているのはペイトンだけですので週末に同園で行われたホッキョクグマの誕生会に登場したのはペイトンだけでした。その様子を報じる地元TV局のニュース映像をご紹介しておきます。以下をワンクリックして下さい。
アメリカ・テネシー州 メンフィス動物園のホッキョクグマたち ~ 米露のホッキョクグマたちの印象の相違点_a0151913_16281157.jpg

このメンフィス動物園は数年前まではヘイリーの出産に大きく期待して秋からの彼女の状態などを比較的頻繁に情報発信してましたが、数年間にわたって繁殖に成功できないままの状態が続いたためか最近ではそういった情報の発信を全くといってよいほど行われなくなってしまいました。こういったことは日本のホッキョクグマ界にも比較的よくある話です。ここにある種の「諦め」といったものを読みとることも不可能ではないのかもしれません。

さて、ここでメンフィス動物園のホッキョクグマたちの映像を少し見てみましょう。まず下は2015年の冬のペイトンの姿です。



次はプールで遊ぶヘイリーの姿です。



次は9年前の非常に貴重な映像で、現在デンバー動物園で暮らしているクランベアリーがプラスチック製の人形をもらって遊ぶ映像です。最後になってなんとペイトンが登場しています。クランベアリーはさすがに美クマですね。



次は夏に温度の高いメンフィスでのホッキョクグマの暮らし方についての説明です。プールの水温は華氏65℃(つまり摂氏18℃)以上にはならないシステムだそうです。ここでもクランベアリーが登場しています。



こういったアメリカの動物園のホッキョクグマたちを見ていますとロシア血統のホッキョクグマたちとはまるで雰囲気が違いますね。こういったアメリカの動物園のホッキョクグマたちの雰囲気に非常に近い日本のホッキョクグマたちはララの子供たちであるように感じます。非常に垢抜けしていてどこか豪奢で華麗なのです。それと比較してみると日本におけるロシア血統のホッキョクグマたち、たとえばイワン、豪太、ラダゴル(カイ)、ピョートル(ロッシー)、ルトヴィク(ホクト)、ゴーゴ、シルカといったホッキョクグマたちはどこかに重さと野暮ったさがあります。そこがまたロシア血統のホッキョクグマたちの魅力でもあるわけです。実は最近、欧州のホッキョクグマファンの方々がロシアの動物園に暮らすホッキョクグマたちの写真をだんだんと目にするようになってきているわけですが、そういった方々のお一人が言うには欧州に暮らすロシア血統のホッキョクグマたちには独特の雰囲気があると語っています。「やたらと自信があるように見えるものの愛すべき表情と体型をしている。」ということだそうです。それは間違いなく当たっているでしょう。裏返して言えば、それだけアメリカ(や欧州)のホッキョクグマたちは洗練されているということです。アメリカ(や欧州、そして日本のララファミリー)のホッキョクグマたちは「美しいホッキョクグマ」であり、ロシアのホッキョクグマたちは「愛すべきホッキョクグマ」であるということです。

(資料)
WMC Action News 5 (Nov.10 2017 - Memphis Zoo celebrates Payton the polar bear’s 14th birthday)

(過去関連投稿)
ホッキョクグマが堀に落ちたらどうなるか? ~ 大ケガから回復したホッキョクグマ、元気に故郷に里帰り!
by polarbearmaniac | 2017-11-13 01:00 | Polarbearology

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