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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アラスカ最北部のバロー(ユトクィアグヴィック) の空港の滑走路にホッキョクグマが侵入

アラスカ最北部のバロー(ユトクィアグヴィック) の空港の滑走路にホッキョクグマが侵入_a0151913_0371637.jpg
Photo(C)Scott Babcock

アラスカ最北端の街であるバロー (ユトクィアグヴィック) の街にあるウィリー・ポスト=ウィル・ロジャース記念空港(Wiley Post-Will Rogers Memorial Airport)に勤務しているスタッフが木曜日の早朝に空港の滑走路のチェックをしていたところ何か動く動物のようなものを発見しました。最初はオオカミだと思ってトラックで接近したところ、それはなんと二頭のホッキョクグマだったそうです。その模様をそのスタッフが撮影していますのでご紹介しておきます。



二頭のホッキョクグマたちは逃げていったのですが、実はこういうケースは最も厄介なのだそうでう。ホッキョクグマはアメリカの海洋哺乳類保護法 (Marine Mammal Protection Act) と絶滅危惧種保護法 (Endangered Species Act) によって保護されていて空港のスタッフにはホッキョクグマを追い払ったり攻撃したりといった行為を行う権限がないそうです。上の映像でも確かにスタッフの運転する車はホッキョクグマを「追い払う」という感じよりも単に接近していくといった姿勢で対応しているのがよくわかります。
アラスカ最北部のバロー(ユトクィアグヴィック) の空港の滑走路にホッキョクグマが侵入_a0151913_1163910.jpg
この二頭のホッキョクグマはこの後、近くを2~3時間うろついた後に姿が見えなくなってしまったそうですが、この日の夜に再び姿を見せたとのことです。どうも腹を空かせているらしいというのがスタッフの印象のようです。このバロー (ユトクィアグヴィック)という街には街の外へ通ずる道路も鉄道もなく唯一の交通手段はこの空港を離着陸する航空機だけだそうで、仮にホッキョクグマたちが滑走路に居付いてしまうと物資の輸送が不可能になってしまい住民の生活に影響が生じてくるそうで、空港のスタッフはアメリカにおいて野生のホッキョクグマを管轄している魚類野生動物保護局 (U.S. Fish and Wildlife Service - FWS) に連絡を取って対応しようとしているようです。
アラスカ最北部のバロー(ユトクィアグヴィック) の空港の滑走路にホッキョクグマが侵入_a0151913_15445717.jpg
2003年にバローの空港に侵入したホッキョクグマ
Photo(C)Carl Flemming/FAA

(資料)
CBS News (Dec.15 2017 - Hungry polar bears look for food at Alaska airport)
ABC News (Dec.15 2017 - A bird, a plane, a polar bear? Wild guests at Alaska airport)

(過去関連投稿)
アラスカにホッキョクグマ生息重要指定地区を設定へ
アメリカ ・アラスカ州北部の寒村カクトヴィクに住む人々とホッキョクグマたち ~ 奇妙な共存関係
アメリカ ・アラスカ州北部の寒村カクトヴィクでホッキョクグマが住居に侵入を図る ~ 「警戒員」 の役割
アメリカ・アラスカの連邦地方裁判所がホッキョクグマ保護の「重要指定地区」の設定を無効と判断
アメリカにおけるホッキョクグマ保護の法的構造を探る (上) ~ 連邦控訴裁判所の決定について
アメリカの控訴裁判所がホッキョクグマ保護の「重要指定地区」への開発規制を無効とした下級審の決定を覆す
米トランプ次期政権とホッキョクグマ ~ 保護地域開発規制撤廃を求め連邦最高裁への裁量上訴の申立てへ
アメリカ連邦最高裁がホッキョクグマ保護の「重要指定地区」の無効を求めた州政府と業界の裁量上訴を棄却
by polarbearmaniac | 2017-12-17 06:00 | Polarbearology

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