街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場にガラスフェンスが設置の予定 ~ 減じる魅力

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シルカとゲルダお母さん (Медвежонок Шилка и медведица Герда)(2014年9月12日撮影 於 ロシア・ノヴォシビルスク動物園)

ロシアのノヴォシビルスクの地元メディアが報じるところによりますと、ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場に、ホッキョクグマたちと来園者を隔てる厚さ13.5ミリの三重構造の複層ガラスフェンスが設置されることになり、同園はクラスノヤルスクの会社との契約を締結したとのことです。そして設置工事はなんと4月14日から始まるそうで5月8日に完成の予定だそうです。日本の例で言えば神戸の王子動物園のホッキョクグマ飼育展示場のようになってしまうということですね。
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モスクワ動物園・ホッキョクグマ飼育展示場のガラスフェンス
(2013年10月3日撮影 於 モスクワ動物園)

ロシアの動物園ではモスクワ動物園、レニングラード動物園、イジェフスク動物園などもそういった構造になっており、来園者はガラスフェンスを通してホッキョクグマと向き合うということになるわけです。欧米の動物園ではむしろこうした構造のホッキョクグマ飼育展示場が主流です。ただしベルリン動物園やベルリン動物公園やロッテルダム動物園などはそうではありません。
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カラスフェンスのないロッテルダム動物園でのシゼル (Sizzel)とトーズ (Todz)(2015年4月30日撮影 於 オランダ・ロッテルダム動物園)

私はガラスフェンスのある飼育展示場は正直言って苦手です。何かリアリティに欠けた形で別世界からホッキョクグマたちと向かい合うことになってしまう感じがするからです。そして写真撮影などについて言えば、自然な色彩での写真が撮影できなくなり、カメラの設定をかなりいじる必要が出てくるわけです。モスクワ動物園というのは世界の動物園の中でホッキョクグマたちを撮影することの難易度の最も高い動物園です。背景がガラスフェンスに映り込みますし、それも天候や一日の時間帯によって条件が大きく異なってくるという難しさです。いくつもの場面においてそれぞれカメラの設定を細かく変えねばならなくなるわけです。そういったことが気になりだすとホッキョクグマたちの観察にもかなり影響が出てくるのです。私たちが何故、札幌の円山動物園や大阪の天王寺動物園でホッキョクグマの赤ちゃんたちの様子を気持ちよく観察でき、そして写真も撮影できるかと言いますと、実はホッキョクグマたちと来園者を隔てるガラスフェンスがないからだとさえ思っているほどです。
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イジェフスク動物園・ホッキョクグマ飼育展示場のガラスフェンス
(2014年9月18日撮影 於 イジェフスク動物園)

ノヴォシビルスク動物園でこういったガラスフェンスを設置する理由は、おそらく来園者の勝手なエサやりを可能な限り防ぎたいためだろうと思います。また、プラスチック製品などが飼育展示場に投げ入れられて、それらをホッキョクグマたちが飲み込んでしまうといった事故を防止したいためでしょう。率直に言えばノヴォシビルスク動物園で行われているホッキョクグマたちに与えるエサの販売などは、世界の動物園でも稀有の例なのです。以前にも述べたことがありますが、あそこで来園者がホッキョクグマたちにエサを投げ入れる行為はマナーの問題というよりなにか文化の問題であるというほど、市民に定着してしまっているのが問題なのです。

今回の報道の話はノヴォシビルスク動物園がホッキョクグマたちを守るためにガラスフェンスを設置するという意味付けがなされるわけですが、少なくとも私にとっては失うものも大きいことだと思っています。

(*追記)ノヴォシビルスク動物園で最近、子供用の食品の瓶が割れ、中身に興味を示していたヒグマの赤ちゃんがガラス片を飲み込みそうになったという事件があったそうです。このことに対してノヴォシビルスク動物園のスタッフの方々が激怒しているそうです。今回のホッキョクグマ飼育展示場のガラスフェンス設置はこの事件を踏まえてのことのような気がします。地元のTVニュースです。このお婆さん、本当に困ったものです。ロシアにはこういったお婆さんが結構いるのです。



(資料)
НГС.НОВОСТИ (Apr.13 2017 - Белых медведей в зоопарке решили огородить каленым стеклом для самолетов)



(追加資料)
ГТРК Новосибирск (Apr.13 2017 - Работники новосибирского зоопарка жалуются на горожан, кормящих животных вредной едой)

(過去関連投稿)
ロシアのノヴォシビルスク動物園、来園者のホッキョクグマへの勝手な食べ物投げ入れに業を煮やす
ロシア・ウラル地方、猛暑のエカテリンブルク動物園が来園者のアイスクリーム投げ入れに頭を悩ます
ロシア橋北地域で働く人々とホッキョクグマの不思議な関係 ~ 「蜂蜜(мёд)を食べるお方」への敬意

(2014年9月ノヴォシビルスク動物園訪問記)
◎2014年9月11日(木曜日)訪問
・リバーパークホテルからノヴォシビルスク動物園へ ~ ホッキョクグマたちに御挨拶
・容姿端麗なゲルダお母さん、その娘への態度に見る子育て初体験の初々しさ ~ 育児スタイルを模索中
・シルカ、順調に成長を遂げるその素顔
◎2014年9月12日(金曜日)訪問
・ノヴォシビルスク動物園訪問二日目 ~ ゲルダお母さんとシルカの不安定な関係
・ゲルダの将来への道のりと課題 ~ 一頭の母親と一頭の雌の二役の演技の動機となっているもの
・シルカ、その聡明かつ醒めた知性が発散する魅力 ~ ミルク、マルル、ポロロを超える逸材か?
・クラーシン(カイ)の性格とその素顔 ~ 双子兄弟のピョートル(ロッシー)との違い
◎2014年9月13日(土曜日)訪問
ノヴォシビルスク動物園訪問三日目 ~ "Pour que Gerda et Shilka soient heureuse..."
シルカちゃん、ゲルダさん、クラーシン君、お元気で! そしてまた会う日まで!
by polarbearmaniac | 2017-04-13 15:30 | Polarbearology

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