街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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シルカ (Шилка)、その成長と抽出された長所のエキス部分 ~ Shilka retrouvée ....

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シルカに会うのは久しぶりである。
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この年齢での一年の成長というのは大きな意味がある。彼女は果たして以前から変わったのか、それとも変わらないのか、このことは興味のある話である。
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このシルカについて、彼女がいったいどういうホッキョクグマであるか(or あったか)という点について何度か自分の考えを述べている。最初は私が初めてノヴォシビルスク動物園で彼女に会った時であり、そして彼女が大阪に移動した後にも何度も述べてきた。しかしつまるところそれは、彼女が外から持ち込まれる刺激に対してどういう反応を示すかということの意味を考えることに非常に近いと私は考えるに至っている。この点について述べたのが「シルカにとっての「おもちゃ」の意味するもの ~ その想像力を引き出す源泉」という投稿であった。
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そういった観点から今日一日彼女を観察していた。
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その結果だが、驚くべきことに彼女の特質、そしてその長所はいささかも色褪せてはいないということだった。
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彼女の遊びは肉体的な動きであるというよりは、外部から与えられたものに対して向き合うときに想像力を働かせ、そして自己とおもちゃとの間の関係についての距離感に意味を与えるといった、非常に高度な感性の動きを見せてくれることである。だから私たちは彼女と共におもちゃとの向き合い方を模索していくことになる。
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つまり、私たちは遊んでいるシルカを見て楽しむのではなく、彼女と共に想像力を働かせて一緒に楽しむのである。こういったことはホッキョクグマの観察にとって得難い体験でもある。たとえば以下のシーンである。平凡に見えるシーンが20分以上も続く。しかしここでシルカは、眼の前にあるおもちゃとどうやって遊んだらよいかを自らの想像力を働かせて考えつつ時間を過ごしていく。おもちゃをいくつも水中に隠しておき、それを一つ一つ取り出しながらどうやって遊びを進めていくかを自ら想像しているシーンである。こういったことは映像ではなかなか伝わらないものなのだ。シルカは非凡なホッキョクグマである。


Shilka the polar bear plays herself with toys, thinking in her own imagination on how to proceed, at Tennoji Zoo, Osaka, Japan, on May.16 2017.

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定例の午後のお楽しみ給餌である。
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Daily afternoon treat for Shilka the polar bear at Tennoji Zoo, Osaka, Japan, on May.16 2017.

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以前の彼女にはもっといろいろな雑多な要素が性格的にも行動的にも見られた。
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しかし現在の彼女には、そういった以前の雑多なものはそぎ落とされ、そして彼女の本質的なものがエキスのように残ったように思える。
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一般的にはこうして本質的な要素が抽出されて結晶した場合、非常に先鋭的で屹立したものとして尖った形で我々に見えてきてしまう傾向がある。
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ところが彼女から浮かび上がってくるものは何かもっと幻想的・思索的な要素である。この矛盾というものが実におもしろいのである。


シルカのおもちゃ遊び - Shilka the polar bear enjoys herself, playing with a toy object, at Tennoji Zoo, Osaka, Japan, on May.16 2017.

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このシルカを観察していると私たちがホッキョクグマを見る眼というものが鍛えられていくことを感じる。
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彼女は実に素晴らしいホッキョクグマである。
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やや気になったことがあった。シルカは今日はやや眼の状態が良くないように感じた。私はホッキョクグマの写真を撮影しても眼が閉じられた写真は全てその場で消去してしまうのであるが、今日のシルカはそうして消去した枚数が多い。特に気になったのは片目だけ閉じた写真が何枚かあったという点である。経験的に間違いなく言えることだが、こういった場合にはホッキョクグマの眼の状態が正常ではない時である。以前この動物園でバフィンの眼の状態が悪くなった時があったが、その時も消去した枚数は非常に多かった。また、以前のピース(今はどうか知らないが)も眼を閉じた写真が非常に多くなったのである。シルカに関しては多分、プールの水が取り換えられる時期にきているため木の枝やらなにやらが水中にあって、そのために水質に問題があるためだろうと思う。さほど心配することはないとは思うが.....。

Nikon D5500
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
Panasonic HC-W870M
(May.16 2017 @大阪・天王寺動物園)

(*注 - このシルカには日本で新しい名前が付いていますが、彼女のロシアでの誕生から成長、来日、そして日本でのこれからの生活を一貫して捉え、本ブログでは引き続き彼女の名前をシルカ - Шилка - で統一して記載するのを方針としています。)
by polarbearmaniac | 2017-05-16 21:00 | しろくま紀行

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