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ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の故ヨギの死因は慢性腎不全との最終報告書が明らかになる

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ヨギ (Eisbär Yoghi) Photo(C)dpa/Sven Hoppe)

先月4月13日にミュンヘンのヘラブルン動物園で飼育されていた17歳の雄(オス)のホッキョクグマのヨギが死亡したわけですが、彼の死因に関する検死報告書の内容が明らかになり、彼の死因は慢性腎不全 (Chronisches Nierenversagen) であったとのことです。これはヨギが死亡した時点で推察されていた彼の死因の内容とほぼ一致する結果だったということになります。

ホッキョクグマにおいては腎臓疾患というものは発病後の初期段階では進行が極めてゆっくりとしたもので、事前に容易に症状が顕著に変化するといった性格の病気ではなく、常に定期的な血液検査と超音波診断が行われることによってしか捕捉できないものだそうで、ホッキョクグマに対して頻繁にこういった検査を行うというのは常に麻酔を必要とする検査であるために危険性を排除できず非常に難しいのだとヘラブルン動物園の主任獣医であるゴート氏は語っています。この慢性腎疾患の原因となろうるものはバクテリアやウィルスだそうですが今回のヨギの腎疾患についてはその発病の原因については確定できなかったものの、2010年の6月にドイツのヴッパータール動物園でイェルカが死亡した原因であったヘルペスウィルス(Zebra herpesvirus)ではないということも明らかにされました。

さすがにドイツだけあって徹底的にホッキョクグマの死因についての調査が行われたようです。最近はトレーニングによってホッキョクグマから無麻酔で血液サンプルを採取することがいくつもの動物園で可能となっていますが慢性の腎疾患については血液検査の他にやはり超音波診断も行わねば把握できないようです。非常に頭の痛い話ですね。ヘラブルン動物園の獣医さんたちは動物に麻酔を行うことは極力避けたいという方針があり、麻酔実施には高いハードルを設定しているという話を聞いたことがありますがやはり事実のようですね。しかし私はその方針は正しいと思います。麻酔マニアのような獣医さんが存在しているのでは困るからです。

ヨギの死は本当に痛恨事でした。ヘラブルン動物園はヨギの後継の雄(オス)の個体をどうするつもりなのでしょうか。

(資料)
FOCUS Online (May.17 2017 - Bei Eisbär Yoghi versagten die Nieren) (May.17 2017 - Eisbär Yoghi starb an chronischem Nierenversagen)
tz.de (May.17 2016 - So traurig! So starb Eisbär Yoghi in Hellabrunn wirklich)
Abendzeitung (May.17 2017 - Pathologisches Gutachten: Daran starb Eisbär Yoghi)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2017-05-18 01:30 | Polarbearology

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